★知多市の幼児教育・保育環境の充実について★

 

◆知多市の「幼児教育保育の無償化」「保育所の使用済み紙おむつ」「保育士の待遇・処遇」◆

 

 

令和元年(2019年)9月議会(第4回定例会)一般質問

 

知多市議会議員 川脇裕之

 

①「幼児教育・保育環境の充実について」

 

1.幼児教育・保育の無償化について

 ① 申請が不要な市内施設について

 ② 申請が必要な市内施設について

 ③ 対象者への案内及び申請手続について

2.使用済み紙おむつについて

 ① 市内保育所の使用済み紙おむつ処理の運用について

 ② おむつ以外の汚れものについて

3.保育士の待遇・処遇について

 ① 過去5年間の公立保育所の教室数について

 ② 過去5年間の公立保育所の保育士の人数について

 ③ 臨時職員の保育士の賃金について

 ④ 保育士の募集方法及び採用状況について

 

◆登壇質問

 

 皆様、こんにちは。議長の許可を得ましたので、さきの通告に基づきまして、幼児教育・保育環境の充実について及び児童発達支援環境の充実についての2件の質問をいたします。

 

 地方自治体の役割は、住民の皆様の御意見・御要望を伺い、地域の課題に対して具体的な解決策を提示していくこと、そして、より充実したサービスを提供していくことであると考えております。一般質問を通じて、本市の現状の課題について認識を共有させていただき、各種行政サービスの改善に向けた議論の下地としていただきたく存じますので、よろしくお願いいたします。

 

 それでは、1番目、幼児教育・保育環境の充実について質問いたします。

 

 2019年10月から、子ども・子育て支援法の一部改正する法律により、幼児教育・保育の無償化がスタートします。具体的には、幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスの子どもたち及び住民税非課税世帯のゼロ歳から2歳児クラスまでの子どもたちの利用料が無料になります。予算的には国の負担になりますが、実際に幼児教育・保育施設を運営しているのは、市や民間です。

 

 本制度は無償化のための手続が不要である利用者が多数である一方で、個人や施設経由で申請を実施し、保育の必要性の認定を自治体から受ける必要がある利用者もいらっしゃいます。そのため、対象となる市民の皆様が円滑に制度を利用できるよう、各施設との連携及び利用者への申請支援、フォローアップが重要な取り組みになってくると考えます。また、本市では、保育所、幼稚園等の待機児童は発生しておりませんが、無償化を機に利用を希望する人がふえることも予想されます。利用料の無償化や利用者数の増加があっても、子どもの安全と保育の質を保証しなければなりません。そのためには、幼児教育・保育の環境の改善、働く保育士の待遇改善、業務効率化が重要な取り組みになると考えます。そこで、1番目、幼児教育・保育環境の充実について質問いたします。

 

 最初に、幼児教育・保育の無償化における対象施設と利用者の手続について確認いたしたく、1点目、幼児教育・保育の無償化についての1つ目、申請が不要な市内施設について、2つ目、申請が必要な市内施設について、3つ目、対象者への案内及び申請手続について伺います。

 

 次に、本市では、保育所の入所時に用意するものを入園のしおり等で案内しております。そのうち、紙おむつは、ポリバケツとあわせて保護者が準備して持ち帰る運用が実施されておりますが、運用の詳細と現況を確認いたしたく、2点目、使用済み紙おむつについての1つ目、市内保育所の使用済み紙おむつ処理の運用について、2つ目、おむつ以外の汚れものについて伺います。

 

 次に、保育分野における人材不足が社会問題となり、保育士の待遇の悪さが課題とされ、認識されております。その改善に向けた取り組みが国でも実施されておりますが、本市の幼児教育・保育の現況を確認いたしたく、3点目、保育士の待遇・処遇についての1つ目、過去5年間の公立保育所の教室数について、2つ目、過去5年間の公立保育所の保育士の人数について、3つ目、臨時職員の保育士の賃金について、4つ目、保育士の募集方法及び採用状況について伺います。

 

 以上をお伺いし、壇上からの質問といたします。答弁よろしくお願いいたします。

 

◆答弁

 

◎市長(宮島壽男) 

