★循環型社会に向けた資源回収の取組について(知多市)★

 

★循環型社会に向けた資源回収の取組について(知多市)★

 

令和4年(2022年)9月議会(第5回定例会)一般質問

 

知多市議会議員 川脇裕之

 

「循環型社会に向けた資源回収の取組について」

 

(1) 地域回収について

  ①過去3年の回収量について

  ②過去3年の報償金の交付金額について

(2) 集団回収について

  ①過去3年の回収量について

  ②過去3年の報償金の交付金額について

(3) 廃プラスチック類の拠点回収及び食品用プラスチック類の店頭回収について

  ①過去3年の回収量について

  ②運営について

  ③売却代及び処理委託料について

(4) 第6次知多市総合計画第3次実施計画に記載のある資源回収選別事業のプラスチック製容器包装のごみ収集場所での回収について

  ①回収方法及び処理費用について

  ②期待される効果について

 



 

◆10番(川脇裕之)

 皆様、こんにちは。先の通告に基づきまして、循環型社会に向けた資源回収の取組について質問いたします。

 

 2022年4月にプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律、通称プラスチック資源循環促進法が施行されました。これは国内外におけるプラスチック使用製品の廃棄物をめぐる環境の変化に対応して、プラスチックに係る資源循環の促進等を図るため、プラスチック使用製品の使用の合理化、プラスチック使用製品の廃棄物の市町村による再商品化並びに事業者による自主回収及び再資源化を促進するための制度の創設等の措置を講ずることにより、生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものです。

 

 我が国の廃棄物処理政策は従来公衆衛生の向上、生活環境の保全を目的としてたものでしたが、1990年代以降、循環型社会を形成するための政策が推進されるようになりました。そして、資源ごみの再生利用を推進していく上で、収集した資源ごみの質の向上及び分別コストの軽減の観点から、排出源での分別が効率的であるとして、各種サイクル法に準拠する形で資源ごみの分別収集が進展してきました。

 

 本市での資源回収は回収及び売却等を市が行い、資源売却代を地域に還元する地域回収と、市民団体等が行う資源回収に対して報償金により支援する集団回収の2方式を組み合わせた知多市方式資源回収として実施してきました。これに加え、2019年からは食品用プラスチック製容器等の店頭回収を開始し、2022年9月現在はイトーヨーカドー知多店とマックスバリュ知多新知店での回収を実施しております。これは地方自治体の全ての計画の基本となり、地域づくりの最上位に位置付けられている総合計画、第6次知多市総合計画、第4章基本計画に記載の分野別計画(16) 環境において示されている「地球にやさしい持続可能な循環型社会を形成するため、市民、地域、事業者、市などの協働により、ごみの減量と資源化を推進します。」との方針に基づくものです。(※1)

 

 具体的には総合計画の下位計画である知多市環境基本計画及び知多市ごみ処理基本計画に基づきごみの減量と資源化に取り組んでおりますが、近年の環境意識の高まりや世界的な気候変動や異常気象に直面していることもあり、カーボンニュートラルやプラスチック削減に向けた取組が求められております。そこで、本市の循環型社会に向けた資源回収の取組について現状を確認し、効果的な政策の推進を求めて質問をいたします。

 

 1点目、地域回収について。本市では地域回収として行政区ごとに資源回収ステーションを設置し、月に1回の頻度で資源回収を実施して、回収した資源の売却代は回収した地域に還元しておりますが、1つ目、過去3年の回収量について。2つ目、過去3年の報償金の交付金額について伺います。

 

 次に2点目、集団回収について。本市では市民団体が回収業者と直接やり取りし資源回収を行う集団回収を支援するため、登録団体に対し回収量に応じて報償金を支払っておりますが、1つ目、過去3年の回収量について。2つ目、過去3年の報償金の交付金額について伺います。

 

 次に3点目、廃プラスチック類の拠点回収及び食品用プラスチック類の店頭回収について。本市ではペットボトル、食品用プラスチック製容器、食品用発泡スチロール製容器について、市内3か所で拠点回収と2店舗での店頭回収を実施しておりますが、1つ目、過去3年の回収量について。2つ目、運営について。3つ目、売却代及び処理委託料について伺います。

 

 最後に4点目は、第6次知多市総合計画第3次実施計画に記載のある資源回収選別事業のプラスチック製容器包装のごみ収集場所での回収についてです。本市は2021年10月公表の第6次知多市総合計画第3次実施計画(令和4年度から令和6年度)において分野別計画の一つに資源回収選別事業を掲げ、プラスチック製容器包装の収集場所での回収等を実施するとして3年間の予定事業費9,100万円を見積もっております。現在、実施している地域回収、集団回収、拠点回収、店頭回収等に加えて、どのような取組を実施する予定なのか、従来の方式を変更していくのかを確認いたしたく、1つ目、回収方法及び処理費用について。2つ目、期待される効果について伺います。

 

 以上、壇上からの質問といたします。答弁よろしくお願いします。

 

 

◎市長(宮島壽男) 

 10番 川脇裕之議員の御質問にお答えいたします。

 御質問の1番目、循環型社会に向けた資源回収の取組についてでございますが、大量生産・大量消費・大量廃棄の生活から、環境への負荷が少ない生活への転換を図るためには、家庭等から排出されるものをごみとして処理するのではなく、再資源化が可能なものは資源として利用することが重要であります。今後とも循環型社会の実現に向けて限りある資源を効率的に利用できる環境の整備に努めてまいります。御質問の1点目から4点目までにつきましては環境経済部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。

 

 

◎環境経済部長(林和宏) 

