★日帰りの遠足を修学旅行とするのか? 令和2年度(2020年度)小中学校の林間学校及び修学旅行について★

 

令和2年(2020年)12月議会(第6回定例会)一般質問

 

知多市議会議員 川脇裕之

 

「令和2年度の市内小中学校の林間学校及び修学旅行について」

 

(1) 小学校の林間学校の実施について

(2) 小学校の修学旅行の実施について

(3) 中学校の林間学校の実施について

(4) 中学校の修学旅行の実施について

 

◆質問

 

皆様、こんにちは。 先の通告に基づきまして、令和2年度の市内小中学校の林間学校及び修学旅行について質問いたします。 

 

初めに、新型コロナウイルス感染症の対応に尽力されている全ての皆様に心から敬意を表するとともに、深く感謝申し上げます。感染警戒の状況が続きますが、引き続き健康に御留意いただき、医療・福祉分野をはじめ、各分野で連携して取組に当たっていただきたくお願いいたします。 

 

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で、全世代の人々が打撃を受けておりますが、学校に通う子どもたちも甚大な影響を受けております。2020年2月28日の文部科学省通知、「新型コロナウイルス感染症対策のための小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休業について」から始まった休校は5月末まで続きました。学年、学校の締めくくりと新たな学年、学校のスタートに当たる時期の3か月もの休校は、子どもたちに計り知れない影響を与えています。

 

休校期間中も学校現場では文部科学省や県や市からの通知への対応、保護者への連絡、課題の作成、学年末の引継ぎ、新入生の受入れや特別支援学級への児童生徒の受入れなど、予測困難な中で様々な対応に追われました。そして、学校再開後も休校で失われた授業時間の確保のための夏休み短縮や学校行事の縮小など、新型コロナウイルス感染症対策を取りながらの学校運営が続いています。 このコロナ禍で全国的に判断が分かれたのが学校行事である林間学校と修学旅行です。学習指導要領において、旅行・集団宿泊的行事は特別活動の学校行事の1つとして、全校または学年を単位として学校生活に秩序と変化を与え、学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこととされています。

 

本市は令和2年3月26日の報道発表資料、「小中学校の修学旅行及び小学校の林間学校を延期します」で、次のとおり方針を示しました。小学校の林間学校は、行き先を愛知県旭高原少年自然の家(豊田市)から、美浜少年自然の家(美浜町)に変更、時期は6月下旬から7月上旬を8月下旬から10月下旬に変更。小学校の修学旅行は、行き先は京都府、奈良県で変更なし。時期は5月上旬から6月下旬を9月上旬から10月下旬に変更。中学校の林間学校は、行き先、時期を含め、内容を検討中。中学校の修学旅行は、行き先は東京方面で変更なし。時期は5月下旬から6月上旬を8月下旬から9月下旬に変更。 

 

林間学校や修学旅行は子どもたちにとって貴重な経験であり、かけがえのない思い出となる大切な行事であると考えます。複数の保護者の方から、小学校も中学校も一生に一度の機会だから行かせてやりたいという意見を耳にしておりましたので、延期を含めて検討する見解が示されたことに胸をなで下ろす思いでした。 

 

しかし、この後、詳細を伺いますが、小中学校の林間学校は中止となり、中学校の修学旅行は、市内中学校ごとに訪問地や宿泊日数が異なる結果となりました。本市では、令和2年3月26日に、「小中学校の修学旅行及び小学校の林間学校を延期します」と報道発表して以降、林間学校と修学旅行について、報道発表や広報ちた、市ホームページでの情報発信がないと認識しております。 

 

他の自治体を調べると、近隣の半田市は、令和2年4月に、市内中学校の修学旅行を公立高校全日制の学力検査終了後から合格発表までの期間のうち3日間を予定すると延期の報道発表をしています。また、10月には、新型コロナウイルス感染症の影響で修学旅行を中止する場合や、感染により参加できなくなった児童生徒のキャンセル料を全て公費で負担すると報道発表し、同時にキャンセル料の負担を気にせず判断することで、全ての子どもたちが修学旅行に行けることを願っていますとの市長メッセージを出して、小中学校の修学旅行実施前に公費負担を行う方針を示しました。 

 

神奈川県川崎市では、令和2年5月に、市立小学校における修学旅行等の中止と、市立中学校の修学旅行については秋季への延期について検討中、実施の可否については、7月中をめどに決定すると報道発表。その後、2年7月に、8月下旬から10月上旬までの日程で延期実施するとの報道発表がありました。修学旅行実施についての留意事項も示して、教育委員会事務局及び校長会において協議・検討を行った結果を報告しております。 

