★愛知県の高校受験「複合選抜」教育制度と教育環境に関する考察★

◆公立高校を2校受験できる愛知県の高校受験制度は魅力的.貧富の差による教育機会と教育環境の区別がなされない社会へ◆

 

私は生まれてから18年間を知多市で過ごし,大学は京都の立命館大学へ,卒業後は東京に本社のある情報通信企業に就職し,東京・大阪等の勤務を経て知多市に戻って参りました.地元を離れて生活したことにより,多角的な視野や価値観を身に着けることができたのではないかと考えております.世の中には場所や環境が変わることで,自身が当たり前のこと思っていた制度や常識が違っていたり,マイノリティであることが少なくありません.本日はそんな中から教育に関する一つの事例を紹介し考察したいと思います.

 


私は「つつじが丘小学校→八幡中学校→東海南高校」という経歴ですが,ここに共通するのは公立学校という点です.同級生で中学受験をしたのは,裕福な家庭の子どもと非常に頭の良かった数人程度で,私立中学受験という選択肢がほとんどありませんでした.同じ小学校の同級生はみんなで区域の市立中学校に進学する.小中9年間一緒に過ごすから絆も強くなりました.

そして高校受験.私は横須賀高校と東海南高校を受験して,横須賀高校に落ちて東海南高校に進学したわけですが(当時は落ちて結構凹みました(苦笑)),受験には条件があり自由な組み合わせはできないものの,公立高校を2校受験できるのは,当たり前の制度として認識し,受験校選びに腐心したものです.しかしこの疑う余地のないごくごく平凡な経歴が,住む地域や環境が違えば一般的な選択ではないことをご存知でしょうか?


愛知県の公立高校の入学試験制は複合選抜と呼ばれる,同一の学区・群に属する別々の入試日程の2校を選択し受験する制度です.つまり,条件はあるものの公 立高校を2校受験できる.そんなの当たり前でしょと思っていませんか? これは大学に入学してはじめて知ったのですが,公立2校受験は愛知県特有の制度であり,公立高校を2校受けられる都道府県はほとんどありません.つまり, 公立高校は1校しか受験できない.そんな制度が一般的なのです.これには非常に驚くとともに,他の都道府県出身者に私立高校の卒業生が多いことに納得した 瞬間でもあります.

愛知県は公立高校が実に強いです.旭丘高校を頂点とする公立高校のピラミッドがバランス良く形成されて,上位の公立高校であれば東大や京大も狙うことができるという非常に充実した環境であると言えます.身近にも横須賀高校や半田高校から京都大学に進学した先輩や同級生が おり,もちろん彼らは各校の最上位に位置して努力を惜しまない非常に頭の良い方々でしたが,それでも公立高校から東大や京大に進学できるというのは素晴らしいことだと思います.なぜならは,学費を気にせずに上位大学を狙える選択肢が提供されているからです.



というのも,大学の同級生は私立と公立が半々ぐらいでしたし,会社の同期の東大京大出身者は一人残さず有名私立高校出身者でした.東京や関西では,中学受 験の時点から学力の選抜が行われるのが一般的で,充実した環境に身を置くためには私立学校に進学させねばならない.というのが暗黙の了解であったりするの です.私立学校は学費が公立高校に比べてずっと高く,受験には入念な準備が必要なので対策費用もかかります.親としては少しでも良い環境で子どもを学ばせ たいと思うのは当然ですが,選択肢が狭くそれがお金がかかる道だというのは頭の痛い問題でしょう.

そして中学というまだ思春期の初期の頃から学力による選抜が徹底されてしまうと,子どもの可能性が限定されかねません.つまり,裕福で賢い層とそうではない層との断絶です.私立中学の充実した環境で学べる子どもと,一方で荒れた中学であまり良くない環境で学ばざるを得ない子どもがいる.公立が良い悪いの問題ではなく,そんな格差が生まれ広がりつつあるように感じます.



私は資本主義も競争社会も肯定しますが,前提として公平さ(フェアネス)は守られなければならないと考えております.つまりは,挑戦の機会と可能性は平等に提供されるべきだと思うのです.環境が人を育てるからこそ,より良い環境に我が子を置きたいと親は願います.その環境へのチャレンジの機会(切符)が裕福さ(お金)によって限定されてはならないのではないでしょうか? そんな意識から知多市でも子どもの教育環境と機会の充実に取り組んでいきたいと考えております.子どもに努力することの大切さと,競争社会の厳しさ(情報)を伝えることで,一人一人の可能性を大切にしていきたいですね.

社会を見れば受験に限らず政治の世界においても既得権益が有利であっ たり,不平等がまかり通っていることが少なくありません.正しくないことは間違っていると主張し,自身の変えられるところから少しずつ変えていければと考えておりますので,引き続き応援いただければ嬉しいです.長くなってしまいましたので,是非紹介したいと思っている英才教育と中学受験の最前線の話題はまたの機会に綴ります.ではでは!