★“Amazon Fire TV”は何が凄いのか? これからのTVの話をしよう★

アマゾンファイアスティックTV

 

◆「Fire TV Stick」はテレビの使い方を根本から変える。TVを限られた番組が一方的に配信される家電から、ネットに繋がる先進デバイスへ。プライムビデオをコンテンツ革命と名付けよう! これが放送と通信の融合だ!◆


「Amazon Fire TV」を毎日利用しています.もう「ベゾス様まぢ凄ぇ!」と最大限の賛辞を送らずにはいられない、素晴らしいサービスだと思います。ところで皆さんはテレビを見ますか? 私が見るテレビ放送は、NHKの報道番組と、テレ東のWBS(ワールドビジネスサテライト)くらい。最近はNHKのニュース番組も最新の情報や出来事の報道というよりは、ワイドショー化して劣化しているように感じるので、テレビを見る時間というのは減っていくばかりでした。テレビを見る層と見ない層の二極化が進んでいる昨今、それでも、情報はリアルタイムで入手したいと考え、テレビはプッシュコンテンツとして、ながら見するのには貴重なものとの評価は揺るぎません。放送されるコンテンツの是非はあれども、このTVという家電を有効活用したいと思っている方は大勢いらっしゃることでしょう。

 

 

◆放送と通信の融合をAmazonが実現「Fire TV」「プライムビデオ」の実力◆

 

私が情報通信企業に入社した頃から、通信と放送の融合の可能性がもてはやされていました。これからは、通信と放送を連携させたサービスが進展したり、通信業界と放送業界の相互参入が進展したりするだろうと。その後の10年で実際に起きたのは、通信の規制緩和による競争激化の恩恵としての、ブロードバンドの爆発的な普及です。その結果、日本は世界でもトップクラスのインターネット高速通信環境が整うIT先進国(利用環境において)になりました。固定網に関してはアメリカよりも質&料金ともに優っているとも言われるくらいです。モバイル環境の安定性や高速化(LTE)も世界で最強レベルです(値段は先進国に比べて大して安くないですが…)。

 

そう、通信において日本は世界で屈指のインフラを誇っています。一方で放送はどうでしょうか? 視聴者が選べるのは、日本テレビ放送網(NNN)、TBSテレビ(JNN)、フジテレビジョン(FNN)、テレビ朝日(ANN)、テレビ東京(TXN)という民放キー局に加えてNHKの6チャンネルのみ。地域によってローカル局がプラス1つか2つありますが、日本で選択できる放送局は最大10もないのです。通信と違い、既得権益による独占が強固であるため、日本人はこの限られた放送局から選ぶしかありませんでした。無料とはいえうんざりですよね。ちなみにアメリカも欧州も数十チャンネルありますが、このあたりのことはまた気が向いたら記事にします。

 


●液晶TVは機械として進化したが、テレビ放送は何十年も進歩がなかった●


我々は数少ない日本のチャンネルを、当たり前のこととして受け入れてきました。つまり、放送局から配信される番組にチャンネルを合わせてテレビを見ていたのです。あのドラマが見たいから月曜日の21時にフジテレビを見よう。22時の日テレ番組が見たいけれども、同じ時間に放送されるTBS番組も見たい。どちらか録画しなくてはと頭を悩ませたりする。挙句、家族や兄弟でテレビのチャンネルを争うこともあったでしょう。


でも、ちょっとこの常識というか、習慣を冷静に考えてみてください。生放送の番組を除けば、バラエティもドキュメントもドラマも、収録済でありデータとして保存されている。いつだって見ようと思えば見れるのです。だって、映像データですから。それを放送局(テレビ局)が放送時間を決めて、番組表として公表し、視聴者にその時間に見るように強いる(選択肢を与えない)。視聴者も放送されるコンテンツは時間が決められているのが当然のこととして疑うことはなかった。配信される番組は、放送局ごとに決められており、時間も固定されている。テレビ放送とはそういうものであると。だから、その番組表に合わせてチャンネルを変えたり録画をしたりする。でも、これはまるでテレビの奴隷であると言えませんか?