 

また、市立学校の修学旅行中止を決定した千葉県船橋市では、令和2年7月に、修学旅行中止を市ホームページほかで情報発信し、10月に修学旅行の中止に伴う代替行事を実施することを示しました。併せて、船橋市教育委員会が、コロナ禍における修学旅行の実施に向け、校長会、感染症の専門家、保健所等と相談・協議を重ね、検討を続けてきた結果を報告しております。 

 

紹介した自治体の取組は一例ですが、多くの自治体では、慎重な協議と丁寧な情報発信に努めています。一方、本市では、協議や検討の内容どころか、その結果も市や教育委員会から公表されておりません。 新型コロナウイルス感染症の影響により、学校現場が苦慮していることは、令和2年4月10日の令和2年第4回知多市教育委員会定例会の議事録で、「修学旅行や林間学校が2学期に動いてきているので日程的に非常に厳しい」、「1学期に予定していた修学旅行、林間学校は2学期に延期」と臨時校長会議での発言が報告されていることからも明らかですが、市や教育委員会が、林間学校や修学旅行の実施に向けて、各学校を支援した形跡が見えません。 

 

本市の情報公開や記録体制については、これまで何度も一般質問で問うて、改善を促しておりますが、児童生徒の一生に一度のイベントである林間学校と修学旅行が、どのような過程を経て中止や縮小に至ったのかを検証するとともに、改善できることを整理して取り組んでいただきたく、令和2年度の市内小中学校の林間学校及び修学旅行について質問いたします。

 

1点目、小学校の林間学校の実施について

2点目、小学校の修学旅行の実施について

3点目、中学校の林間学校の実施について

4点目、中学校の修学旅行の実施について

 

以上をお伺いし、壇上からの質問といたします。答弁、よろしくお願いいたします。

 

 

◆答弁

 

◎市長(宮島壽男)  

9番 川脇裕之議員の御質問にお答えします。 御質問の1番目、令和2年度の市内小中学校の林間学校及び修学旅行についてでございますが、今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、市内小中学校は5月末まで臨時休業をし、各学校では夏休みも短縮し、授業時間の確保や学校行事の方法を工夫するなどして学校運営に取り組んでいます。 こうした中、小中学校の林間学校については中止となりましたが、各学校の事情も異なる中で、中学校では修学旅行を実施し、小学校については3学期に修学旅行を予定していると聞いております。 現在、新型コロナウイルス感染症が拡大し、予断を許さない状況ですが、情報を的確に把握し、市教育委員会と情報を共有しつつ、国や県の方針を踏まえ、児童生徒の健康と安全を第一に、必要な対策を進めてまいります。 御質問の1点目から4点目までにつきましては、教育長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の1番目、令和2年度の市内小中学校の林間学校及び修学旅行についての1点目、小学校の林間学校の実施についてでございますが、小学校では、本来であれば夏に林間学校を実施していますが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、市内全ての小学校において林間学校の実施を中止しております。こうした中、感染防止対策を実施した上で、代替となる行事を行うなど、各学校で創意工夫し、児童が楽しく充実した学校生活が行えるよう努めています。 新田小学校は11月4日に、旭北小学校は5日に、日帰りの校外自然学習行事を学校近郊で行い、佐布里小学校は25日に飯ごう炊さんを校庭で行いました。その他の小学校については、3学期に代替行事が行えないか検討をしております。 次に、2点目、小学校の修学旅行の実施についてでございますが、小学校では、本来であれば1学期、あるいは2学期に修学旅行を実施していますが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、当初の計画は延期し、見学地や見学方法の変更など、十分に感染防止対策をした上で、3学期に修学旅行の実施を計画しています。 訪問地に関しては、新田小と旭北小は奈良、他の8小学校は京都と奈良を予定しています。また、南粕谷小と旭東小は2月15日、旭南小とつつじが丘小は16日、新知小と新田小は17日、佐布里小は19日、八幡小と旭北小は28日、岡田小は3月1日から1泊の日程で計画を立てています。 今後、児童や職員、訪問地の感染者の状況等により、中止となる可能性もありますが、学校内での感染者の発生を防ぐため、児童、保護者への注意喚起のほか、マスクの着用の徹底や換気、消毒などを行い、修学旅行が実施できるよう、可能な限りの対策を行っています。 次に、3点目、中学校の林間学校の実施についてでございますが、中学校では、6月に林間学校を実施する予定でありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、小学校と同様に、市内全ての中学校において林間学校の実施を中止しています。 中学校においても、感染防止対策を実施した上で代替となる行事を行うなど、各学校で創意工夫し、生徒が楽しく充実した学校生活が行えるよう努めています。 中部中学校は、10月6日に日帰りで校外自然学習行事を美浜町で行い、旭南中学校は、3学期に日帰りの校外自然学習行事を行う予定です。その他の中学校は、3学期に代替行事が行えないか検討をしております。 次に、4点目、中学校の修学旅行の実施についてでございますが、中学校では1学期に修学旅行を実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、当初の計画時期から延期をし、訪問先を変更し、移動については、新幹線を利用せず、バスでの移動としました。班別分散研修を取りやめ、集団での見学を行うなど、十分に感染防止対策をした上で修学旅行を実施しました。中部中学校は9月30日から2泊で大阪、神戸へ、旭南中学校は10月15日から1泊で伊勢、志摩へ、知多中学校は16日から1泊で伊豆へ、八幡中学校は20日に日帰りで郡上八幡へ、東部中学校は28日から2泊で河口湖へ出かけることができました。各中学校、生徒、保護者、訪問先、旅行会社など、関係する皆様の御協力により、修学旅行がつつがなく実施できたことに感謝しておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆再質問