 御質問の1番目、循環型社会に向けた資源回収の取組についての1点目、地域回収についての1つ目、過去3年の回収量についてでございますが、地域回収は知多市方式として行っている資源回収方法の一つで、月に1回行政区単位で資源を回収していただいているものです。令和元年度は紙類1,049トン、布類56トン、缶類44トン、びん類172トン、ペットボトル62トン、廃プラスチック類26トン等で合計1,428トン。2年度は紙類894トン、布類55トン、缶類40トン、びん類141トン、ペットボトル58トン、廃プラスチック類57トン等で合計1,266トン。3年度は紙類878トン、布類60トン、缶類41トン、びん類141トン、ペットボトル57トン、廃プラスチック類62トン等で合計1,259トンです。

 

 次に2つ目、過去3年の報償金の交付金額についてでございますが、地域回収では回収した資源の売却代の相当額を報償金として61地区に還元しており、元年度は1,458万7,968円、2年度は891万7,131円、3年度は1,021万1,385円です。

 

 次に2点目、集団回収についての1つ目、過去3年の回収量についてでございますが、集団回収は子ども会などの団体が資源回収の民間事業者を利用して自ら資源の回収活動を行うもので、令和元年度は紙類379トン、布類21トン、缶類6トン等で合計407トン。2年度は紙類177トン、布類20トン、缶類4トン等で合計201トン。3年度は紙類178トン、布類19トン、缶類5トンで合計202トンです。

 

 次に2つ目、過去3年の報償金の交付金額についてでございますが、団体が回収した資源の回収量に応じて1キログラム当たり4円の報償金を交付しており、元年度は39団体に163万2,048円、2年度は26団体に80万4,964円、3年度は27団体に81万192円です。

 

 次に3点目、廃プラスチック類の拠点回収及び食品用プラスチック類の店頭回収についての1つ目、過去3年の回収量についてでございますが、拠点回収は家庭から出る食品トレイ、発泡スチロールなどの廃プラスチック類の排出機会を増やすことを目的に、岡田まちづくりセンター、東部まちづくりセンター、ベティさんの家旭公園の3か所で実施しています。令和元年度は3,883キログラム、2年度は4,287キログラム、3年度は5,164キログラムです。店頭回収は回収時間の延長や一度に排出できる品目の拡大を求める御意見が多かったことから開始したもので、イトーヨーカドー知多店、マックスバリュ知多新知店に御協力をいただいて回収しています。元年度は6,773キログラム、2年度は2万3,858キログラム、3年度は3万3,440キログラムです。

 

 次に2つ目、運営についてでございますが、拠点回収は週3回午前7時から10時まで実施しているもので、受入れ作業はシルバー人材センターに委託し、回収は市が行っています。店頭回収は店舗の営業時間に実施しているもので、店舗が自主的に資源回収をされている場所の隣に市が専用回収ボックスを設置し、管理は店舗にお願いし、回収は市が行っています。

 

 次に3つ目、売却代及び処理委託料についてでございますが。売却代は拠点回収で元年度は9万1,217円、2年度は7万339円、3年度は6万3,818円で、店頭回収の売却代はありません。処理委託料は拠点回収で元年度は11万1,810円、2年度は13万2,205円、3年度は15万6,855円、店頭回収で元年度は33万2,483円、2年度は118万946円、3年度は161万8,496円です。

 

 次に4点目、第6次知多市総合計画第3次実施計画に記載のある資源回収選別事業のプラスチック製容器包装のごみ収集場所での回収についての1つ目、回収方法及び処理費用についてでございますが、資源化の推進を目的としてごみ処理基本計画を策定する中で令和6年度からの回収を目指し、回収方法やその費用について検討しているところです。

 

 次に2つ目、期待される効果についてでございますが、プラスチック製容器包装などプラスチック使用製品廃棄物を家庭で分別してごみ収集場所へ排出していただくことで、ごみと資源の分別が確実に進むとともに、市民の排出機会や利便性が向上し、さらなるごみの減量や資源回収率の向上につながるものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

 

◆10番(川脇裕之) 

 市民の皆様のごみ減量の取組や新型コロナウイルスによる社会経済活動の縮小の影響もあり、過去5年間の資源回収量は平成29年度の総回収量2,798トンをピークに減少しておりますが、その中でも拠点回収と店頭回収の量が順調に増加しております。(※2)

 そこで再質問の2点目、拠点回収と店頭回収の量が順調に増加している要因について伺います。

 

 

◎環境経済部長(林和宏) 

 御質問の件につきましては、広報等を通じて市民に周知して利用促進を図ったことにより回収量が増加したと考えています。特に店頭回収は買物のついでに他の資源と一緒に排出できること、また排出できる時間も長いという利便性のよさから多くの市民に御利用いただけていると考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

 

◆10番(川脇裕之) 

 次に、資源回収に係る収益と費用について再質問いたします。本市では20を超える資源回収品目を設定して資源回収を実施しておりますが、アルミニウムの国際価格が2022年に13年半ぶりの最高値を更新するなど、収益が出るアルミ缶等の資源がある一方で、事業者に処理委託料を支払って処分している資源もございます。(※3)

 そこで再質問の3点目、回収品目ごとの売却単価及び処理委託単価について伺います。

 

◎環境経済部長(林和宏) 