9番 川脇裕之議員の御質問にお答えします。

御質問の1番目、幼児教育・保育環境の充実についてでございますが、10月から消費税率の引き上げにあわせ、幼児教育・保育の無償化が始まります。今回の無償化では、幼稚園、保育園、認定こども園に通う園児のほか、認可外保育施設や一時預かり事業を利用する子どもも無償化の対象となるなど、無償化の範囲を大きく広げています。本市におきましては、国や県から情報収集に努め、無償化の該当となる方が適切に保育料の減免措置を受けられるように準備をしてまいりました。御質問の1点目から3点目までにつきましては、子ども未来部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。

 

◎子ども未来部長(小嶋京子) 

 御質問の1番目、幼児教育・保育環境の充実についての1点目、幼児教育・保育の無償化についての1つ目、申請が不要な市内施設についてでございますが、子ども・子育て支援新制度に移行している施設の通常保育の保育料や児童発達支援事業施設の利用者負担については、無償化に関する申請は不要です。対象となる市内施設は、公立の保育所11園、幼稚園2園、私立の保育所3園、認定こども園1園、小規模保育事業施設1園、企業主導型保育事業施設2園、児童発達支援事業施設3施設です。

 次に、2つ目、申請が必要な市内施設についてでございますが、子ども・子育て支援新制度に移行していない施設の利用者は、保育料を無償とするために申請をする必要があります。対象となる市内施設は、私立の幼稚園3園、認可外保育施設2施設です。

 また、一時預かり事業、病児保育事業及びファミリー・サポート・センター事業については、利用料を無償とするための申請が必要で、対象となる市内施設は公立の保育所11園、幼稚園2園、私立の幼稚園3園、認定こども園1園、小規模保育事業施設1園、企業主導型保育事業施設2園、児童発達支援事業施設1施設、ファミリー・サポート・センター事業1施設です。

 次に、3つ目、対象者への案内及び申請手続についてでございますが、市からの案内を施設から利用者の方へ配布していただいています。申請が必要となる施設利用者の方には、7月に申請の案内を配布し、申請が不要な方には、8月に無償化制度の概要や給食費の取り扱いの変更等について通知しています。また、公立幼稚園の預かり保育を利用している方には7月に、保育所等において一時保育を利用している方には8月に、それぞれ申請手続の案内を配布しています。利用者の方からの申請書類については、一部市へ直接申請していただくものもありますが、ほとんどは施設経由で提出していただきます。なお、私立幼稚園を利用している方からは、既に申請書類を御提出いただいています。さらに、市のホームページや広報ちたでも無償化に関する記事を掲載し、利用者の皆様に制度や手続などについて御理解いただけるよう努めています。

 次に、2点目、使用済み紙おむつについての1つ目、市内保育所の使用済み紙おむつ処理の運用についてでございますが、保護者に紙おむつ10枚程度と内側にビニール袋をかけたふたつきのポリバケツを保育室に準備してもらい、保育士がそれぞれの園児のポリバケツ内に使用済みのおむつを入れます。保護者が子どもを迎えに来たときに、ポリバケツ内にある使用済みおむつが入ったビニール袋を持ち帰ります。ポリバケツは、保護者が毎週週末に持ち帰り、洗っていただきます。

 2つ目、おむつ以外の汚れものについてでございますが、園児が使用したエプロン、おしぼり、手ふきタオル、着がえ、おむつをかえるときに使用するおしりマットを毎日持ち帰り、翌日準備していただきます。また、シャワー用のおしりを拭くタオルは使用状況にあわせて持ち帰り、補充していただきます。

 次に、3点目、保育士の待遇・処遇についての1つ目、過去5年間の公立保育所の教室数についてでございますが、平成27年度は90室、28年度は91室、29年度は92室、30年度は93室、今年度は89室です。

 次に、2つ目、過去5年間の公立保育所の保育士の人数についてでございますが、各年度当初の人数で、平成27年度は正規職員133人、臨時職員254人、28年度は正規職員136人、臨時職員262人、29年度は正規職員139人、臨時職員274人、30年度は正規職員138人、臨時職員276人、今年度は正規職員132人、臨時職員280人です。

