★「香港デモ考察」香港警察の取り締まり強化はチリのデモ武力制圧が加速させた(私論)★

 

香港デモについて思うことがあったので個人的見解を少しだけ綴ることとしたい.私は香港のデモは格差への若者(持たざる者)の抗議であると考えている.一生懸命に勉強しても一生懸命に働いても,若者は永遠に住宅を持つことができない(マンションが買えない.日本の東京も同じような道を辿りつつある).そして香港デモ失敗に終わってしまうのではという嫌な予感がする.

 

香港デモについての情報収集は,署名記事で書く専門家,嘘を書かない中国ウォッチャーの発信,及び海外メディアの記事を重視している.以下の理由からだ.

  • 日本の新聞社/放送局は詳しく報道する気がない(彼らは商業メディアだから割に合わないと判断して報道意欲がないのはわからないでもない)
  • 日本のメディア/マスコミにジャーナリズム精神なんてものを期待するだけ無駄
  • そもそも日本のメディア/マスコミに海外情勢を調査する余裕はない

 

しかし,2019年10月以降に香港警察の取り締まりが厳しくなった理由の分析は,高く評価している方々もミクロ的観点の情報が目立つ.

 

香港の民衆デモが過激化したことに対する政府の対策とか,長期化するデモに警察(政府側)がしびれを切らした等,頭の良い人や現場に根差した方の分析は一理あるし根拠の要因ではあるだろう.

 

でもそれだけじゃあない.ミクロに分析すればいくらでも事例は出てくる.複合的に複雑に解説することもできる.それでも,意思決定は単純で残酷であったりするのだ.

 

香港デモへの制圧が厳しくなった理由を私はこう考える.

 

「チリでデモが暴徒化した.それを治安部隊(軍隊)が武力制圧した.世界は大して騒いでいない.香港のデモも暴動と位置付けて厳しく制圧しても問題ないと判断した」

 

→チリでデモ暴徒化、首都で外出禁止令 非常事態宣言(※注:残酷な映像を含む)

 

 

日本のマスコミ(商業メディア)はチリの首都サンティアゴの地下鉄運賃値上げに反対するデモ(無賃乗車を繰り返す)など平和ボケした情報を垂れ流していたのだけれども,現実は圧倒的に残酷だ.私はこの映像を見てからしばらく何もする気が起こらなくなるぐらい沈んだ.

 

日本で普通に生きていると(平和に生きられるのは素晴らしいことだ)チリのデモで何が起きたかを知ることはない.情報にそれなりに敏感でも(テレビのニュースや日本の新聞を熟読してネットニュースをウォッチしていても)日本で報道がされないのだから目にする機会がない.

 

香港デモは警察が残虐な武力制圧をしないという民衆の期待と前提条件があり,デモが過激化しつつあった.そんな状況で同時期に起きたチリのデモ.チリの治安維持部隊はデモ制圧のために軍隊を投入して銃をバンバンぶっ放した.

 

そして,チリの武力制圧が国際的に大きな問題になっていない(日本では正確な報道さえされない)状況を冷静に分析した中国は,取り締まりレベルを上げる選択を香港警察に要求する.武力制圧のハードルが下がったのだ.他国はデモへの残虐武力制圧をやっているという事実.これは香港政府側が強硬手段を取ることを正当化することだろう.

 

そもそも,香港デモを制圧したいと考える中国政府は某自治区で相当ヤバいコトを既に実施しており,人権問題的にフォーカスされれば国際的に非難されるのはわかりきっている.

 

彼らにとって国内世論を味方につけることが最優先事項なのだ.香港デモが長期化する影響と武力制圧のリスクを天秤にかけて,武力制圧は悪くない選択だと考えたならば香港では躊躇なく実行する.汚れ仕事を林鄭月娥(キャリーラム)氏に押し付けるという悪意とともに.

 

私は人の醜さや愚かさ残虐さは底がないと認識している.そして巨大な権力は狂気の意思決定を行う.それがシステマチックだったりすることは歴史が証明していることだ.

 

香港デモの厳しい現実に気が滅入るけれども,日本が彼らから学んでる様子がない状況は絶望に近い.日本は平和ボケしたままで生きられる社会であれば良いけれども,それもあまり期待できないので,平和的かつ政策的に自分が出来るコトから尽力していきたい.

 

にしても,テレビ(地上波放送)を見ていると馬鹿になると言われて久しいけれども,新聞を読んでいても無知は解消されないし,SNSは偏った意見に洗脳された人間で溢れており互いに憎しみ合っている.私は周庭氏の大ファンで応援しているからこそ本当に胸が痛い.