 御質問の件につきましては、令和4年度上半期における売却単価は1キログラム当たり新聞5.5円、段ボール6.6円、雑紙4.4円、牛乳パック4.4円、布類1.1円、アルミ缶278.3円、スチール缶55円、その他缶0.55円、ペットボトル84.443円、小型家電高品位275円、低品位36.85円、インクカートリッジ10円です。廃食用油は回収1回当たり5円です。処理単価は1キログラム当たりプラスチック製容器包装48.4円、ガラスびん31.9円、剪定枝22円、水銀使用廃製品80.3円、水銀使用廃製品は運搬費としてコンテナ1基当たり14万7,290円ですので、よろしくお願いいたします。

 

 

◆10番(川脇裕之) 

 次に、資源回収全体の収益と費用について確認いたしたく、再質問の4点目、令和3年度の資源回収量及び売却代、委託料について伺います。

 

◎環境経済部長(林和宏) 

 御質問の件につきましては、資源回収量は2,243トン、資源売却代は1,702万4,513円、処理委託料は3,748万8,124円ですので、よろしくお願いいたします。

 

 

◆10番(川脇裕之) 

 先ほど回収品目ごとの売却単価を答弁いただきましたが、廃食用油について再質問いたします。近年、廃油や植物を原料にした環境負荷の少ない持続可能な航空燃料、通称SAFが注目されており、国土交通省は2030年までに国内航空会社の燃料使用量のうち全体の10パーセントをSAFに置き換える目標を設定しました。(※4)

 SAFの原料となるのはバイオマスや廃食用油、都市ごみなどですが、現状の製造コストは廃食用油由来が最も安価になるとして注目されています。(※5)

 そこで再質問の5点目、需要が高まっており資源として売却価値のある廃食用油について、回収を推進する取組を検討する考えについて伺います。

 

◎環境経済部長(林和宏) 

 御質問の件につきましては、廃食用油はリサイクルプラザや地域回収等で収集を行っていますが、長期的・総合的な視野に立ち計画的にごみ処理を推進するための方針を定めるごみ処理基本計画を策定する中で、効率的な回収方法を調査研究してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

 

◆10番(川脇裕之) 

 次に、プラスチック製容器包装の収集場所での回収等を実施する場合、現在、実施している地域回収や集団回収と回収品目が重なるものが出てくると想定されますが、再質問の6点目、廃プラスチック類の拠点回収及び食品用プラスチック類の店頭回収の今後の扱いについて伺います。

 

◎環境経済部長(林和宏) 

 御質問の件につきましては、ごみ処理基本計画を策定する中で検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

 

◆10番(川脇裕之) 

 答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望を申し上げます。

 

 最初にリサイクル全般についてです。愛知県が県内のごみの総排出量やリサイクル率等に関する調査結果を取りまとめた令和2年度一般廃棄物処理事業実態調査によると、2020年度の市町村別ごみ排出量において本市のリサイクル率は12.1パーセントです。これは県内54市町村中51番目の順位です。(※6)

 

 知多半島5市では大府市が4位の31.1パーセント、常滑市が8位の27.4パーセント、半田市が13位の24.6パーセント、東海市が31位の17.5パーセントですから、本市は県内や半島5市と比べてもリサイクルが進んでいないことが分かります。第3次知多市環境基本計画(令和3年度から令和12年度)にも記載されておりますが、市に期待することとして、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進によるごみの減量化が一番大きな割合で求められていることに鑑みれば、残念な現状であると言わざるを得ません。

 

 第3次知多市環境基本計画ではごみの減量と資源化の推進について、4R(リデュース・リユース・リサイクル・リフューズ)の推進やプラスチックごみの削減等が掲げられておりますが、重要なのは単に目標を掲げることではなく、現状の問題に対する課題解決策の検討であり、目標達成に向けた具体的なアクションプランを取ることです。循環型社会に向けた資源回収の取組について、本市の厳しい現状を捉え、改善に向けて尽力いただきたくお願い申し上げます。

 

 次に、廃食用油につきましては効率的な回収方法を調査研究するとのことですので、その回収を推進し、リサイクルを図る取組を強化いただきたく存じます。

 

 市民の方に廃食用油をリサイクルに出さない理由を伺うと、家庭でリサイクル用に分別するのが手間であるとの意見がありました。ごみと資源の出し方を確認すると、廃食用油はペットボトルなど割れたりこぼれたりしない蓋つきの容器に入れて、地域回収ステーションの専用コンテナに入れるか、リサイクルプラザに持ち込むとあります。この蓋つき容器に入れる作業が手間であるため、市販の凝固剤で固めたり、不要な紙や布に染み込ませたりして可燃ごみとして出しているとのことでした。これは一つの参考意見ではありますが、たしかに使用済みのペットボトルなど口径の小さな容器に廃食用油を移すのは困難な作業です。こぼして汚してしまうリスクや、家族や同居人が廃食用油であると認識せずにペットボトルを開けてしまう等のリスクもあります。

 

 これを解決するためには、容器の口が広い容器やオイルポット等を貸与して、廃食用油を回収容器に移す作業を容易にすることなどが考えられるのではないでしょうか。広口プラボトルは1つ200円程度で市販されております。先ほど申し上げたとおり、廃食用油は持続可能な航空燃料SAFの原料の一つとして需要と価値が高まっております。民間企業への協力を呼び掛けたり、近隣自治体とも広域で連携するなど廃食用油の効率的な回収を推進いただきますようお願い申し上げます。

 

 最後に、家庭のプラスチックごみの分別回収についてです。プラスチック製容器包装のごみ収集場所での回収について、令和6年度からの回収を目指して検討をするとのこと、慎重かつ丁寧に議論をしていただきますようお願いいたします。この施策は本年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法で「地方公共団体の責務として市町村はその区域内におけるプラスチック使用製品廃棄物の分別収集及び分別収集物の再商品化に必要な措置を講ずるよう努めなければならない(※7)」と規定されたことに伴い検討しているものと認識しております。

