★知多市の都市公園における桜の現状及び老朽化対策について★

 

令和8年(2026年)3月議会 一般質問

 

知多市議会議員 川脇裕之

 

「都市公園における桜の現状及び老朽化対策について」

 

(1) 桜の総本数及び主な植樹時期について

 ① 運動公園について

 ② 地区公園について

 ③ 特殊公園及び佐布里パークロードについて

 ④ 近隣公園について

(2) 桜の老朽化、枯死等の樹勢低下状況について

 ① 定期的な点検及び対応について

 ② 倒木及び枝折れの過去3年の状況について

 ③ 老朽化、枯死等による伐採及び撤去の過去3年の状況について

(3) 老朽化した桜への対応及び管理方針について

 ① 桜の維持管理方針について

 ② 桜の伐採、植樹及び維持管理に係るコストについて

 

 

【質問】

 

 皆様、こんにちは。先の通告に基づきまして「都市公園における桜の現状及び老朽化対策について」質問いたします。

 

 私は基本的に毎日市役所に登庁しておりまして、庁舎から近いこともあり、毎年桜の開花時期になりますと、知多運動公園のジョギングコースをランチタイムや夕方に散策します。道中は散歩やランニングをされる方、カメラを手に桜や家族の笑顔の様子を撮影される方、そして歩みを止めて桜を眺めながら語り合う方々の姿を目にします。このような光景は、春の象徴であり、市民生活の中に深く根ざした日常の風景となっております。

 

 また、わたくしの校区にあるつつじが丘公園では、満開の時期になりますと、地域の皆さんがシートを広げ、世代を超えて花見を楽しむ光景が毎年見られます。子どもたちが元気に走り回り、大人たちが笑顔で会話や食事を楽しむ。こうした地域のコミュニティが桜とともに育まれている姿を目にすると、桜が単なる樹木ではなく、地域の絆をつくる大切な存在であると強く感じます。

 

 しかしながら、近年、その風景に変化を感じています。枝先の勢いが弱い木、花付きが以前よりもまばらになった木、幹に空洞や傷みが見られる木が目につくようになりました。毎年観察しているからこそ、桜の状態が少しずつ変わってきているという実感があり、この点について市民の方からも心配の声が寄せられるようになっています。

 

 その中で、地域の方からは「知多市は梅の館や梅まつりには力を入れているように見えるが、桜の維持管理についてはあまり注力していないように感じる」との声も寄せられております。確かに本市は「佐布里池周辺の梅1万本構想」など、佐布里緑と花のふれあい公園の整備や関連事業には多くの予算とリソースを投入しており、本市は梅の名所として広く知られ、梅の館を中心とした取り組みは一定の評価を受けているものと認識しています。

 

 一方で、身近な公園や並木の桜については、十分に手が行き届いていないのではないかという印象を持たれていることは、真摯に受け止める必要があるのではないでしょうか。地域の桜も大切にして欲しいという市民の声は、地域主権と住民自治を大切にする議員として、真摯に受け止めるべき重要な意見であると考えています。

 

 日本に植えられている桜の約7〜9割と言われるソメイヨシノは、戦後から高度経済成長期にかけて多く植栽されたと認識しております。一般にソメイヨシノは比較的成長が早く、美しい花を咲かせる一方で、樹齢が60年前後になると衰えが目立ち始めるという特性が専門家や研究機関からも指摘されており、全国的にも老朽化が大きな課題となっています。ソメイヨシノは接ぎ木によって増やされたクローン樹であるため、遺伝的な多様性が乏しく、樹勢低下や病害、老化に対する抵抗力が弱いといった性質も指摘されています。

 

 さらに環境によっては、根域が狭かったり、舗装による締め固めや排水条件が悪かったりと、樹木が本来育つ環境とは異なる制約条件の中で育っています。そのため、外観からは健康に見えても、内部で腐朽(ふきゅう)や空洞化が進んでいる場合があり、強風時の枝折れや倒木など、安全性の面でリスクが高まる可能性もあります。このようなリスクは、単に景観の問題だけでなく、市民の安全・安心に関わる重要な課題であります。

 

 また、桜の老朽化への対応は財政面とも密接に関わります。老木の診断、剪定、樹勢回復措置、伐採・撤去、そして植え替えには相応の費用が必要です。しかも、桜は一斉に高齢期を迎えているため、更新もまた同時期に集中する可能性があります。計画的に対応しなければ、短期間に多額の予算が必要となり、財政負担が急増することも想定されます。限られた財源の中で、市民の安全や景観維持につながる施策にきちんと配分されているのかという視点も、意識しなければなりません。

