◆知多市放課後児童クラブ & 知多市放課後子ども教室◆
◆参考:知多市「子ども教室」「児童クラブ」申し込み関係資料◆
◆知多市放課後子ども総合プラン「子ども教室」「児童クラブ」のさらなる充実について◆
先の通告に基づきまして、「知多市放課後子ども総合プランのさらなる充実について」お伺いします。
近年、ライフスタイルの多様化や、女性の社会参加が進み、子育て世代の共働きが増加しております。また、母子家庭、父子家庭等、ひとり親家庭も増加傾向にあり、働くことと子育てを両立させたい家庭にとって、安心して子どもを預けられる先の存在は不可欠であります。自治体は、こうした課題やニーズに応えていく役割を担っており、充実した地方教育行政や福祉行政を提供することが求められていると考えます。
国では、地域社会の中で、放課後等に子供たちの安全で健やかな居場所づくりを推進するため、各市町村のすべての小学校区において、文部科学省の「放課後子供教室」と、厚生労働省の「放課後児童クラブ」を、一体的あるいは連携して実施する総合的な放課後対策を推進してきました。
「放課後子ども教室」はすべての子供を対象として、安全・安心な子供の活動拠点を設け、地域の方々の参画を得て、学習やスポーツ・文化芸術活動、地域住民との交流活動等の機会を提供する取組を推進すること。「放課後児童クラブ」は共働き家庭など留守家庭の児童に対して、放課後に適切な遊びや生活の場を与え、その健全な育成を図ること。が趣旨として掲げられています。
小学生は学校から帰ってくるのが一般的に15時頃と、保育所と比べると学校の滞在時間が短いため、主に共働き家庭において、子どもが保育園から小学校に入学すると、親はこれまで勤めてきた仕事を辞めざるを得ない状況となる、いわゆる「小1の壁」という問題に直面します。「放課後子ども総合プラン」はこの「小1の壁」を打破するとともに、次代を担う人材を育成するため、全ての就学児童が放課後などを安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行なうことができるよう、進められてきたものであります。
本市におきましても、「放課後子ども総合プラン」に基づき、「放課後子ども教室」と「放課後児童クラブ」の2つの事業を推進しております。今後は、ニッポン一億総活躍プランでも示された通り、放課後児童クラブと放課後子ども教室の連携を強化し、引き続き学校施設の活用を促進するとともに、共働き家庭等の「小1の壁」の打破だけではなく、共働き家庭の児童に限らず、全ての児童が多様な体験・活動を行うことができるようにすることが求められていると考えます。
そのためには、知多市放課後子ども総合プランについて、現在の実施状況を確認し、課題を洗い出すとともに、利用のしやすさの向上や、利用満足度を高めるための改善の取り組みが必要であると考え、放課後子ども総合プランのさらなる充実についてお伺いします。
1点目、取組状況について の
①つ目、内容及び運営体制について
②つ目、事業の周知方法について
次に2点目、放課後子ども教室について の
①つ目、運営体制、登録人数及び事業収支について
②つ目、募集要項について
③つ目、新入生の1学期からの受け入れの考えについて
次に3点目、放課後児童クラブについて の
①つ目、運営体制、在籍児童数及び事業収支について
②つ目、申込方法及び入所要件について
③つ目、年度途中の申し込み及び受け入れについて
④つ目、知多半島4市の利用料について
⑤つ目、利用料の引き下げの考えについて
以上、「知多市放課後子ども総合プランのさらなる充実について」伺い、壇上からの質問といたします。
~答弁中略(※PDF参照)~
◆知多市の「放課後子ども教室」&「放課後児童クラブ」の改善要望
それぞれの答弁ありがとうございます。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ要望を申し上げます。