 

 しかし、環境省が実施したプラスチック分別回収等に関する市区町村へのアンケートでは、アンケートに回答した自治体数1,455団体のうち、法施行前からプラスチック製容器包装のみならずプラスチック製品の分別回収・リサイクルを実施している自治体は31団体、分別回収後に熱回収等を実施している自治体は66団体、5年以内にプラスチック製容器包装とプラスチック製品の分別回収・リサイクルを実施することを検討している自治体は85団体であるとの調査結果が示されております。(※8)

 

 この数値は多くの自治体がプラスチック製品の分別回収・リサイクルにちゅうちょ、苦慮していることを表している結果であると考えます。プラスチック資源循環促進法では努力義務として規定されているものの、2022年9月時点では自治体への財政支援が明確に示されておりません。回収体制の強化やごみ選別施設の整備などの処理費用はいずれも自治体負担となる懸念があります。

 

 先に答弁いただいたとおり、本市の令和3年度の資源回収量は2,243トンで売却収入が約1,700万円、処理委託支出が約3,750万円、差引き2,050万円程度の経費で資源回収を運用しております。一方で、プラスチック製容器包装の収集場所での回収等を実施するとして3年間の予定事業費9,100万円を計上しており、ごみ収集場所で回収するとなれば毎年の支出となります。そのため、国からの財政支援が明確に示され、それを踏まえて本市の財政が負担に耐えられるかどうかを慎重に見極めてから、実施可否を判断していただきたく存じます。あわせて、県内では豊明市が本年10月からのプラスチックの一括回収の実施を開始する予定ですので、そのデータを注視、分析する等の取組も検討願います。

 

 本市のリサイクル率は低水準にとどまっているものの、地域回収は61地区が実施しており、店頭回収は順調に回収量が伸びております。新たに多大な費用と稼働を掛けてごみ収集場所でプラスチック製容器包装の回収をすることだけでなく、地域回収の推進に向けた支援を手厚くすることを検討いただきたく存じます。地域回収では、自治会や町内会の方の負担が生じておりますので、その稼働に対する謝金を新たに交付したり、拠点回収のようにシルバー人材センターに作業を委託したりするなどの支援策や、報償金を増額することで回収頻度や回収品目を増やすことも有効であると考えられます。

 

 プラスチックごみ問題は喫緊の課題であり、プラスチックの資源循環利用も重要であることに異論はありませんが、それは持続可能な仕組みでなければいけません。リデュース・リユース・リサイクル・リフューズの4Rを推進し、ごみ減量と資源化をするために現在の地域回収等のベストミックスの組合せの検討をお願い申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

 

 

●参考資料

 

(※1) 第6次知多市総合計画(令和2年度~令和11年度)

https://www.city.chita.lg.jp/docs/2018020900093/files/sougoukeikaku_2.pdf

 

(※2) 過去5年間の資源回収量の推移

https://www.city.chita.lg.jp/docs/2017031400028/files/shigenkaishuryousuii.pdf

 

(※3) 日本経済新聞_アルミ国際価格、最高値更新 2008年以来13年半ぶり

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB246I70U2A220C2000000/

 

(※4) 第1回SAFの導入促進に向けた官民協議会説明資料

https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/saf/pdf/001_04_00.pdf

 

(※5) 日本経済新聞_国産の航空再生燃料「SAF」、原料調達に壁

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC130DG0T10C21A9000000/

 

(※6) 令和2年度一般廃棄物処理事業実態調査の結果について(愛知県)

https://www.pref.aichi.jp/soshiki/junkan/ippai-jittaityousa-happyou-r2.html

 

(※6) 表4 2020年度市町村別ごみ排出量等一覧 [PDFファイル/114KB]

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/388712_1706580_misc.pdf

 

(※7) プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(令和三年法律第六十号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=503AC0000000060_20220401_000000000000000

 

(※8)  「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の概要

https://www.env.go.jp/content/000058750.pdf

 


 

★経済的で環境に優しい知多市のごみ処理に向けた取組について★

 

令和5年(2023年)6月議会(第4回定例会)一般質問

 

知多市議会議員 川脇裕之

 

「経済的で環境に優しいごみ処理に向けた取組について」

 

(1) 新しいごみ処理施設「西知多クリーンセンター」について

     ①移行に向けたスケジュールについて

     ②ごみ収集及び指定ごみ袋の運用方針について

 

(2) ごみ対策事業について

     ①2020年度及び2021年度の一般廃棄物処理手数料収入について

     ②2020年度及び2021年度のごみ処理経費について

     ③2021年度の各サイズの指定ごみ袋の販売枚数について

     ④2021年度の各サイズの指定ごみ袋の製造、流通等に係る経費及び単価について

     ⑤ごみ収集場所でのプラスチック製容器包装回収の検討状況について

     ⑥リチウムイオン電池等の小型充電式電池の回収状況について

 


 

 

◆質問

 

皆様、おはようございます。先の通告に基づきまして「経済的で環境に優しいごみ処理に向けた取組について」質問いたします。

 

本市では、2017年3月に「知多市ごみ処理基本計画(平成29年度~平成39年度)」を策定し、同年4月から、ごみの減量と資源化を推進するため、家庭系収集ごみの有料化を開始するとともに、資源回収品目や回収拠点の拡大をしてきました。

また、東海市と共同でごみ処理を行うため、西知多医療厚生組合において、新しいごみ処理施設として「西知多クリーンセンター」 を整備中で、来年2024年度からの稼働を計画しています。