 次に、3つ目、臨時職員の保育士の賃金についてでございますが、保育士資格を持った臨時職員の賃金については、従事内容ごとに時給単価を定めています。クラス担任として毎日8時30分から17時まで勤務する保育士は、時給1,300円、早朝・延長対応として7時から9時及び16時から19時まで勤務する保育士は、時給1,250円、担任保育士の休憩代替や加配保育士として8時30分から17時までの時間帯において数時間を勤務する保育士は、時給1,145円で、それぞれ月に10日以上勤務した場合は、時給に15円を加算します。

 次に、4つ目、保育士の募集方法及び採用状況についてでございますが、正規職員は全ての職種を同時に募集しており、昨年度は募集を3回行いました。募集方法は、広報ちたやホームページ、SNSの活用等に加え、大学を訪問して受験案内を行っています。また、各大学が開催する就職説明会に当該大学の卒業生である市の保育士を参加させるほか、市役所で採用説明会を開催し、先輩保育士の体験談を通じて保育士の魅力、働きがいを直接学生に伝えるなど、保育士の確保に向けた広報活動を行っています。平成31年4月採用の正規保育士は、任期付職員1人を含む14人を採用しています。

 臨時職員の募集は、新年度に向けた一斉募集を年に1度行うほか、必要に応じ随時募集をしています。募集方法は、広報ちたやホームページの活用はもとより、ハローワークや新聞の折込、求人広告への掲載を行うなど、様々な媒体を活用して職員の確保に努めています。なお、今年度新たに採用した臨時職員の保育士は32人ですので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問①

  答弁ありがとうございます。ただ今お答えいただいた内容について再質問をいたします。1点目の3つ目、対象者への案内及び申請手続について、各種案内を実施していただいておりますが、再質問の1件目として、申請漏れのチェック体制についてお伺いします。

 

◎子ども未来部長(小嶋京子) 

 御質問の件につきましては、私立幼稚園利用者の書類提出は施設経由となり、利用施設と幼児保育課双方で確認を行います。しかし、認可外保育施設や一時預かり、一時保育及びファミリー・サポート・センター事業の利用者は、保育の必要性があると認められる場合のみ無償化の対象となるため、本人からの申し出によることとなり、申請漏れのチェックはできません。そのため、申請漏れがないよう施設事業者から利用者の方に無償化の内容及び申請方法等について適切に周知していただき、申請漏れがないよう努めていますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問②

 次に、同じく1点目の3つ目に関して、一時預かり等の都度利用の方においては、無償化の対象でありながら申請が漏れてしまうケースも発生すると想定されますが、再質問の2点目として、申請漏れ時の案内と対応についてお伺いします。

 

◎子ども未来部長(小嶋京子) 

 御質問の件につきましては、申請漏れが判明した場合は、必要書類について説明し、速やかに申請書類を提出していただき、書類提出に基づき給付の認定を行いますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問③

 次に、2点目の1つ目、市内保育所の使用済み紙おむつ処理の運用について伺います。

 処理の詳細フローを答弁いただきましたが、使用済み紙おむつを各保護者が持ち帰る方式の処分方法は、保護者への大きな負担となっております。また、衛生面からも望ましくないと考えます。他自治体では、神奈川県川崎市、静岡市など政令市の多くで使用済み紙おむつを園で処分する方式としております。東海地区では、岐阜市の公立保育所が2019年6月より同様の取り組みを実施しており、名古屋市は、2020年度より使用済みのおむつを市が回収するなど、保護者が持ち帰らないで済むような仕組みに改める方向で検討が進められております。

 持ち帰り、洗濯をして、再利用するエプロンやタオル等とは違い、使用済み紙おむつは、廃棄となります。そのため、使用済み紙おむつをできるだけ効率的、衛生的、合理的に処理することが望ましいと考えます。

 そこで、再質問の3件目として、各保育所の使用済み紙おむつを一括回収する考えについてお伺いします。

 

◎子ども未来部長(小嶋京子) 

