◆JetStarがフライト直前に欠航になったよ! | 飛行機が欠航した際にすべきことは欠航証明or遅延証明を貰うこと | 格安航空の補償は最低限 | LCCは運行リスクを吟味して上手に活用しよう◆
人生ではじめて飛行機の欠航に遭遇しました。ジェットスターに搭乗後、まさかのフライト欠航! すべての乗客が機内に案内され、飛び立つ直前にキャンセルとなったことと、欠航時の対応が稚拙であったこともあり、キレる客が続出して大変でした(見ていて嫌なものです)。サミット前で警察の方々が多くいらっしゃったので、大事になることはありませんでしたが、殺伐とした雰囲気というかまさに修羅場。そして、フライトが欠航になるとリカバリーがいろいろ大変です。今回の経験も踏まえて飛行機欠航時に役立つノウハウを記せればと思いますので、参考にしていただければ幸いです。
●ジェットスター GK385便 欠航の顛末(名古屋(NGO)発~沖縄(OKA)着)●
まずは事態を時系列にご説明しましょう。11時55分セントレア発那覇行のJetStar GK385便。簡素ではあるけれども、スムーズなチェックインのオペレーション。私はジェットスターのコストパフォーマンスには非常に好意的ですので、本日も感心しながら飛行機への搭乗を済ませました。GW前日ということもあり、搭乗率は90%を超えていたでしょうか。定刻前の乗客の搭乗もスムーズで、まさに飛び立つ直前のその時、機長からアナウンスが流れました。
「本機は先ほどネジの不良が発見されたため、現在確認を行なっております。
+客へのお詫び」
いやいやいや、ネジの不良とかたとえ見つけたとしても、アナウンスはしないでいただきたい、怖いではないですか。単純に最終整備に時間がかかっているため、と伝えてくれれば余計な不安を与えなくて良いのに、果たして客にすべての情報を提示することが適切な判断だろうか? と、このアナウンスの是非について懐疑的な思考を膨らませておりました。この情報によりフライト中も不安になるかもしれませんよね?
当初はまさかフライトが中止になるとは思いつくはずもなく、日ごろからちゃんと整備しとこうよ、ジェットスターさん! なんて心の中で呟いて読書に集中しておりました。がしかし、アナウンスから5分後、外を見ると機体から荷物を取り出しているではないですか! いやいやいや、まさかフライト中止なんてことはないよね? と思ったその数分後、また機長からアナウンスが流れたのです。
「先ず客へのお詫び。本機は整備不良のため、フライト出来なくなりました。つきましては、
飛行機から降りていただき、預けた荷物を受け取ってください。+客へのお詫び」
えっ、それだけ? いや、私はお詫びに誠意が感じられないとかそういう感情的なことを言うつもりはありません(実に簡素で業務的なアナウンスではありましたけれども)。降りてからどうしたら良いかを案内して欲しいのですが…。他の客も事態が呑み込めずに、とにかく降りて荷物を受け取る以外に選択肢はなく、速やかに指示に従いました。私はフライト中止ははじめてですが、飛行機は100回近く乗っておりますので、不安な気持ちで胸がいっぱいになりました。
格安航空のジェットスターが代替機を用意出来るのか? そして、本旅行は那覇経由宮古島行ですので、この後のトランジットやホテルの補償はあるのかな? と頭の中でぼんやり考えながら、荷物受け取り口に向かいました。さすがLCCはじっこの搭乗口で荷物受取口も遠いです。
そして荷物受取場になんとか到着。すると、ジェットスターの係員が乗客に囲まれておりました。私は隣で荷物を待ちながら係員が客に問い詰められるのを聴いておりましたが、残念ながら対応が不慣れでありました。以下がそのやり取り。
「飛行機は飛ばないの? → Yes.本飛行機はフライト中止です」
「代替機は飛ぶのか? → わかりません」
「この後どうしたら良いのか? → 欠航となった場合は全額返金となる」
途中からカウンターでのご対応という形に案内の舵を切りましたが、ジェットスターの社員教育は大丈夫でしょうか? 最低限の有事の際のオペレーションは確立しておくべきだと思います。そして、添乗員や係員のお姉さんにキレていたお客様、お気持ちはわからないでもないですが、そのお姉さんにキレても事態は改善しません。
そして、荷物を待つこと2,3分、無事に預け荷物を受け取って、3Fのジェットスターのカウンターへ。怒声が響いておりました。おぉ、キレてるキレてる。今回は私は被害者(サービス利用側)ではありますが、ジェットスターのスタッフを責める気にはまるでなりません。客商売を経験している方なら共感いただけると思いますが、苦情処理(しかも自社の過失)って物凄い辛いんです。気の毒で仕方がない。
それにしても、どうしてキレるんでしょう? キレて事態が少しでも良くなると思っているのでしょうか?加えて、サミット前であるためか、警察官の方が多くいらっしゃり、そのキレたお客さんの周りを5人以上の警察官が取り囲んでいました。警察官がいるのにキレ続けるあのお客さん凄いな…。と間違った方向で感心しつつ、並んでいると、振替機を飛ばすとの案内がなされました。
●ジェットスターより振替フライトの提示&ミールクーポンの配布●
17時20分に振替フライトを実施いたします! いやー、17時20分ですか。トランジット便は間に合わないし、那覇~宮古島の最終便も間に合いそうにありません。困りました。ほどなく、ジェットスターのスタッフがミールクーポンを配りはじめました。17時20分のフライトまでこのミールクーポンでも使ってお待ちくださいということなのでしょう。5時間待ちね…。
