印(しるし)をつけておかないと記憶に残らない。凡人は記録しなければ自らの人生の記憶すら辿れないのだ。
読んだ本や雑誌、記事、漫画はまとめるのは量が多すぎて困難だけれども(但し保存している。日経ビジネスがアーカイブを削除するという暴挙(キチ〇イ)を起こしして以降、デジタルデータで保存することを心がけている。記事リンク保存という価値を台無しにしてくれた日経ビジネスは万死に値すると思う。
それでも学びも与えてくれた。お気に入り保存(ブックマーク保存)やURL(ハイパーリンク)の保存は駄目だ。自滅した日経ビジネスに限らず、Yahoo!NEWSを筆頭に、法人or個人運営に関わらずWebサイト(情報)はある日突然消える。だからあらゆる情報は適切にデジタル化してバックアップ保存しておくことが賢明である。経済誌から過去記事が消える(日本有数の経済誌出版社が、アパレル会社が流行りの過ぎた在庫を棚卸しでゴミのように廃棄するのと同様に、その貴重な財産であるコンテンツである記事アーカイブを消去する)時代においては、個人で情報の価値を決めて管理するしかない。なお、私は20年以上日経ビジネスの有料購読者だ。)テレビコンテンツや映像コンテンツの視聴記録ならまとめられるかもしれない。なぜなら数と時間が圧倒的に少ないからだ。
ニュースとドキュメンタリー以外にテレビを視聴することはほとんどないライフスタイルであると同時に、元々頭が悪い(昔は悪くなかった気がするので劣化かもしれない)ので、記録に残しておかないとすぐに忘れてしまう(記憶メモリが絶望的に脆弱である)。昨日の昼御飯なにを食べたか? というどうでも良い情報を思い出せないレベルではなく、喜怒哀楽のすべてを忘れてしまうのだ。旅行で感動した景色も(こちらは一応写真に残せている)、舌鼓を打った食事も(ありがとうGOOGLEPhoto)、感銘を受けたドキュメンタリーも記憶からすぐに薄れていってしまう。村上春樹の好きな小説を10回読み返しても色褪せない(心の震えは減る。年齢や経験の所為か、ストーリーくらいは覚えているからかもしれない)のは、記憶力が壊滅的に悪いからだ。馬鹿万歳(ぴえん)。
というわけで冒頭から自己分析で絶望的な気持ちになったけれども(本質が根暗なので仕方がない)、2021年に視聴したドキュメンタリーの中で個人的に素晴らしかったと感じたものを綴りたいと思う。記録しておかなければ忘れるし、これから綴るのは忘れてはならない至極のコンテンツである。基本的にはNHKのコンテンツだ。地上波民放コンテンツ(NEWSとテレ東以外)は見ると時間を損した気持ちになることが多い(個人的見解)ため視聴していないことと(これは経験から学んだことだ。偏った思考であるかもしれないし、もちろん異論があるのは認める。でもNTVやTBSやFNSのドキュメンタリーを視聴して良いコンテンツだったと思える確率は、プロ野球で戦力外通告を受けてしまう選手の打率成績以下というのが経験的観測。私は残り少ない人生の大切な時間を浪費したくないのだ。もう十分ドブに捨ててきた)、NHKの一部番組がAmasonでアーカイブ化されたのがその理由である。日本のメディアのコンテンツのアーカイブ化は絶望的に遅れていて度し難いレベルだったのだけれども(なぜ決められた時間に地上波に流すだけだったのか?)NHKはAmazonのPrimeVideoという便利なプラットフォームを活用することに舵を切った(英断だと思う)。一部コンテンツだけという物足らない状態ではあるが、NHKオンデマンドのような腐ったUIで、欠落だらけの残念なデータベースよりは遥かに使い勝手が良いから重宝している。日本の放送局はTVerとParaviに注力するのが遅すぎたし、後発の割に糞仕様なので、AmazonPrimeVideoかYOUTUBEと提携していただきたい。コンテンツ制作に注力して配信は諦めるべきだろう。テレビがつまらないというのではなく、魅力的な作品もたくさんある。ただそこにたどり着くのが困難であり、時間を固定されるのがやっかいなのだ。選択肢も少ない。インターネット(通信)のプラットフォーマーとしての技術や能力はないと割り切ってコンテンツクリエイターとしての道を選ぶしかないのではないだろうか(地上波という電波を独占出来て、インターネットというライバルがいなかったから彼ら(放送局)はコンテンツ制作と配信(地上波放送)という超美味しい果実を占有できたのだ。両手で数えるほどのチャンネルしかないという情報弱者の国民を大量に生み出しながら)。
愚痴になってしまった。既得権益を利する規制ばかりの国なので仕方がない。それが仕組みなのだ。それが嫌なら自ら変えるか出ていく他にない。変える能力は自分にはないし(自らの仕事の範囲内で出来る限りのことに全力で取り組むだけだ)、日本は最高に快適だからこのまま住み続けたい(没落していく確率が高いとはいえ、平均的な能力の人間(一般的日本人)にとって日本以外に住みやすい国などどこにもない(日本語というガラパゴス万歳!英語圏は世界中の競争にさらされる)。少し知識を身に着けてちょっとのテクノロジーを活用すれば、日本に在住しながら世界中の便利なサービスを活用できる。10TBのオンラインストレージと組み合わせればデジタル社会を満喫できる。Thanks,GAFAM! 日本のインフラに大感謝!