 

 桜は季節ごとの風景をつくり出し、地域に彩りを添え、市民に安らぎや交流の機会を提供しています。地域の皆さまが散策や花見で集う機会は、桜が地域コミュニティにとって重要なものであることを示しており、また、長年育まれてきた風景への愛着を、次の世代へ確実に引き継いでいくことが必要であると考えます。以上の観点から、都市公園における桜の現状及び老朽化対策について、順次質問いたします。

 

(1)点目、桜の総本数及び主な植樹時期について

本市においては、5種類の公園と墓園、都市緑地が設定されています。その中でも代表的な都市公園及び佐布里パークロードの実態を確認いたしたく、

①つ目:運動公園について

②つ目:地区公園について

③つ目:特殊公園及び佐布里パークロードについて

④つ目:近隣公園について

伺います。次に、

 

(2)点目、桜の老朽化、枯死等の樹勢低下状況について

桜、特に本市でも主流でありますソメイヨシノは老朽化等の状況が発生していると認識しております。そこでその状況を確認いたしたく、

①つ目:定期的な点検及び対応について

②つ目:倒木及び枝折れの過去3年の状況について

③つ目:老朽化、枯死等による伐採及び撤去の過去3年の状況について

伺います。期間は本年度を含む過去3年をお願いします。次に、

 

(3)点目、老朽化した桜への対応及び管理方針について

桜を維持管理していくためには、安全確保や再生を両立した管理方針や、長期的なコストを考慮して取り組んでいかねばならないと考えます。そこで状況を確認いたしたく、

①つ目:桜の維持管理方針について

②つ目:桜の伐採、植樹及び維持管理に係るコストについて

伺います。

 

以上、答弁よろしくお願いいたします。

 

 

【答弁】

 

◎市長

ご質問の1番目「都市公園における桜の現状及び老朽化対策について」でございますが、本市は、市制施行以来「緑園都市」を掲げ、市民や事業者の皆さんとともに、緑と花につつまれたまちづくりを進めてまいりました。市内には多くの桜があり、特に知多運動公園や旭公園は、桜の名所として多くの人に親しまれております。これらの桜については、年数の経過とともに、一部に老木化や樹勢の衰えが見られることから、公園利用者が安心して桜を楽しめるよう、適切な管理と保全に努めているところです。

ご質問の1点目から3点目までにつきましては、副市長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。

 

◎副市長

ご質問の1番目、「都市公園における桜の現状及び老朽化対策について」の

1点目、「桜の総本数及び主な植樹時期について」の1つ目、「運動公園について」でございますが、

知多運動公園は、約250本で、昭和50年代前半、旭公園は、約700本で、60年代です。

次に2つ目、「地区公園について」でございますが、七曲公園は、約100本で、平成3年頃です。

次に3つ目、「特殊公園及び佐布里パークロードについて」でございますが、佐布里緑と花のふれあい公園は、約120本で、多くは県企業庁の用地に植えられており、植樹時期は不明ですが、一部は18年度に市で植樹しています。佐布里パークロードは、約100本で、6年頃です。

次に4つ目、「近隣公園について」でございますが、つつじが丘公園は、約70本で、昭和40年代後半、大草公園は、約70本で、50年代前半、新知東町2号公園は、約15本で、平成13年頃です。

 

次に2点目、「桜の老朽化、枯死等の樹勢低下状況について」の

1つ目、「定期的な点検及び対応について」でございますが、

主に目視による日常点検を行っており、幹の傷みや中の空洞の有無、枝枯れの状況などを確認しています。また、点検により発見した、危険度の高い枯れ枝などは、適宜剪定を行っています。

 

次に2つ目、「倒木及び枝折れの過去3年の状況について」でございますが、

令和5年度、6年度は、倒木等はありませんでしたが、今年度、知多運動公園内で、2本の倒木がありました。幹や根が腐って、木を支える力が弱くなり、強風に耐えられずに倒れたものと考えられます。

 

次に3つ目、「老朽化、枯死等による伐採及び撤去の過去3年の状況について」でございますが、

既に枯れているものや株元にキノコが発生しているものなど、倒木の危険性が高い桜について適宜伐採しており、過去3年間で、知多運動公園で4本、旭公園で12本を伐採しています。

 