【再質問①】

答弁ありがとうございます。ただ今お答えいただいた内容について、再質問をいたします。 最初に、全体に関しての再質問です。 今年度の学校行事については、令和2年10月2日の文部科学省事務連絡、「修学旅行等の実施に向けた最大限の配慮について」のほか、これまでに多くの通知や事務連絡が国から実施されておりますが、再質問の1件目、市から各学校への情報伝達と情報共有について伺います。

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の件につきましては、市教育委員会には、国や県教育委員会、知多教育事務所等から届く通知等があります。これらにつきましては、内容を確認した上で、学校へ速やかに送付するとともに、情報の共有を図っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問②】

同じく、全体に関しての再質問です。 さきに申し上げた文部科学省事務連絡のほかに、様々な通知や情報共有があるかと存じますが、再質問の2件目、今年度の市内小中学校の修学旅行の方針等について、愛知県教育委員会や本市教育委員会から、各学校に個別に実施した通知等があるのか伺います。

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の件につきましては、国からの「修学旅行等の実施に向けた最大限の配慮について」の事務連絡については、各学校と情報を共有し、修学旅行等の実施に配慮しています。 市教育委員会からは、感染拡大の状況を考慮した目的地の配慮、感染防止対策を十分に行うこと、保護者への事前説明を行うことなどについて助言をしておりますので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問③】

引き続き全体に関しての再質問です。 本市は、令和2年3月26日に、「小中学校の修学旅行及び小学校の林間学校を延期します」と報道発表した以降、林間学校と修学旅行について、報道発表や広報ちた、市ホームページでの情報発信がないと認識しております。 そこで、再質問の3件目、令和2年3月26日の知多市報道発表以降、市内小中学校の林間学校と修学旅行について、報道発表や広報ちた、市ホームページ等、周知を実施したのか伺います。

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の件につきましては、3月26日以降は報道発表等での周知は行っていませんが、各学校において、該当学年の保護者宛ての通知をしておりますので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問④】

林間学校の中止や修学旅行の変更について、報道発表や広報ちた、市ホームページ等での周知はないとのことですが、事態が変わったタイミングや、何かが決定したタイミングで周知を実施するのが報道発表や情報発信の役割ではないでしょうか。 そこで、再質問の4件目、修学旅行計画が最終決定した時期及び林間学校の中止や修学旅行の変更の決定後に情報発信をしなかった理由について伺います。

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の件につきましては、中学校が修学旅行を決定した時期は、中部中学校、9月7日、旭南中学校、24日、八幡中学校、10月1日、知多中学校、9日、東部中学校、16日です。 情報発信については、教育委員会としましては、校長会議を通じて、様々なことについて指導や助言を行っています。修学旅行はもち論ですが、学校行事については、各学校で周知することであり、学校の実情に応じて、保護者、生徒へ周知することが妥当との考えによるものですので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問⑤】

次に、2点目の小学校の修学旅行についての再質問です。 令和2年10月2日の文部科学省事務連絡、「修学旅行等の実施に向けた最大限の配慮について」では、「修学旅行等は特例として、令和3年3月までに実施する旅行もGoToトラベル事業の対象となり得ます」とされております。 そこで、再質問の5件目、令和3年2月の小学校の修学旅行について、GoToトラベル事業の割引及び地域共通クーポン対象として各学校から手続いただいているか伺います。