 御質問の件につきましては、使用済み紙おむつについては、園児の健康管理を目的に、保護者に園児の便の状態等を把握していただくために持ち帰っていただいています。しかしながら、都市部では、使用済み紙おむつを持って公共交通機関を利用したり、買い物を行う保護者が少なくないため、衛生面に配慮し、施設での回収を行う自治体があります。本市においては、使用済み紙おむつを一括回収する予定はありませんが、保護者からの要望や状況などを注視してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

●再々質問

 ただ今の再質問の3件目について、再々質問いたします。

 保護者からの要望や状況などを注視するとの答弁ですが、保護者へのアンケートやヒアリング等を実施する考えについてお伺いします。

 

◎子ども未来部長(小嶋京子) 

 御質問の件につきましては、毎年、園で保護者アンケートを実施しており、その中で使用済み紙おむつに関する意見を伺えるよう検討していきますので、よろしくお願いいたします。

 

●再々質問

 同じく再質問の3件目について、再々質問いたします。

 さきに述べたとおり、使用済み紙おむつを各保育所で回収することを実施している自治体は、衛生面及び保護者の利便性向上、保育士の負担軽減のために取り組んでおります。導入に向けては、予算や運用の検討が必要だと考えますが、導入検討をせず、おむつ回収が難しいと考える理由を確認いたしたく、保育施設の使用済み紙おむつを市が回収するに当たっての課題についてお伺いします。

 

◎子ども未来部長(小嶋京子) 

 御質問の件につきましては、建物外に各部屋の使用済み紙おむつを集積する器や場所を確保するほか、回収車の準備や回収作業員が必要となること、保育士が器等を清掃するため保育士の作業がふえること、また、保護者により、紙おむつの使用枚数や使用状況が確認できないことから、トラブルになることを課題として考えていますので、よろしくお願いいたします。

 

 

●再質問④

 次に、3点目の3つ目、臨時職員の保育士の賃金について伺います。

 厚生労働省が発表している保育人材確保のための魅力ある職場づくりに向けてと題した資料では、保育分野における人材不足の原因、理由として、働く職場の環境改善に関する項目において、賃金が希望と合わないが最も多くなっております。市正規職員の保育士は、年次や年齢が低いうちは給与が低いという年功序列体系の構造的な問題はあるものの、確実に昇給していきます。また、国の待機児童解消加速化プランにおいて、処遇改善の取り組みも進められております。

 一方で、待遇の改善が急務であると議論されている民間保育士の給料は、平成29年度賃金構造基本統計調査によると、年間賞与その他を含めて年収342万円です。答弁のとおり、毎日7.5時間勤務する本市の臨時職員担任保育士の賃金は、時給1,315円です。毎月20日間勤務で試算すると、月収19万7,250円になります。掛ける12か月で年収約236万円です。来年度より会計年度任用職員への移行で、臨時職員全体の報酬体系の改善は幾分図られますが、子どもの命を預かり、資格と責任感と体力とスキルが要求される保育の現場において、非正規雇用の保育士の待遇・処遇は、根本的に改善せねばならないと考えます。

 他自治体では、千葉県柏市において、保育所等に勤務する非正規雇用の保育士に1人当たり月額2万円を補助しています。秋田県大仙市では、保育士就労奨励金制度を制定して、新規に市内の保育所等へ勤務する臨時保育士に対し、就労奨励金を交付しています。このように自治体独自の支援をすることも可能であり、有用であると考えます。

 そこで、再質問の4件目として、臨時職員の保育士の賃金を引き上げる考えについてお伺いします。

 

◎子ども未来部長(小嶋京子) 

 御質問の件につきましては、来年度から会計年度任用職員制度が始まり、臨時職員全体の待遇の改善が図られます。臨時職員の賃金は、職種や業務内容などにより定めており、保育士に対する賃金の引き上げは考えていませんので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問⑤

 次に、3点目の4つ目、保育士の募集方法及び採用状況について伺います。

 答弁いただいたとおり、本市では、次年度の臨時職員保育士の一括募集を実施する以外にも随時募集をかけております。インターネットで、知多市、保育士、求人と検索すると、本市ホームページやハローワークのサイトより上位に民間の求人情報専門のサイトが表示されることが多々あります。サイトへの求人表示は条件を満たすことで自動掲載される場合もありますし、無料で登録することも可能です。現在、様々な媒体を活用して職員の確保に努めていただいておりますが、スマホ等ネットで保育士募集の求人を探している方に情報を円滑に届ける工夫も有用であると考えます。