次に3点目、「老朽化した桜への対応及び管理方針について」の

1つ目「桜の維持管理方針について」でございますが、

利用者の安全確保を第一に考え、人が通る園路沿いを中心に、倒木や枝折れなどの危険度の高いものから適宜、伐採、剪定を進めています。また、台風や強風の際には、日頃からの点検に加え、臨時点検を実施しています。

 

次に2つ目、「桜の伐採、植樹及び維持管理にかかるコストについて」でございますが、

木の大きさや場所にもよりますが、1本当たり、伐採は約10万円から20万円、植樹は約2万円です。維持管理は、剪定、害虫に対する薬剤散布などを必要に応じて実施しており、1本当たり1回約2万円ですので、よろしくお願いいたします。

 

 

 【再質問】

 

 答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ再質問をいたします。

 

●再質問①

 知多運動公園の桜において、倒木が発生している状況が確認できました。

そこで再質問の①件目として、現地において倒木が発生している主な要因について、市としてどのように分析しているのか伺います。

 

◎副市長

 ご質問の件につきましては、大きな要因としましては、植樹後40年以上経過していることが考えられます。

また、場所によっては、狭いスペースに密集して植えられていること、近くに大きな木があり、日当たりが悪いことなども要因として考えられますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問②

 次に、桜の老朽化や枯死などの樹勢低下の状況については、日常的な目視点検を実施し、危険度の高いものから順次、伐採や剪定を進めているとのことが確認できました。しかしながら、桜の老朽化が進む中では、個々の樹木の状態を継続的に把握することが重要であると考えます。

 そこで再質問の②件目として、樹木ごとの点検結果を毎年記録し、各樹木の状態を継続的に把握・管理する仕組み、いわゆる樹木管理台帳のような仕組みを構築しているのか伺います。

 

◎副市長

 ご質問の件につきましては、現状では、桜だけでなく他の樹種も含め本数が非常に多いことから、樹木一本一本の毎年の点検結果を記録、管理はしておりませんが、点検により状態の悪い樹木を見つけ次第、その都度対応しておりますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問③

 本市では桜の管理台帳を整備するなどの取り組みは実施されておらず、時系列かつ網羅的にチェックする取り組みは十分ではないように見受けられます。桜の老朽化が進む中では、倒木や枯死が発生してから対応するのではなく、予防的な管理を行うことが重要であると考えます。

 そこで再質問の③件目として、倒木や枯死を防ぐために伐採等の予防的な樹勢管理を実施する考えについて伺います。

 

◎副市長

 樹勢の衰えている桜に対する、樹勢回復のための土壌改良や、日当たり確保のための剪定などについては、以前から、その必要性は認識しており、今後、樹木医や専門業者などの意見を聴いて、対応していくことを考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問④

 予防的な樹勢管理と併せて、桜並木を次世代に継承していくためには、計画的な更新、すなわち植え替えの取り組みも必要であると考えます。桜は伐採しただけでは景観が失われてしまいますし、植栽してから開花するまでには相応の年月を要します。そのため、全国の自治体では老朽化した桜の更新を計画的に進める取り組みが始まっています。例えば

・東京都国立市では、老朽化したソメイヨシノをジンダイアケボノへ植え替え、桜並木を次世代へ継承する

取り組みを実施(※1)

・名古屋市では山崎川の桜並木において、衰弱したソメイヨシノを撤去し、ジンダイアケボノを植栽(※2)

・国立研究開発法人森林研究・整備機構の研究では、ソメイヨシノの更新の際には土壌改良を行い、

病害に強い品種への更新を進めることが有効とされています。(※3)

 ジンダイアケボノ桜はソメイヨシノ桜と開花時期が近く、景観を維持しながら病気に強い品種として採用される事例が増えていると承知しております。

 そこで再質問の④件目として、将来的な桜の更新を見据え、ソメイヨシノに限らず、病害に強い品種への植え替えも含めた検討を進める考えについて伺います。

 

◎副市長

 ご質問の件につきましては、多額の費用がかかることなどから、現時点では、植え替えは予定しておりませんが、植え替えを行う際には、検討してまいりますのでよろしくお願いいたします。

 

●再質問⑤

 桜の植え替えについては今後の検討課題との答弁でしたが、答弁にもあった通り、桜の伐採には1本あたりおおむね10万円から20万円、植樹には2万円程度の費用が必要となります。本市に限った話ではなく、特にソメイヨシノ桜の老木化は全国で同時期に進んでおり、単年度予算では対応することが困難になる可能性があるため、単年度の予算だけで対応するのではなく、「基金」「寄附」「長期計画」などを組み合わせて桜の再生に取り組む自治体も増えています。