対処策に思考を巡らせていたところ、突然、私の目の前の人(さっきとは別人)が、キレ出しました。びっくりした!「こんなクーポン一枚で済ませるつもりか! 何考えているんだ!」と。いや、怒りももっともですし、ご指摘も間違いではないでしょう。でもね、何故大声を出して、クーポン配布しているスタッフを罵倒し恐喝するようなことをするのでしょう? また警察官の皆さまが集まってきました(苦笑)
どうして警察官がたくさんいるってわかっていて騒ぎ立てるんだろう? まぁ警察は民事不介入であるから暴力などをふるわなければしょっぴかれることもありませんが、見ていて気分の良いものでもありません。びっくりしましたし本当に勘弁いただきたい。
そして、やっと自分もカウンターに順番が回って来ました。今回のフライトキャンセルは、天候不良などの不可抗力による欠航ではなく、ジェットスター側の整備不良による搭乗後の飛行中止であることから、駄目元で交渉をする余地はあるかなと思いまして。自分が那覇経由で宮古島に行くことを説明。17時20分の振替飛行機だと、宮古島に本日着けない。ホテルやレンタカーのキャンセル料も発生して非常に困るので、14時50分のANAかソラシドエアの便に変更していただくことは出来ないか? と冷静かつ淡々とお伝えしました。たぶん無理だろうなぁ。
残念ながら対応していただいたお姉さんはテンパっておりアンサーミート出来ず、17時20分にフライトを振り替えしますので…。と再度説明されました。えぇ、その情報は認識しております。別に補償しろ! とか どう責任取ってくれるんだ! と怒っているのではなく、契約や約款の通りに対応いただくことになるかと思いますが、その辺どうなっていますか? というのを確認したいのですが、と再度伺います。
すると、隣に来たマネージャーもしくは窓口責任者かと思われる男性が冷静かつ真摯に対応してくれました。申し訳ないが、現場では補償云々の話はお答え出来かねる。他社フライトへの振替は出来ないとこのと。窓口でいま案内出来るのは、振替機に乗るか、キャンセルして返金処理をするかの2択。まぁそうですよね、非常に的確かつ柔らかいご対応をいただき、凄いなと感心しました。非常時の対応に人間性とか優秀さって出ますよね。
がしかし、私は友人とのこの旅程の調整を急いでせねばなりません。欠航により被った損害を最小限にして、旅行を完遂させたい。ということで、欠航証明書を交付していただきました。周囲で申請していただいている方はあまりいないようでしたが、大丈夫なのかなと心配になります。17時20分に無事に渡航出来たとしても、離島への乗り換えは全滅のはずですので。
●フライトが中止になったら欠航証明書を交付して貰おう!●
まずJALカウンターへ行き、JetStarの欠航証明書をお渡しして、翌日への変更をお願い出来ないか? と依頼します。早割予約しているので、通常ですと変更が出来ないチケットであるため、この欠航証明/遅延証明が不可欠です。手続に少々時間はかかりましたが、変更手数料を支払うことなく、翌日の午前便に変更完了! クラスJの空きがなかったのは残念ですが、仕方がありません。
そして、レンタカーの変更の電話。OTSレンタカーにフライト欠航によるレンタカーの日程変更を申し出たところ、当日分の費用を支払う必要なくキャンセル出来ました。翌日からの旅程の利用料を支払えば良いとのこと。良かった。
次に、ホテルのキャンセル。飛行機が欠航になってしまった旨とキャンセルを申し出ますが、当日キャンセルは規定の費用を貰いうけることになりますとのご説明。そうですよね、当日キャンセルはホテルも困りますよね、でもこちらとしても泊まらないのに宿泊費を支払うのは辛いなと思いつつ、電話で無理を申しても迷惑ですし、キャンセル料が減額いただけるかどうかは明日の宿泊手続時にご相談ということになりました。
最後に当日の宿確保。これは最初にすべきかとも思ったのですが、那覇の当日の空室情報をちらっと見たら、結構な空きがあったので後回しにしても大丈夫だと判断して、ゆっくり検索。パームロイヤル那覇(おすすめ)を確保して一安心。でも、どっと疲れました。残りの4時間どうしようかしら。フライト欠航という不愉快な出来事ではありますが、貴重な経験でもあるので、記録しておこうと思い筆をとった次第です。パソコン持参して良かった。タブレットは読書端末としては最高ですが、記録や作業には向きませんからね。
●振替フライトは約6時間後に出発。格安航空会社の補償は期待し辛い●
ことの顛末をば。結局振り替えの飛行機は17時40分頃、機内への乗客の案内を終え、約6時間遅れで出発しました。沖縄で青空を眺める予定が、機内より夕日を愛でることになりました。涙がこぼれそうになったのは眩しいからだけではなく、昔を思い出してしまったからかもしれません。
最後に、今回のフライト中止は、誰が悪いでもないですので、仕方がありません。安全就航が何よりも大切ですから。そして飛行機の欠航はLCCやジェットスター以外でも起こりえます。しかし、LCCの問題は、代替機の用意が出来ない可能性があるということでしょう。JALやANAであれば、その後に飛ぶ便に振り替え可能ですが、機材がなければ飛ばせない。ここがリスクかなと思います。そういう意味ではJetStarの今回の振替輸送の迅速な対応は不幸中の幸いと言えるかもしれません。
それでも、1万円以内で沖縄や北海道と本州を繋ぐ格安航空は非常に貴重ですので、ジェットスター社には、機体整備により注意深く配慮いただき、引き続きチープチケットを提供し続けていただければと思います(欠航時の対応も併せて改善願います。先日欠航した便でツイッター炎上してますね)。皆さまも素敵なGWをお過ごしください☆彡