 

私はこれまでに、

2016年9月議会で「ごみ処理経費」について

2017年6月議会で「ごみ対策事業」について

2019年6月議会で「ごみ処理及び資源回収」について

2022年9月議会で「循環型社会に向けた資源回収の取組」について

一般質問を実施し、本市のごみ処理対策や資源回収について、現状における問題点を抽出して、改善提案を実施して参りましたが、引き続き効果的な政策の推進を求めて「経済的で環境に優しいごみ処理に向けた取組について」伺います。

 

(1) 点目は、新しいごみ処理施設「西知多クリーンセンター」についてです。

廃棄物処理法において、ごみ処理における基本方針などを定める「一般廃棄物処理計画」の策定が市町村に義務づけられています。本市では、これに基づき、既存計画を見直し、知多市ごみ処理基本計画(令和5年度~令和14年度)を2023年2月に新たに策定しました。この最新の知多市ごみ処理基本計画では、「施策4:広域処理に向けたごみ処理体制の再編」の重点施策として、「西知多クリーンセンターの稼働」を位置付けています。

西知多クリーンセンターは2024年6月に施設が完成し、同2024年度からの供用開始予定と案内されております。そこで、具体的なスケジュールを確認いたしたく、

①つ目、「移行に向けたスケジュールについて」伺います。

 

次に、最新の計画では、「西知多クリーンセンター」の稼働に伴い、収集運搬は引き続き、各自治体が主体となって実施する。中間処理及び最終処分は、西知多医療厚生組合(西知多クリーンセンター)が実施する旨が記載されております。

現状、収集運搬については、東海市と知多市が別々に指定ごみ袋制度を導入しており、収集方法や指定ごみ袋の販売価格も異なります。そこで西知多クリーンセンターへの収集運搬はどのような運用を検討しているのか確認いたしたく、

②つ目、「ごみ収集及び指定ごみ袋の運用方針について」伺います。

 

次に(2) 点目は、「ごみ対策事業について」です。

本市は、2017年4月に現在の黄色の市指定ごみ袋である「有料指定袋制度」を導入し、家庭系収集ごみの有料化を実施しました。それ以降、市に取扱店として登録された店舗で、指定ごみ袋がごみ処理費用等を含めた単価にて販売されております。また、これに加えて、清掃センターへの直接搬入の受け入れ等も実施しております。以前の一般質問でも経費等を伺いましたが、最新の収支状況やごみ袋の販売動向等を確認いたしたく、

①つ目、「2020年度及び2021年度の一般廃棄物処理手数料収入について」

②つ目、「2020年度及び2021年度のごみ処理経費について」

③つ目、「2021年度の各サイズの指定ごみ袋の販売枚数について」

④つ目、「2021年度の各サイズの指定ごみ袋の製造、流通等に係る経費及び単価について」

内訳を含めた詳細を伺います。

 

次に、最新の計画では、「施策1:分別の徹底による資源循環の推進」の重点施策として、「プラスチック類の回収拡大」を位置付けています。

私はさきにも挙げた2022年9月議会での一般質問において、新たに多大な稼働と費用を掛けて、プラスチック製容器包装の定期収集を実施することの経済合理性について問題提起しました。併せて、市内61地域で実施している地域回収への支援充実や、店頭回収を有効活用することなどを要望し、慎重な検討を求めました。

しかしながら、最新の計画では、ごみ収集場所での分別収集を実施すると記載されており、2023年3月の一般質問では、可燃物のごみ収集場所で定期収集する方針が示されました。そこで、来年度からの実施に向けた検討状況を改めて確認いたしたく、

⑤つ目、「ごみ収集場所でのプラスチック製容器包装回収の検討状況について」

伺います。

 

 

次に、事故防止の取り組みについてです。近年、全国的にリチウムイオン電池が原因とされる火災事故が発生しています。愛知県内でも、2023年2月に、県内トップクラスのごみ処理能力を持つ、豊田市の渡刈(togari)クリーンセンターで火災が発生し、その影響で一部焼却炉が稼働できなくなりました。この影響で「ごみ非常事態宣言」が発令されるという深刻な状況に豊田市が陥ったことは記憶に新しいところです。

本市でも、ごみ収集車やごみ処理施設での火災事故を防止するため、リチウムイオン電池などの小型充電式電池の持ち込み回収を実施しておりますが、最新の状況を確認いたしたく、

⑥つ目、「リチウムイオン電池等の小型充電式電池の回収状況について」伺います。

 

以上、壇上からの質問といたします。答弁、よろしくお願いいたします。

 

◆答弁

 

◎市長

答弁。

 

◎環境経済部長

ご質問の1番目、

「経済的で環境に優しいごみ処理に向けた取組について」の1点目、

「新しいごみ処理施設「西知多クリーンセンター」について」の1つ目、

「移行に向けたスケジュールについて」でございますが、

令和6年2月ごろから、家庭系収集ごみのうち可燃ごみのみを受け入れ、試運転を開始します。4月からは、家庭系収集不燃ごみ、直接搬入ごみを加えた全てのごみを受け入れ、7月に供用開始の予定です。

 

次に2つ目、「ごみ収集及び指定ごみ袋の運用方針について」でございますが、

6年度から西知多クリーンセンターにおいて、西知多医療厚生組合による、ごみ処理が開始される予定ですが、家庭系ごみの収集及び指定ごみ袋の運用方針については、各市とも、当面は現行の方法を継続します。

 