 

 

●ビデオオンデマンド(VOD)&オンデマンドTVの可能性●

 

もちろんリアルタイムのコンテンツは別です。スポーツ番組やニュース番組は生放送だからこそ見る価値がありますが、生放送以外のコンテンツを時間を指定されて見ることに誰も疑問を感じずに来たのです。だってそれが当然のことだと信じていたし、他に選択肢などなかったから。その不便さを解消するべく、数年前「ビデオオンデマンド」(VOD)という仕組みが立ち上がりました。NHKオンデマンドやテレビ東京のビジネスオンデマンドなんかそうですね。ユニークで画期的であったけれども、それでもテレビで放送されたコンテンツを後日、PCやタブレット、スマートフォンで視聴できるというサービスでした。

※nhk-ondemandはテレビで視聴できますが、それには特別な契約がいります。


ここではテレビ放送のコンテンツは活用されるけれども、TVというデジタル家電のポテンシャルは活かされませんでした。実に不思議です。パソコンの先にはインターネットを介して無限のコンテンツにアクセスできる。にも関わらず、視聴できるテレビコンテンツは限定されており(テレビのリモコンを見てごらん? 12までしか数字がなくて、しかも映るのは半分とちょっとなんて信じられるかい?)、放送の時間に合わせてテレビを付けなきゃいけないんです。

 

 

●テレビがインターネットに繋がり、TVがパソコンになる「Fire TV Stick」●

 

私はもともと液晶テレビをPCに繋いでWifi接続して、大きな液晶としても使っており、TVはテレビ番組を見るための機械ではなくて、デジタルデバイスとして面白い使い方が出来るよー!と発信していたのですが、この使い方はマニアックであるというか、利用者に知識と手間を強いるものでした。PCを専用に1つ準備しないといけないですし(古いPCをテレビと繋いでいる)、設定も最低限のITスキルが必要だし、万人におすすめすることは確かに出来ませんでした。

 

そんな中「日本のテレビはおかしい!」「TVというデジタル家電にはもっと可能性がある!」と新たなサービスを提案したのがGoogleの「Chromecast」(クロームキャスト)であり、「Apple TV」でした。ただ、Chromecastは利用できるコンテンツの幅が広がるわけではなかったし、AppleTVはリンゴ厨以外に身近な商品とは決して言えなかったでしょう(Appleは利用者に我慢を強いるので苦手です。それでもAppleの製品やデザインが大好きだって人がごまんといるから余裕なんでしょうね)。一部のイノベーターとアーリーアダプターは飛びつきましたが、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティへのブレイクには至りませんでした。まぁ面倒な割に大した機能がありませんからね。

 




 

●「破壊者ベゾス」のAmazonが「プレイムビデオ」でテレビを変えるか?●

 

そこにAmazonが「プレイムビデオ」と「Amazon Fire TV」で殴り込みです。Amazonはテレビにパソコンの機能を付与し、インターネットへの接続を簡易に実現した。本当に本当に誰でも簡単に使えるようにした。しかも、それを格安で提供したのです。説明書を読まない層にも使えるデバイス、情報弱者にも優しいサービス、そして圧倒的なユーザビリティ。もう日本では、他のオンデマンド系の動画サービスで成功するのは困難だと推測します。NetflixもhuluもdTVもU-NEXTも大打撃。特にhuluなんて配信コンテンツが被っているので、私は「Fire TV Stick」を購入ポチ後速攻で解約しましたし、プライム会員の何百万人?が潜在顧客であるわけですから。

 

さすが「破壊者ベゾス」です。イノベーションとテクノロジーでレガシーサービスや、既存のビジネスモデルを完膚なきまでに破壊する。この圧倒的な「ヒト・モノ・カネ」を誇る巨大企業。ビジネスチャンスは対決にではなく、活用やコラボレーションにありと見ています。この記事を記載しながら、面白いビジネスを思いついたので、近日中に公開できればと思います。