前置きが長くなったが(最近書いていなかったからだろう(自分の文章の残念さに絶望したから止めたのだ))、2021年と一部2020年のNHKドキュメンタリーを中心に、見て良かった(見る価値のあった)映像コンテンツの記録を綴りたい。少しでも気になるコンテンツがあればご覧になっていただければ幸いである。
以下、基本的には日付順(エピソードが新しいもの順)。適宜感想を加えていく(感想を加筆していきたいと思う)。
●BS1スペシャル(NHK公式)
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/list/
●BS1スペシャル(NHKオンデマンド)
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07ZQ9Z8ST/
「レバノンからのSOS 〜コロナ禍追いつめられるシリア難民〜」
初回放送日: 2020年7月12日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/X75MJ19M89/
日付が新しい順番にと申したが、本作品は別格であるため、トップに掲載する。私の2020年ドキュメントオブザイヤー(というか私の人生における10指に入るコンテンツ)。親ガチャという言葉が流行しているみたいだが、人間は生まれつき不公平に作られているなんてわかりきった話だ。どこで(どの環境で)どんな遺伝子(どんな能力)を持って生まれるかが人生の大半の趨勢を決める。それでも、地獄に生まれて地獄に生きる(いわゆる生まれながらの絶対的貧困)よりも、中流から貧困に没落するほうが辛い(残酷)だと私は思う。戦争や紛争が起こすのは中間層の生命財産危機や生活苦である。イエメン紛争やシリア紛争でいま起きている地獄は救いがなさ過ぎて直視することさえ出来ないのだが、紛争の当事国ではない国際色豊かな比較的先進的な国であっても、国や社会の舵取りを間違えて紛争等の周辺国の影響を受けると、あっという間に没落して貧困国に陥ってしまうという残酷なケーススタディとしてレバノンに日本が学ぶことは多いと考える。私は人間の愚かさと残酷さを過小評価することはないので、いまレバノンで起きていること、レバノンの悲惨な現実が、人間と人間社会の本質的な部分であると強く感じた。性善説は理想で性悪説を前提として物事を捉える方がリスク回避になるという認識を新たにした意味でも学びである。
【2021年】
「ママにはならないことにしました 〜韓国ソウル 出生率0.64の衝撃〜」
初回放送日: 2021年12月19日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/5M82P489JM/
「ニュースルームの闘い 〜フィリピン 電波が消えた放送局の18か月〜」
初回放送日: 2021年12月9日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/7ML3JK5LXK/
シリーズ“2030 未来への分岐点” 「AI戦争 果てなき恐怖」
初回放送日: 2021年10月31日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/WK16QXZXZ1/
シリーズ“2030 未来への分岐点” ▽“神の領域”への挑戦〜ゲノムテクノロジーの光と影〜
初回放送日: 2021年10月24日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/Y59J83J9Z7/
欲望の資本主義 特別編 「生き残るための倫理」が問われる時
初回放送日: 2021年9月23日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/1KMZV21R6P/
「シリア 隠された傭兵たち―内戦10年の果てに―」
初回放送日: 2021年6月13日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/N36QQ96RVK/
「市民たちの不服従 北角裕樹が見たミャンマー」
初回放送日: 2021年5月23日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/JWYNGNZ4NW/
欲望の資本主義 特別編 「コロナ2度目の春 霧の中のK字回復」
初回放送日: 2021年5月2日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/X4QK7481Y3/
シリーズ“2030 未来への分岐点” 第2回「飽食の悪夢〜水・食料クライシス〜」
初回放送日: 2021年4月25日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/4QZR56521V/
「“自由の声”が消えゆく世界で ―アラブの春から10年 夢の先に―」
初回放送日: 2021年4月11日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/6QQGMV89G3/
「黒人中国夢 -ブラック・チャイナ・ドリーム-」
初回放送日: 2021年2月23日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/J881JNGPPZ/
「潜入10年 北朝鮮・武器ビジネスの闇」