 

例えば

・東京都目黒区では「目黒のサクラ基金」を創設(※4)

・横浜市では柏尾川(かしおがわ)桜並木保全・再生事業としてふるさと納税型クラウドファンディングを実施

(※5)

・福岡県岡垣町(おかがきまち)では桜並木保全プロジェクトとして寄附による維持費確保を実施(※6)

 

 また、県内ではお隣の東海市が「大池公園さくら再生プロジェクト」を実施しており、樹勢回復・植え替え・多品種化・市民参加型管理などの取り組みを進めていると承知しています。本市においても予防的な樹勢管理と併せて、新たな桜の植え替えに向けた資金を計画的に確保していくことが必要であると考えます。

 そこで、再質問の⑤件目として、桜の維持管理や再生に向けてふるさと納税やスポンサー企業寄付等を活用した財源調達を検討する考えについて伺います

 

◎副市長

 企業などからの寄附金は、植え替えを行う段階において有効な財源と考えられます。今後、まとまった桜の植え替えを計画する際には、検討してまいりますので、よろしく願いいたします。

 

 

【要望】

 

 答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望を申し上げます。

 

 まず、知多運動公園において倒木が発生している状況や、樹木ごとの記録管理が十分に整備されていない状況であることから、本市の桜については老朽化への対応がこれから本格的に必要な段階に入っていると感じました。特に、桜の老朽化は同時期に植えられたソメイヨシノが高齢期を迎えていることから、今後さらに顕在化していく可能性が高いと考えます。

 

 そのため、まずは各樹木の状態を継続的に把握できるような管理台帳の整備など、樹木管理の体制づくりを進めていただくとともに、樹勢の衰えた段階から対応する予防的な樹勢管理の考え方を取り入れていただくことを要望いたします。また、老朽化が進んだ桜については、単に伐採するだけでは景観が失われてしまうため、将来的な桜の更新も見据え、病害に強い品種への植え替えなども含めた検討を進めていただきたいと思います。

 

 さらに、桜の更新には一定の費用が必要となることから、他自治体でも実施されているように、基金や寄附、ふるさと納税などを活用した財源確保の仕組みについても、今後の選択肢として検討していただくことを要望いたします。桜は単なる樹木ではなく、市民生活の中で長く親しまれてきた景観であり、地域への愛着や居住環境の魅力にもつながる重要な資産であると考えます。

 

 また、本市では梅を中心とした観光施策として佐布里緑と花のふれあい公園の整備や、梅まつりの開催等に注力されておりますが、その一方で、開催期間中には周辺の生活道路で渋滞が発生し、住民の方から負担を感じているとの声も伺っております。こうした状況に適切に対応していただく必要があるのはもちろんですが、観光施策としての梅への取り組みだけでなく、市民の日常生活により身近な公園や並木の桜の維持・更新にもしっかりと目を向けていくことが、市民の居住満足度の向上にもつながるのではないかと考えます。

 

 桜は一朝一夕で育つものではありません。今植えた桜が大きく育ち、市民がその下で春を楽しむことができるようになるまでには、長い年月が必要となります。だからこそ、今の段階から計画的な管理や更新に取り組んでいくことが重要です。

 

 以上、本市の桜がこれからも市民に親しまれる風景として次の世代に引き継がれていくよう、今回申し上げた管理体制の充実や予防的な樹勢管理、そして将来的な更新の取り組みについて、前向きな検討を進めていただくことを提案申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

 

 

◆参考資料

 

(※1) 国立市_さくら通りの街路樹の植替えについて

https://www.city.kunitachi.tokyo.jp/machi/doro_kasen/1/10135.html?utm_source=chatgpt.com

 

(※2) 山崎川のサクラ保全プロジェクト 植え替え工事の様子

https://www.city.nagoya.jp/shisei/furusatonozei/1003657/1034924/1014895.html?utm_source=chatgpt.com

 

(※3) 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所

https://www.ffpri.go.jp/press/2025/20251225/index.html

 

(※4) 目黒のサクラ基金

https://www.city.meguro.tokyo.jp/kusei/keikaku/torikumi/shizen/sakurasaisei/sakurakikin/index.html

 

(※5) 柏尾川桜並木保全・再生事業への寄附(ふるさと納税)

https://www.city.yokohama.lg.jp/totsuka/shokai/miryoku/kashiosaku/furusatonouzei.html

 

(※6) 岡垣町_桜並木保全プロジェクト

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001188.000007821.html