放課後子ども教室の周知については、ホームページに掲載していただけるとのことですので、利用者にとってわかりやすい形で実施していただくようお願いします。「はっぴぃ」は、本市の子育て支援に関する情報を1冊にまとめた大変わかりやすいガイドブックになっていると思います。しかし、この「はっぴぃ」にアクセスするまでが一苦労です。くらしの情報、またはくらしのできごとからのリンク先、子育ての新着情報から閲覧できるとのことですが、ガイドブックは新着情報でしょうか。再質問でも申し上げましたが、放課後子ども総合プラン、放課後児童クラブ、放課後子ども教室のページには、「はっぴぃ」の掲載やリンクがなく「はっぴぃ」にたどり着けません。そこで、具体的な改善策として「はっぴぃ」の該当ページである小学校、中学校、放課後子ども総合プランの章を抜粋して本市ホームページの放課後子ども総合プラン、放課後児童クラブ、放課後子ども教室のページに掲載いただきたく存じます。簡単にできる作業です。利用者の使い勝手や気持ちを考えた情報発信を意識していただければと存じます。
次に、放課後子ども教室について要望申し上げます。新入生の1学期からの受け入れを検討する考えがないとのこと、非常に残念に思います。質問でも申し上げた小1の壁の打破及び子ども教室と児童クラブの連携強化や一体運営の目的を考えれば、新入生の受け入れは検討すべき事項ではないでしょうか。放課後子ども教室への問い合わせは二、三件とのことで、学期途中から受け入れを要望する問い合わせはなかったとのことですが、私が話を伺った保護者の方はカウントがされていないか、問い合わせ内容が伝わっていないようです。
問い合わせの記録のとり方について、今、細かく問うつもりはございませんが、市民の問い合わせや要望を適切に記録して、利用者や利用希望者のニーズをくみ取り、よりよくしていくことが求められているのではないでしょうか。私は、放課後子ども教室を新入生の1学期から利用したいというニーズが多数あると考えております。小学校1年生が1学期から放課後子ども教室を利用することは児童に負担をかけるので実施しないという考え方は、私にはよくわかりません。尊重されるべきは保護者が放課後子ども教室を利用したいという希望であり、実施すべきは児童に負担のかからない子ども教室の環境づくりではないでしょうか。受け入れの態勢が整っていないということであればまだ理解できますし、ニーズがあっても受け入れができないということであれば改善すべきでしょう。
学期単位での登録としているのであれば、新入生の登録を新たに認め、参加できるように変更すればよいだけですし、運営上の最低必要人数等があれば一定数に達しなければ開催できないと開催条件を規定して募集をすればよいのではないでしょうか。ほかの自治体で新入生の1学期から放課後子ども教室を開校している市町があるにもかかわらず、本市がそれを実施せず、子どもの学校へのなれを理由とするのは本市行政の都合であり、説得力に欠けると考えます。現行の制度を変えるのも、体制を整えるのも手間はかかるでしょう。それでも、できることから市民の要望に応え、行政サービス満足度を上げることが自治体の仕事であると考え、新入生の1学期からの受け入れを提案いたします。
次に、放課後児童クラブの入所要件について要望申し上げます。入所要件を緩和する考えはないとのこと、非常に残念に思います。質問でも申し上げましたが、多様な働き方が広がり雇用の選択肢が示されている昨今、就労要件の1日4時間以上の勤務、かつ終了時間が午後2時以降、かつ月に15日以上の就労の全ての要件を満たさなければ入所することができないこと、及び出産要件の産前6週から産後8週目に当たる月の翌月までは要件が厳しいと考え、就労要件と出産要件の緩和を提案いたします。幸いにも本市におきましては放課後児童クラブに希望しても入所することができない待機児童は発生しておらず、要件を満たせば入所することが可能な状況です。
そこで、現在の要件を満たす方を優先入所者としていただき、加えて緩和した就労要件と出産要件を満たす方を追加入所できるようにしていただいてはいかがでしょうか。つまり現状の要件を満たす方は全員受け入れを実施します、そして緩和した要件を満たす方は受け入れのあきにあわせて公平に審査、選考して受け入れを実施するという運用を提案します。なお、夜勤等交代勤務は入所要件を満たすものとして扱っているとのこと。入所検討者に正確な情報を伝えるため、その旨は募集要項である入所のしおりに追記して反映していただきますようお願いします。
参考までに、一宮市の放課後児童クラブでは来年度から、保護者が求職活動中または入所次第求職活動を開始する予定である場合、申し込みを可能とする等の要件追加を実施しています。このようにニーズにあわせて要件を変更する自治体もあり、市民が望む要件は何かを調査して改善していただきたく存じます。
●他市に比べて割高な知多市「放課後児童クラブ」の利用料を値下げせよ!
