★知多市の市内公共交通について★



 

一般質問の提案内容を整理して知多市へ提案を実施いたしました。

 

★知多市における利便性の高い地域公共交通実現に向けての御提案★

 


 

「あいあいバスの利用状況について」

「平成27年度コミュニティ交通負担金及び路線バス運行補助金の実績について」

「路線バスの料金改定及び今後の公共交通の利便性改善の考えについて」

 

平成27年の第4回定例会の一般質問にて、市民にとって利便性の高い公共交通に向けての改善を要望申し上げたが、この1年の変化はコミュニティバスの東部・南部コースに新車両が導入されたことと、料金改定を実施したことに留まっている。

 

これは、第5次知多市総合計画組織別計画(中期3年)において掲げている「快適で便利な地域公共交通が利用できるよう、地域公共交通会議を中心として利便性の高いバス路線を検討します」とのミッション、及び「市民、事業者などで構成する地域公共交通会議を開催し、課題となっているバス路線の見直しや、持続可能な運行などについて協議を行い、バスの利便性を高めます」との方針への対応として、十分とは言えないのではないか?

 

実際に、本年8月の公共交通会議においても、「コミュニティバス及び路線バスの路線が重複」していることの指摘や、コミュニティバスの運行コースの見直しの要望、利用者が増えるような対策をすべき等の意見も出ている。また、昨今、高齢ドライバーの痛ましい事故も増えている。今後ますます高齢化が進むに当たり、警察が呼び掛けている運転免許証の自主返納の促進のためにも、市民の足の確保は重要な政策であると考える。

 

現状の問題として、バスの利便性や料金に魅力が欠けるため、バス利用者数は伸び悩み、満足度も低く、赤字を負担金・補助金で補てんしていることに繋がっているのではないか? 結果、移動にマイカー利用を余儀なくされ、朝倉駅など各駅への送迎車の混雑や停車車両の渋滞が常態化している。コミュニティバスや路線バスへの補助は、交通弱者と呼ばれる人たちの移動の手段を守る機能も有しているので、黒字化することは難しい目標かもしれないが、運営改善と利用満足度を高める取り組みは、絶えず実施していくべきであると考える。

 

そのため、市内公共交通の利便性向上のためにコミュニティバス「あいあいバス」だけではなく、「市内路線バス」も含めた包括的な在り方を見直すべきであると考え、コミュニティ交通と路線バスの運行とお金の使い方の改善を目指して質問したい。

 

質問①「あいあいバスの利用状況について」
回答
平成28年度4月から9月までの上半期の状況は、北部コースは5,382人で、一月当たり平均897人、東部コースは1万2,438人で平均2,073人、南部コースは1万4,481人で平均2,414人。また、料金改定後の利用実績は、北部コースは10月が1,098人、11月が1,029人、東部コースは10月が2,811人、11月が2,629人、南部コースは10月が3,393人、11月が3,197人で、どのコースも上半期の平均を上回っている。なお、11月の実績は速報値である。


質問②「平成27年度コミュニティ交通負担金及び路線バス運行補助金の実績について」
回答
コミュニティ交通負担金は北部・東部・南部コースを合わせて4,687万1,306円。平成27年5月2日から北部コースを新設したことにより、車両のラッピング等の初期導入費もあることから、前年度に比べ2,001万1,336円の増額となった。次に、路線バス運行補助金は、前年度の欠損金額を翌年度に補填しているもので、平成27年度の補助金は、岡田線が1,086万2,000円、佐布里線が454万9,000円、日長団地線が536万9,000円で、合計2,078万円。

 

質問③「路線バスの料金改定及び今後の公共交通の利便性改善の考えについて」
回答
あいあいバスは日中の移動手段の確保、公共交通空白地域の解消が主な利用目的で、料金改定により料金を100円にした。路線バスは通勤・通学が主な利用目的で便数も多く、運行時間などのサービス水準が異なることから、料金を従来の200円としたもので、今後、利用者の声や路線バスの利用人数の推移を見ながら、路線バスの運行経路・料金等を検討していく。

 

今後の公共交通の利便性改善の考えについては、昨年度実施した利用者アンケート結果を、知多市地域公共交通会議で検証しているが、各コースの乗り継ぎを円滑にすることが課題として挙げられている。料金改定後の利用者の動向調査、旧知多市民病院の跡地利用の影響や路線バスの利用状況などを踏まえ、知多市地域公共交通会議において検討していく。

 

<要望>

地域公共交通の目標は、住民の居住地区から目的とする場所への安価で便利な移動手段を提供することではないか? 現実問題として、理想を全て実現することは困難かもしれないが、路線バスとコミュニティバスの区別ではなく、市内公共交通のあるべき姿を設計し、そこに向けて解決策を提供していくべきであると考える。

 

公共交通のあり方について、平成27年の第4回定例会でも要望を申し上げたが、先日、具体的な内容を資料とともに担当部課に提案申し上げた。

 

利便性の高い地域公共交通実現に向けた現状分析と課題の明確化、来年1月に開院が予定されている知多小嶋記念病院や、利用者の多いスーパーマーケットや商業施設へのアクセスなどの観点を踏まえたルートの改善と追加、そして、利用料金の100円統一や小型車両のリース調達など、収支を計算した上での提案である。本市は、コミュニティ交通負担金と路線バス運行補助金の合計で約6,700万円を計上しており、お金の使い方について、改善できることは多々あると考えるので、たたき台として検討いただきたい。

 

先ほどの答弁で回答いただいたデータでは、コミュニティバスの料金改定後の利用実績は増加に転じています。2か月の実績で判断することは時期尚早かもしれないが、利用者にとって納得のいく金額であれば、市民がバスの利用を選択する可能性が示されたと言える。ルートを改善することにより目的とする場所への便利な移動手段を提供すれば、さらなる利用者増や利用満足度向上につながると期待している。

 

今後、利用者の声や路線バスの利用人数の推移を見ながら、路線バスの運行経路・料金等を検討していくと答弁いただきましたので、例えば地域公共交通の課題を認識し改善したいと考えている意欲のある職員を募っていただきプロジェクトチームを編成するなど、前例踏襲主義や固定観念に縛られない方針を立て、利便性が高く満足度の高い公共交通実現のための検討と、柔軟な施策推進をしていただきたい。以上。