◆知多市のゴミ対策◆
「指定ごみ袋販売等委託料の経費について」
「旧指定ごみ袋の交換状況と今後の予定について」
「旧指定ごみ袋の在庫と使途について」
<質問>
地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担っております。そのためには、市民の意見や要望に真摯に耳を傾け、地域の課題に対して具体的な解決策を提示していくことで、合理的でより充実した行政サービスを提供していくことが必要ではないでしょうか。
暮らしやすく住みよい知多市に向けて、行政サービス改善に向けた議論の下地になるような質問をいたしたく存じますので、前向きな答弁をお願いいたします。
本市では、家庭系収集ごみ有料化と平成35年度完成を目指した新しいごみ処理施設の検討が進められておりますが、ごみ処理は、上下水道と同じく市民生活に欠かすことのできない行政サービス、つまりは社会インフラの1つであり、適切な予算配分や収支の効率化を検討、検証することが欠かせないと考えます。
ごみ処理については、住民の排出者責任や受益と負担の関係を踏まえての市民負担のあり方、ごみの減量、リサイクルの一層の推進、公平性の確保、近隣市町との均衡など様々な視点を総合的に勘案し、循環型社会の実現に向けた適切な手数料の設定を行うことが必要ですが、同時に、ごみ処理事業における収支の透明化や経費削減、運用施策の継続的な改善検証が重要であると考えます。そこで、本日は、費用の観点から、本市のごみ処理の現状と経費削減に向けた取り組みについて質問いたします。
ごみ処理は、収集運搬や破砕、焼却等を実施する中間処理、埋め立て等を実施する最終処分などの業務と段階がございますが、質問の1点目として、現状と経費内訳について伺います。次に、本市のごみ処理の効率と費用対効果を確認いたしたく、質問の2点目として、1キログラム当たりの処理費用について伺います。次に、本市のごみ処理について、解決しなければならない問題を明確にいたしたく、質問の3点目として、課題について伺います。そして、ごみ処理の合理化をどのように進めていくのかを明らかにいたしたく、質問の4点目として、経費削減に向けた今後の考えについて伺います。
以上、4点について伺い、壇上からの質問を終わります。
<要望>
それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望を3点申し上げます。
要望の1点目として、積極的な情報公開をお願い申し上げます。
本市では、家庭系収集ごみ有料化基本計画や検討委員会の審議内容、ごみ処理費用の経年変化等の資料は、PDFにて市ホームページに掲載されておりますが、例えば大府市では、「チャレンジ!!ごみダイエット」として、ごみ・資源の処理にかかる経費やごみ袋の値段の実績と1袋当たりの処理費を掲載しており、また、半田市でも1トン当たりのごみ収集及び処理経費や市民1人当たりのごみ処理経費を市ホームページ内の個別ページに掲載するなど、見やすい構成になっています。
本日、ごみ処理経費の詳細と課題について説明いただきましたし、本市でも一つ一つの資料は充実した内容が記載されておりますので、PDF資料を記録としてアップデートするだけではなく、例えばごみ対策課のページに取り組みと課題と経費を掲載するなど、ごみに対する意識の向上と、ごみの減量化、資源化推進のために、さらにわかりやすい形での情報発信をお願いいたします。
要望の2点目は、清掃センターの建設及び運営の検証と平成35年度完成予定の新しいごみ処理施設への反映をお願い申し上げます。
本市のごみ処理費用が割高であるのは、先ほど答弁いただいたとおりですが、この要因が清掃センターの運転管理や施設の維持修繕に係る中間処理費にあるのは明確です。つまり、ごみ処理施設の運営と維持修繕に多大な費用がかかるために、この負担が財政に重くのしかかってきています。
先ほどの答弁でも、本市の焼却施設が他市で採用する方式に比べ複雑な構造であるため、修繕費を始めとする維持管理費に経費がかかっていることを説明いただきました。当時は理由があってこのキルン式ガス化溶融炉という特殊なごみ処理方式を採用したものと思いますが、この選択により、これまでも、現在も、これから数年も、大きな費用負担をすることになります。十数年の昔のことですし、過去の選択の根拠と妥当性について言及はいたしませんが、本市のごみ処理費用が割高である原因や経過などを分析し、その結果から得られる知見や教訓を次につなげることが重要であると考えます。
そして、ごみ処理場は巨大な装置産業でもありますので、建設費と運営費、維持管理費の低減を最重要課題として捉え、新しいごみ処理場の建設計画とその仕様に反映する仕組みづくりを検討願います。
ごみ焼却炉にかかわらず、大きな設備投資で大切なことは、投資効果を最大化することです。メーカーの提案は厳しく精査し、また、特定の専門家の意見に頼るだけではなく、将来性を見据えた徹底的な検討と検証を実施することで、市が主体的に選択し、責任を持って進めていただきますようお願いいたします。
要望の3点目として、現在のごみ処理経費の削減施策のさらなる検討と推進をお願い申し上げます。
清掃センターが特殊な構造で運営経費がかさむとはいえ、1キログラム当たり63.9円という他市に比べて割高な処理費用を、今後10年弱負担し続けることは、財政にとって好ましくありません。ごみの排出抑制を促す施策など、一層のごみ減量と資源化の推進も大切ですが、ごみ処理単価がごみ処理経費を圧迫している一番大きな要因であると考えております。
先ほどの答弁にて、効果的、効率的な管理運営を目指した包括的委託によって、今年度より毎年度5,000万円程度の経費削減が可能になったとのことですが、昨今の円高や原油、天然ガスの下落で、焼却コストは低減されている可能性があり、運営や維持管理は改善の余地が大きな分野でもあります。
今後のごみ処理について、市がコスト削減を目標として捉え、粘り強く取り組んでいただきますようお願いいたします。
以上、3点の要望を申し上げ、私の一般質問を終わります。
◆「知多市のごみ処理及び資源回収について」(2019年6月一般質問)◆
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