初回放送日: 2021年2月21日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/GZVV4JPLPK/
「離郷、そして...〜中国 史上最大の移住政策〜」
初回放送日: 2021年2月21日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/YN4JQ41822/
老人大介護 「中国14億人の老後」
初回放送日: 2021年2月11日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/VK5VQ7Z511/
インド“世界最高の頭脳”を獲得せよ〜密着!就職面接会の3日間
初回放送日: 2021年2月1日
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/NGG89NZ884/
●ETV特集(NHK公式)
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/list/
●ETV特集(NHKオンデマンド)
https://www.amazon.co.jp//dp/B07ZQCKP7C/
【2021年】
「消えた技能実習生」初回放送日: 2021年11月20日
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/JP7598WGW8/
「調査ドキュメント〜外国人技能実習制度を追う〜」初回放送日: 2020年10月17日
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/MP1KKQRGLV/
→厳しい環境に位置している日本で働く外国人技能実習生の状況を丁寧に取材したドキュメンタリー。外国人技能実習制度の賛否はさておき(少子高齢の人口減社会の中で4K労働を誰がやるのか?等、議論すべき論点が多いにも関わらず、排他主義的なライトウイング勢力と頭お花畑のレフトウイング勢力の誹謗中傷合戦や、イデオロギー論争になるから外国人や移民問題はまともな人は議論を避ける。いわゆるリスク回避だ。少数のクレイジーな連中がSNS時代に可視化されたのか、実はマジョリティとしてそれなりの割合を占めているのか、実のところはわからないがヤフコメをウォッチしていると後者のような気がする)、奴隷のような残酷な労働現場が21世紀の日本にも存在すること認識しておきたい。日本人として生まれた人だけでなく、日本に住むすべての人が健康で文化的な最低限度の生活を送れるようになれば良いと願っている。
※底辺労働者の地獄はUSAやEUにも似たような状況が存在するから日本が先進国において特別酷い状況ではないという認識。例えば(https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20191026-00148429「ママごめん。私は死ぬ。息ができない」英国の冷凍コンテナ死 密航者39人のうち6人はベトナム人か)を読むと胸が抉られる。私は無知で無教養な人間だけれども、ヨーロッパが人権優先の素敵な国という認識は願望と幻想が入り混じっているように思う。日本もUSAもEUも酷い環境はいくらでもあるという厳しくも残酷な現実である。
「この国で生きてゆく〜大阪 外国ルーツの子どもたち〜」初回放送日: 2021年5月22日
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/6LVLZK8G84/
「パンデミックが変える世界 紛争地帯からのSOS」初回放送日: 2020年9月19日
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/L2RJ3R23KR/
「パンデミックが変える世界 〜台湾・新型コロナ封じ込め成功への17年〜」初回放送日: 2020年6月20日
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/X4W4YPM448/
「緊急対談 パンデミックが変える世界 ユヴァル・ノア・ハラリとの60分」初回放送日: 2020年4月25日
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/QNYPWWZ3WQ/
「緊急対談 パンデミックが変える世界 〜海外の知性が語る展望〜」初回放送日: 2020年4月11日
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/PVVG5MVMGG/
→世界でも屈指の頭脳からのメッセージ、語られるストーリーは刺激的。私はルイス・フロイスの指摘(日本という国は根本的に情緒でものを判断する。ロジックではなく、好きとか嫌いで政治が決まるという大変愚かな決定の仕方をしている)は的を得ていると考えており、それが苦手なタイプの人間だ(社会的不適合社)。情緒的なものよりも論理性や経済合理性を優先する。だから台湾の能力を優先する適材適所配置に非常に肯定的である。為政者や経営者や上級役人には能力最優先でなって貰いたいし、実績評価される社会であって欲しいと願っている。日本はそこから遠いところにあるからこの国の未来には結構悲観的。
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