★「大規模災害時の要配慮者支援について」(6月議会一般質問)★

災害対策

 

◆大規模災害時の要配慮者支援について | 平成28年6月議会一般質問 | “避難所における支援体制” “福祉避難所協定の締結の現状” “民間宿泊施設との避難所に関する協定締結の考え”について◆

 

平成28年第2回知多市議会定例会(6月議会)にて「大規模災害時の要配慮者支援」について、一般質問を実施いたしましたので報告いたします。なお、議事録の正式な公開を待っての公表となりますため、要点のまとめとし、詳細および理事者側(役所側)答弁は、後日公開され次第追って報告いたします。

※画像出典:→平内町防災ガイドブック

 

 

 

●質問の背景/経緯/論旨●


熊本地震の震災後ひと月経った時点での避難者は、熊本県内で1万人余りと報告されている。また、読売新聞が熊本、おおいた両県内の、計13市町村の首長に実施したアンケート調査では、回答された11人中9人が「避難所解消のメドが立っていない」との回答。震災からひと月が過ぎても、避難生活を余儀なくされている方が多くいらっしゃる現実がある。

 

震災の予測がいかに困難であり、被害の発生を防ぎきることが不可能であるかを、改めて突き付けられた。同時に、様々な被災者支援活動や、復旧/復興活動など、参考になる取り組みも多く見られている。この災害を通じて得られた、数多くの課題や学びを埋もれさせることなく、貴重な教訓として本市でも活かすべく、質問を実施。

 

災害時には「いつ、だれが、どのように、何をするか」をあらかじめ明確にした、具体的な行動計画、つまり「アクションプラン」を策定して実践していくことや、住民が受けられる支援について、市民へ適切な情報公開をすることが肝要であり、具体的な要望を提案として申し上げた。

 

 

 

●質問1.避難所における支援体制について●

 

平成25年6月の災害対策基本法の一部改正により、高齢者、障害者、乳幼児等の防災施策において特に配慮を要する方(要配慮者)のうち、災害発生時の避難等に特に支援を要する方の名簿(避難行動要支援者名簿)の作成を義務付けること等が規定されたが、本市における「要配慮者」の支援体制について、質問を実施。

 

→要配慮者の避難の状況に応じて、避難所内に専用スペース、間仕切り、車椅子、簡易ベッド、身体障がい者対応型トイレ等を設置するほか、場合によっては、施設管理者の協力を得つつ、個室を利用できるよう調整する。
→要配慮者が必要とする育児・介護・医療・生活用品については、備蓄品で対応する他、事業者等との協定により、確保する体制を整えている。
→重度の障害や寝たきり等により、避難所での生活が困難な方には、福祉避難所への入所等、適切な支援を実施する。

 

 

●質問2.福祉避難所協定の締結の現状について●

 

主として要配慮者を滞在させるために、必要な居室が可能な限り確保されること等を目的とした、福祉避難所に関して、協定の締結の現状について質問を実施。併せて協定書の具体的な内容について再質問を実施。
 
→市内の高齢者向けの介護施設の11施設、障がい者向けの施設の3施設の合計14施設と協定を締結している。
→現在の協定書では、施設の仕様に対する協力要請と、市は必要な物資を支給する、介護者の確保に努める、経費については適正な負担を行うなど、概略的な内容に留まっており、具体性な協定内容となっていない。 

 

 

●質問3.民間宿泊施設との避難所に関する協定締結の考えについて●

 

体育館などにおける長期に及ぶ避難生活は、避難者にとって過酷な日々となることが予想される。それを踏まえて、「民間宿泊施設との避難所に関する協定締結の考えについて」質問を実施。併せて、避難所で避難生活を営むことになると想定される「要配慮者は何名を想定されているのか?」再質問を実施。

 

→本市では、避難所として利用することを目的とした、民間宿泊施設との協定については、現在のところ行っていない。
→愛知県の地震被害予測調査結果では避難所生活を営む要配慮者の人数は想定されていない。

 

 

 

●要望(改善要望&政策提案)●


①「想定される避難所生活者の中で、支援を必要とされる要配慮者の人数が、どれくらいいらっしゃるのか、要配慮者の避難想定人数を確認することを要望

 

・市内在住の何名の要配慮者が避難をされるのかを想定せずに、指定避難所で「受け入れる目途がついている」と、判断することは難しいと考えるため。

 

 

②「福祉避難所協定の具体化と情報公開を要望

 

・本市では被災時に的確な支援が速やかに実施出来るように、福祉避難所に入所していただくのに、どの要配慮者を優先するのか、福祉避難所でどのような支援をしていただくのか、入所手続きや、得られる支援など、協定内容を具体的なものとして定めていただきたい。

 

・要配慮者が、どのような手順で、どこの福祉避難所を利用できるのか?福祉避難所の位置はどこなのか? など、市民に知っていただくべき情報はたくさんあると考えるが、いずれも現時点では公開されていないため、先進事例を紹介し市民に周知していくことを求めた。

 

 

③「民間宿泊施設を避難所として利用する協定締結の検討を提案

 

・要配慮者の住居が損壊して、避難生活を強いられた場合、すべての要配慮者が希望する福祉避難所に入所出来れば問題ないが、避難生活を余儀なくされる要配慮者の人数が、把握出来ていない現状では、難しい。


・本市の福祉避難所は、要配慮者の中でも、高齢者と障がいをお持ちの方を対象としており、乳幼児の支援を想定されていない。乳幼児を抱える方が、災害時にホテルを一時的にでも活用することが出来れば、非常に心強く安心である。(大規模災害が起きてから実行するのでは、対策が後手に回り時間がかかってしまう恐れがあり、しっかりとした備えである具体的な協定があればこそ、迅速な行動に移すことが出来ると考える)。


・例えば、要配慮者の、高齢者と障がいをお持ちの方の支援は福祉避難所へ、乳幼児の避難と支援は、民間宿泊施設にて実施する等の、要配慮者ごとの状況に考慮した支援体制構築に向けた検討を提案申し上げた。