次に2点目、「ごみ対策事業について」の1つ目、「2020年度及び2021年度の一般廃棄物処理手数料収入について」でございますが、

2020年度は、

2億5,431万2,280円で、

内訳は、戸別収集分が312万4,000円、

清掃センターへの直接搬入分が

7,881万3,280円、

ごみ収集場所での定期収集分が

1億7,237万5,000円です。

 

2021年度は、

2億4,983万1,460円で、

内訳は、戸別収集分が320万1千円、

直接搬入分が7,359万460円、

定期収集分が1億7,304万円です。

 

次に2つ目、「2020年度及び2021年度のごみ処理経費について」でございますが、

ごみ処理経費は、各家庭から出されるごみを収集し、清掃センターへ搬入するまでの「収集運搬費」、清掃センターの運転管理や施設の維持修繕に係る「中間処理費」、東鴻之巣最終処分場の運転管理に係る「最終処分費」、資源の収集運搬、処理及びリサイクルプラザの施設管理に係る「資源化に係る費用」の大きく4つに分けることができます。

 

2020年度の処理経費の総額は、

約16億7千万円です。

経費の内訳は、

収集運搬費が約3億1千万円で、全体経費の19パーセント、

中間処理費が約11億1千万円で、67パーセント、

最終処分費が約9千万円で、5パーセント、

資源化にかかる費用が約1億5千万円で、9パーセントです。

 

2021年度の処理経費の総額は、

約17億円です。

経費の内訳は、

収集運搬費が約3億円で、全体経費の18パーセント、

中間処理費が約11億1千万円で、65パーセント、

最終処分費が約1億3千万円で、8パーセント、

資源化にかかる費用が約1億6千万円で、9パーセントです。

 

次に3つ目、「2021年度の各サイズの指定ごみ袋の販売枚数について」でございますが、

45リットルが236万3千枚、

30リットルが148万1千枚、

20リットルが 52万3千枚で

合計436万7千枚です。

 

次に4つ目、「2021年度の各サイズの指定ごみ袋の製造、流通等に係る経費及び単価について」でございますが、

指定ごみ袋販売等委託の業務内容は、指定ごみ袋の製造・保管及び指定ごみ袋取扱店との受注、配送の他、ごみ処理手数料の徴収業務などで、委託料は6,253万3,282円です。

 

委託契約におきまして、指定ごみ袋1枚当たりの税抜き単価は、

45リットル袋で11.23円、

30リットル袋で7.94円、

20リットル袋で6.40円です。

 

次に5つ目、「ごみ収集場所でのプラスチック製容器包装回収の検討状況について」でございますが、令和6年4月回収開始に向けて、検討を進めております。

プラスチック製容器包装は、可燃物のごみ収集場所で、現行のごみ収集日とは別の曜日で、週1回、回収します。

回収の対象は、現行の食品用容器包装プラスチックに加えて、シャンプーのボトルなどの容器包装全般とバケツやおもちゃなどのプラスチック製品全般です。

出し方は、中身を確認できる透明、あるいは半透明の袋に入れるものとする予定です。

 

次に6つ目、「リチウムイオン電池等の小型充電式電池の回収状況について」でございますが、

現在は、リサイクルプラザ、清掃センターの2か所で回収しており、回収量の実績は、2020年度が324キログラム、

2021年度が410キログラムですので、

よろしくお願いいたします。

 

◆再質問

 

答弁ありがとうございます。ただ今お答えいただいた内容について再質問いたします。

 

●再質問①

2024年4月から、西知多クリーンセンターでの直接搬入ごみの受け入れを開始する計画とのことですが、再質問の①点目、「ごみ処理依頼書等の手続きに変更点はあるのか」伺います。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、

現在、西知多医療厚生組合と事業者とで調整されていると聞いておりますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問②

次に、販売されている各サイズの指定ごみ袋の1Lあたりの価格は、20L袋と30L袋が1円、45L袋が約1.1円ですが、再質問の②点目、「各サイズの指定ごみ袋の1Lあたりの経費について」伺います。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、1リットル当たりの経費を、委託契約における指定ごみ袋1枚当たりの税抜き単価から算出しますと、

45リットル袋が0.25円、

30リットル袋が0.26円、

20リットル袋が0.32円

ですので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問③

次に、答弁いただいた通り、1L当たりの経費は45L袋が0.25円、30L袋が0.26円、20L袋が0.32円と袋が小さくなればなるほど高額です。

つまり20L袋及び30L袋に比べて、45Lの袋は製造流通等経費が相対的に安価であるにも関わらず、45Lの袋には10%割高な手数料を設定し、購入者の負担としている状態です。

答弁にて「西知多クリーンセンター」の稼働後も、家庭系ごみの収集及び指定ごみ袋の運用方針については、当面は現行の方法を継続する。とのことですが、2018年2月策定の西知多医療厚生組合ごみ処理施設整備基本計画では、施設整備の基本方針として、「長期間にわたる安全・安定的なごみ処理が可能で、経費を低減できる施設」とする。と掲げられておりました。

また、2017年6月議会の一般質問で問題点を指摘した、指定ごみ袋へのごみ処理手数料納付済証の封入廃止を、知多市緊急財政改善プランの個別取組事項とするなどの経費削減の取り組みも実施されています。

そこで、再質問の③点目、「現在の45L指定ごみ袋の割高な価格を是正し、ごみ処理手数料を1リットルあたり1円に統一するために、45L指定ごみ袋を50円から45円に値下げする考えについて」伺います。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、

より小さいサイズの袋に移行することを通してごみの減量につなげていきたいと考えていることから、45円にする考えはありませんので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問④