最後に、放課後児童クラブの利用料の引き下げについて要望申し上げます。
説明いただいた知多半島4市の公設公営の児童クラブの情報を整理すると、月額の利用料は次の通りです。
東海市:低学年無料、高学年3,000円
大府市:5,000円
知多市:9,500円
常滑市:12,500円
比較すると、知多市は、東海市や大府市よりも利用料が高いことが事実としてわかります。
答弁では、
・国の放課後児童クラブにおける費用負担の考え方は、保護者が負担する割合は、運営費の2分の1
・本市では概ね3分の1程度の負担割合
であるため、利用料引き下げの考えはないとのことでした。
ここで、県内他市の児童クラブの利用料を調べましたので、いくつか紹介します。
豊明市:(18時30分まで)3,000円
一宮市:3,500円
蒲郡市:4,000円
小牧市:5,000円
刈谷市:5,000円
長久手市:(18時30分まで)5,000円
北名古屋市:1年生が5,500円、3年生以降は3,500円
いま挙げた一部の自治体だけでも、本市よりも利用料が安い状況です。
加えて、統計データとして、厚生労働省が発表した「平成26年 地域児童福祉事業等調査」を紹介します。
放課後児童クラブの状況として、放課後児童クラブにおける利用料金の有無は、「利用料なし」が 1,962箇所の(9.1%)、「利用料あり」が 19,515 箇所の(90.9%)です。このうち「利用料あり」の放課後児童クラブにおける利用料金(平均月額)は「4,000~6,000円未満」が 6,292 箇所の(32.2%)と最も多く、次いで「2,000~4,000 円未満」が 4,305箇所の(22.1%)と多い。との報告がございます。
本市が手厚い体制で運営しているのは素晴らしいことですし、評価いたします。そして、現場の教員や職員の方、スタッフの方が一生懸命働いておられることに敬意を表します。だからといって、本市の児童クラブが、他市よりも高い利用料で運営を続けることが望ましいとは思えません。
東海市のような利用料無料は、全国でも10%未満で、受益者負担の考え方からも無料にすることが適切であるとは申しません。自治体間の行政サービス競争を煽るつもりもありません。それでも、少子高齢社会を迎えるにあたり、本市でも人口減少がほぼ確実なものとして予測される中、児童クラブの利用料金が、県内他市に比べて高い、つまりは劣っているという状況は、子育て世代の定住化にも悪影響を及ぼすのではないでしょうか?
そこで、放課後児童クラブの利用料の引き下げを提案いたします。
現時点の利用者数想定で、利用料を5000円とすると、市の負担増は、560人×4,500円×12ヵ月=3024万円です。利用料を3000円とすると、市の負担増は、560人×6,500円×12ヵ月=4368万円と試算できます。この金額が市負担の最大想定金額になります。利用料軽減による国と県の補助金額の細かい計算は割愛しますが、厚生労働省の(放課後児童健全育成事業費等補助金)交付要綱(こうふようこう)では、年間平均登録児童数が増えるほど、基準額が増額すると記載がございます。もちろん児童の人数が増えれば指導員等の経費も増えますが、現実的に児童対指導員の人数比率を考えれば、収支にはプラスに影響するのではないでしょうか。最大3千万円~4千4百万円。小さくない金額です。それでも本市と同等、もしくは小さい予算規模の自治体で、児童クラブの利用料を安く設定して運営している市町は多くあり、実現可能であると考えます。
本市の児童クラブ利用料を3000円とすることで、無料の自治体を除き、知多市が愛知県でもっとも児童クラブの利用料が安い自治体の一つである、というメッセージを発信することは、共働きの子育て世代が住むまちを選ぶ際の大きな加点要素になると考えます。
「放課後子ども総合プラン」を積極的に推進し、さらに事業の充実を図るということであれば、利用者が望むこと、満足度を高めること、住民増に効果的なことなど、改善すべき指標と目標を、定量的に設定していただきたく存じます。提案申し上げたことを検討していただくことをお願いして、知多市放課後子ども総合プランのさらなる充実についての質問を終わります。
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