 そこで、再質問の5件目として、民間の無料求人掲載サイトを活用する考えについてお伺いします。

 

◎子ども未来部長(小嶋京子) 

 御質問の件につきましては、臨時職員の募集については、無料求人掲載サイトを含め様々な媒体を活用していくよう努めていきますので、よろしくお願いいたします。

 

 

◆9番(川脇裕之)

 それぞれへの答弁ありがとうございます。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望を申し上げます。

 

◆要望

 

 まずは、1点目の幼児教育・保育の無償化についてです。申請が必要な方につきましては、施設と連携して対応をいただいておりますが、一時預かり事業等の都度利用の方は、申請有無をチェックするデータベースがないことから、申請漏れが発生してしまう可能性があります。申請主義の制度的な問題にも関係しますが、都度利用等の対象の方々は、申請をしなければ利用料の還付がなされません。そのため、10月の制度スタート後も案内を定期的に実施いただくなど、制度の利用の仕方がわからなかった、申請をなすことができなかったという事態がなるべく発生しないよう、フォローアップをお願い申し上げます。

 

 次に、2点目の使用済み紙おむつについてです。保育施設の使用済み紙おむつを市が回収するに当たっての課題として答弁いただいた内容の使用済み紙おむつを集積する器や場所の確保、回収車、回収作業は、予算、つまりはお金の課題でありますし、保育士が器等を清掃、保護者により使用枚数や使用状況が確認できないことは運用の課題であると考えます。予算については先進自治体で導入している事例を参考に、本市の保育所の位置と回収ルートをもとにシミュレーションを実施していただければ、稼働時間がわかりますので、必要な機材とあわせれば概算費用を算出することが可能です。

 

 具体的な金額としては、東京都豊島区において、2018年度に区立保育園と私立保育園、地域型保育事業所等施設の計103か所の紙おむつの回収処理委託を1,293万円にて予算計上して実施しておりますので、本市の公立・私立の保育所14園であれば、年間200万円程度プラス初期費用で実施することが可能であると考えます。

 

 運用については、使用済み紙おむつを保護者持ち帰りから園回収に変更することにより、保育士の負担が発生してしまうことは本末転倒であり、工夫次第で負担を減らすことが可能です。そもそも使用済み紙おむつを保護者が持ち帰らなければならない、あわせて、ポリバケツを毎週持ち帰って洗浄しなければならないという現在の運用は、衛生面と稼働面から問題が多いと考えます。

 

 今後、保護者の意見を伺っていただけるとのことですので、使用済み紙おむつ持ち帰りについての保護者の意見や要望を定量的かつ定性的に確認いただきますようお願いいたします。そして、使用済み紙おむつ回収は全国で初めて取り組むような挑戦的な取り組みでもなく、少なくない自治体が衛生面の改善、保護者の利便性向上、保育士の負担軽減のために実施しております。効率的に実施している事例の調査をしていただき、導入に向けた検討をお願い申し上げます。

 

 最後に、3点目の保育士の待遇・処遇についてです。本年度の保育士の体制は、正規職員132名、臨時職員280名です。この5年間、正規職員がふえない一方で、非正規職員は25名以上増加し、本市の保育士全体の65パーセントを超える比率です。保育の現場は、臨時職員の契約と稼働を前提に回っております。来年度から会計年度任用職員制度が始まり、臨時職員全体に待遇の改善が図られるとはいえ、質問で申し上げたとおり、非正規保育士の給料は、これまで低く抑えられてきました。

 

 保育という重責が要求される仕事に対して、それに見合う適切な報酬が支払われているのか、同一労働であるにもかかわらず、正規と非正規で大きな賃金の差が発生していないか、現場と真摯に向き合っていただきたく存じます。他自治体の事例で挙げた賃金補助や奨励金の取り組みなど、自治体独自で導入できる施策もございますので、保育士の待遇・処遇について改善の検討をお願い申し上げます。

 

 以上で、1番目の質問を終わります。