次に、指定ごみ袋の販売量は、答弁いただいた通り、45L袋が最多であることから、大きなごみ袋の需要が高いことがわかります。大きな袋を活用する理由を市民の方にたずねたところ、収集場所へのごみ出しの回数を減らしたいからである。との意見を聞いたことがあり、なるほど、と腑に落ちたのを覚えております。

例えば、県外の事例になりますが、富山市を含む5自治体のごみを受け入れている富山地区広域圏クリーンセンターでは、富山地区広域指定ごみ袋として70Lや90Lの指定ごみ袋が販売されています。ごみ袋の製造流通等原価に占める原材料の割合は小さいため、大きな袋では1L当たりの経費は抑えられると考えます。

そこで、再質問の④ 点目、「60Lや70Lのごみ袋を新たな指定ごみ袋のラインナップに加えて、その価格を、手数料が1リットルあたり1円以下となるように設定する考えについて」伺います。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、

より小さいサイズの袋に移行することを通してごみの減量につなげていきたいと考えていること、また、ごみを入れた袋の重量が重くなりすぎることから、60リットル等のサイズを新たに作る考えはありませんので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問⑤

次に、指定ごみ袋の利活用についてです。我が国では、2020年7月からプラスチック製買物袋の有料化が全国で開始されました。この政策については様々な議論があると認識しておりますが、他の地域で「指定ごみ袋」を小売店のレジでバラ売りする取り組みが実施されております。

これは、レジ袋を「指定ごみ袋」として再利用することを可能とすることで、マイバッグ以外の選択肢を増やし、プラスチックごみの削減に繋がることが期待できるとするものです。

全国的に複数の自治体や小売店が取り組んでおり、県内では長久手市のホームセンターなどで行政との連携が実施されております。

そこで、再質問の⑤ 点目、指定ごみ袋に7リットルや10リットル等の小型サイズを追加する考え、及びばら売りする考えについて伺います。

 

◎環境経済部長

御質問の件につきましては、指定ごみ袋の制度を含めたごみの収集方法について、総合的に調査研究しておりますが、現在のところ市民からの要望があまりないことから、追加及びばら売りについては考えておりませんので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問⑥

市民からの意見聴取を実施されているとは認識されていないのですけれども、その辺はおいおい要望でお伝えできればと思っております。次に、プラスチック製容器包装を可燃物のごみ収集場所で現行のごみ収集日とは別の曜日で週1回回収する予定であるとのことですが、再質問の⑥点目、プラスチック製定期収集に係る費用について、内訳も含めた金額をお伺いします。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、

回収委託料は、年間約8,400万円と見込んでおりますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問⑦

再質問の⑦点目、この年額8400万円の支出に対して、国や県の補助は実施される予定であるのか伺います。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、

補助金の交付はありませんが、プラスチック使用製品の分別収集、再商品化にかかる費用は特別交付税に算定され、交付される予定ですので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問⑧

再質問の⑧点目、収集した、プラスチック類はどのような処理を実施するのか伺います。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、

 容器包装リサイクル法に規定する指定法人である、日本容器包装リサイクル協会を通して適正に再商品化されますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問⑨

次に、ごみ収集場所の維持管理は主に地元自治会に担っていただいていると認識しておりますが、再質問の⑨点目、「可燃物のごみ収集場所でプラスチック類を週1回収する計画について、各自治会への説明はどのように実施しているのか」伺います。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、

9月以降、まずは各地区の会議において地区駐在員に説明し、その後に市民を対象とした説明会を開催する予定ですので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問⑩

9月以降、まずは各地区の会議において地区駐在員に説明するとの答弁ですが、再質問の⑩点目、プラスチック製容器包装について、可燃物のごみ収集場所で、現行のごみ収集日とは別の曜日で、週1回、回収する計画について、地域への説明や意見聴取を実施せずに決めたということでしょうか?

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、令和4年4月から「プラスチックに係る資源循環の促進に関する法律」が施行され、プラスチック使用製品廃棄物の分別収集及び分別収集物の再商品化に必要な措置を講ずることが市町村の努力義務とされました。

本市においても、昨年度策定した「ごみ処理基本計画」の中で、プラスチック類の回収拡大を重点的に取り組む施策の一つとしました。

今後、地域への説明会を開催し、西知多クリーンセンターの稼働開始に合わせたごみの排出方法の変更等と併せて、適正な排出につながるよう周知を図ってまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問⑪

次に、本市では、平成14年に以前の緑色の市指定ごみ袋であった「単純指定袋制度」導入し、平成29年4月に現在の黄色の市指定ごみ袋である「有料指定袋制度」を導入しました。

緑色のごみ袋から黄色のごみ袋への移行時には、緑色のごみ袋でごみ出しを続ける方がいらしたりするなどごみ出しマナー等の問題が発生したことは多くの方の御記憶にあることと存じます。

来年度の2024年度から開始する予定のプラスチック類のごみ収集場所での収集は、出し方として、中身を確認できる透明、あるいは半透明の袋に入れるものとする予定とのことですが、

再質問の⑪点目、「プラスチック類の収集において、ガラス、陶磁器類、金属類など収集対象とするもの以外が出された場合の対応をどのように考えているのか」伺います。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、

注意文書を貼付して一定の期間は残置し、注意喚起を図ってまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

●再質問⑫

次に、リチウムイオン電池等の小型充電式電池については、答弁いただいた通り回収量は増えているものの、廃棄の際にリサイクルプラザか清掃センターに持ち込みをせねばならず、廃棄に手間がかかると言っても差し支えないと考えます。不注意に可燃ごみ等で出される際の危険性を考えると、リスクを最大限に減らすために、廃棄しやすい環境を整えることが効果的であると考えます。

そこで再質問の⑨点目、「リチウムイオン電池などの小型充電式電池の回収場所拡大の考えについて」伺います。

 

◎環境経済部長

ご質問の件につきましては、

総合的に資源の排出機会の拡大を検討する中で、小型充電式電池についても検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆要望

 

答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望を申し上げます。

 

まずは、1点目の新しいごみ処理施設「西知多クリーンセンター」についてです。西知多クリーンセンター稼働後の家庭系ごみの収集及び指定ごみ袋の運用方針について、ごみ袋の価格引下げをしないこと、45リットルの指定袋の割高で不公平な手数料設定を改善しないことを遺憾に思います。質問でも申し上げたとおり、西知多医療厚生組合ごみ処理施設整備基本計画では、西知多クリーンセンターを経費を低減できる施設とすると掲げておりました。掲げた目標を達成するために、また、市民に経費軽減の効果を還元するために割高な45リットル指定袋手数料の価格引下げ等の改善を求めます。

 

また、指定ごみ袋に7リットルや10リットル等の小型サイズを追加する考え及びばら売りする考えについては、総合的に調査研究しているものの、現行実施する予定はないとのことですが、先に紹介したばら売り指定ごみ袋の有効活用の取組では、住民からおおむね好評であると報道されており、私も住民の方から小さい袋を利用したい、レジで売ってくれればよいのにという意見は聞いております。レジ袋有料化については、今なお否定的な意見も多い施策でありますので、本市の指定ごみ袋のラインナップに小型袋を加えてばら売り提供することで、利便性を高め、有効活用できるようにする取組を小売事業者等と連携して実施していただきたく、要望いたします。

 

次に、2点目のごみ対策事業についてです。プラスチック製容器包装の定期収集計画について、週1回可燃物のごみ収集場所で定期収集する計画を地域での説明や意見聴取なしに決定して実行しようとしていることを遺憾に思います。全てを決めてから市民に知らせるのは、単なる報告です。市民の生活に大きく関わることについては、政策立案段階で事前に住民へのヒアリング調査を実施するなどして、住民の意思や意見をできるだけ幅広く反映することが地方行政にとって重要なことではないでしょうか。

 

本市では、収集対象とするプラスチック類以外が出された場合は、注意文書を貼り付けして、一定の期間は残置する運用とのことですが、実害を被るのは不適切なごみ出しをした方ではなく、ごみ収集場所の担当になっている自治会や当番の方、そして収集した後に分別作業をする現場です。

 

2022年10月から、プラスチック製品とプラスチック製容器包装の定期収集を開始した豊明市では、指定透明袋での排出を求めております。また、栃木県の下野新聞社が栃木県全25市町に実施したアンケートでは、容器包装リサイクル法に基づき、プラスチック容器包装を分別回収している市町の処理施設で日常的に刃物やライターなどの危険物が混入しているとの結果が出ており、宇都宮市では、収集車が運び込んだプラ容器をレーン上で職員が手選別する。冷凍食品の袋、ペットボトルのラベル、シャンプーボトル、汚れが目立つものやプラ容器でない異物を1つ1つ取り除く。その量は全体の約2割に上るとの報道がされております。

 

プラスチックごみの焼却量を削減し、リサイクルを推進すること自体に異論はありません。それでも、ごみ処理は特に生活に密接した問題です。その意思決定を住民へのヒアリングなしに実施しようとする行政運営の在り方に疑義を呈します。そして、プラスチック製容器包装回収について、週1回可燃物のごみ収集場所で指定袋に限定せず、透明若しくは半透明の袋での排出を認めて定期収集することが妥当であるのか。9月以降に実施するという地区駐在員と市民への説明時に、意見を丁寧に吸い上げていただき、計画に反映させることを求めます。

 

地域回収や店頭回収などで取り組んできた分別回収の仕組みを活用して支援を充実させる等の政策ではなく、新たに年間8,400万円の費用をかけて定期収集を実施することの妥当性についての懸念は、2022年9月議会の一般質問で述べたとおりですが、新たに週1回、1,200か所を超える可燃物のごみ収集場所にガソリンを消費する収集車でプラスチック回収に向かうことが環境にやさしい取組であるのか。指定袋に限定しないプラスチック排出が収集場所でのプラスチック散乱や対象外ごみの混入など、新たな公害を発生させないか、現場に多大な負担を生じさせないのか、懸念点は尽きません。住民の意見反映とともに、慎重な検討を求めます。

 

最後に、リチウムイオン電池などの小型充電式電池の回収場所拡大について、前向きに検討していただきたいと思い、こうした現地の廃棄時の危険性の周知徹底と併せて、廃棄しやすい環境の整備を実施し、ごみ収集車やごみ処理施設に紛れ込ませないようにする取組の推進をお願いいたします。

 

以上、経済的で環境に優しいごみ処理に向けた取組について要望を申し上げて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

 

【参考資料】

●知多市ごみ処理基本計画

https://www.city.chita.lg.jp/docs/2017031400035/file_contents/gomishorikihonkeikaku.pdf

 

●「ごみ非常事態宣言」を発令しました(豊田市)

https://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/gomi/gomi/1053979.html

 

●西知多医療厚生組合ごみ処理施設整備基本計画

http://www.nishichita-aichi.or.jp/gomishori/naiyou/kihonkeikaku/sozai/01_kihonkeikaku_honpen.pdf

 

●「レジ袋=行き場の明確な“指定ごみ袋”」に(ニュースリリース)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001777.000002296.html

 

●プラスチック分別回収 住民協力が鍵 日常的に危険物混入

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/744392