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の件につきましては、既に修学旅行を実施した中学校においては、当然のことですが、取扱旅行業者を通じ、GoToトラベル事業の割引及び地域共通クーポンを活用した修学旅行を実施しております。 また、これから実施予定の各小学校におきましても、これまた当然のことですが、取扱旅行業者を通じ、GoToトラベル事業の割引等の活用を予定していますので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問⑥】

同じく2点目の小学校の修学旅行についての再質問です。 令和3年2月の小学校の修学旅行について、状況等により中止となる可能性もあるとのことですが、修学旅行のキャンセル料を公費負担するとした自治体が全国に多数あり、近隣では半田市が、修学旅行が中止になった場合に旅行業者へ支払うキャンセル料と、児童生徒が感染したり、濃厚接触者に特定されるなどして参加できなくなった場合を公費負担の対象としています。 本市では、本12月定例会の一般会計補正で、修学旅行キャンセル料補助金が計上されておりますが、再質問の6件目、新型コロナウイルス感染拡大等の影響で修学旅行を中止する場合や、感染により参加できなくなった児童生徒のキャンセル料を公費で負担する考えについて伺います。  

 

◎教育部長(加藤由裕)  

御質問の件につきましては、新型コロナウイルス感染症に伴い、市内小中学校が実施する修学旅行を中止または変更した場合や、児童生徒が感染または濃厚接触者となり、修学旅行に参加できなくなった場合に発生する費用のうち、旅行会社から請求される企画料相当額を今年度は市が負担することで、保護者の経済的な負担軽減を図ることとしておりますので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問⑦】

次に、4点目の中学校の修学旅行についての再質問です。 本市では、例年、中学校の修学旅行は東京及び関東近郊に2泊3日で実施しております。今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、各中学校ごとに訪問地や宿泊日数が異なっておりますが、再質問の7件目、令和2年度の中学校修学旅行の訪問地や宿泊日数がどのように決定されたのか伺います。

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の件につきましては、各中学校において、自校の生徒数、学級数などの学校規模、その他の行事の日程、感染症対策への対応等を総合的に鑑み、生徒、保護者への説明を経て、より多くの生徒が参加できるよう、各校長の判断の下で実施しておりますので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問⑧】

同じく4点目の中学校の修学旅行についての再質問です。先に申し上げた令和2年10月2日文部科学省事務連絡、「修学旅行等の実施に向けた最大限の配慮について」では、「修学旅行等の実施を取りやめる場合も、中止ではなく延期扱いとしたり、既に取りやめた場合においても、改めて実施することを検討したりするなどの配慮をお願いします」、「延期扱いとする場合においては、年度末の3月末日までの実施を検討するよう最大限の配慮をお願いします」等が記載されております。 答弁では、中学校の修学旅行は、各学校長の判断の下で実施しておりますのとのことですが、再質問の8件目、各学校ごとに訪問地や宿泊日数が異なる見通しであることを情報共有したり、議論する機会を設けたのか。また、2泊3日の修学旅行の実施に向けて、市や教育委員会が学校に支援をしたのか伺います。

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の件につきましては、市校長会議のほか、5人の中学校長で会議を持ったり、必要に応じて各校長が連絡を取り合ったりして、情報の共有や議論を重ねた後、各学校ごとに取組を決定しています。 教育委員会からは、感染防止対策への対応や、各校の実情等を考え実施するよう、また、5中学校で十分情報交換をするよう助言しておりますので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問⑨】

引き続き、4点目の中学校の修学旅行についての再質問です。 昭和43年10月2日の「小学校、中学校、高等学校等の遠足・修学旅行について(通達)」では、遠足、修学旅行の明確な区別はありませんが、広辞苑によると、遠足は、学校で見学・運動などを目的として行う日帰りの校外指導、修学旅行は、学校行事の一つ、児童生徒らに日常経験しない自然、文化などを見聞、学習させるために、教職員が引率して行う宿泊旅行と記載されております。このように、学校での日帰り旅行を遠足、宿泊旅行を修学旅行と捉えるのが一般的な認識であると考えます。 そこで、再質問の9件目、本年度、八幡中学校が実施した日帰り行事は、修学旅行の中止に伴う代替行事としての遠足ということになりますでしょうか。位置付けについて伺います。

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の件につきましては、学習指導要領において、修学旅行は特別活動の中の学校行事に位置付けられています。特別活動の目標は、集団や社会の形成者としての見方、考え方を働かせ、様々な集団活動に自主的、実践的に取り組み、互いのよさや可能性を発揮しながら、集団や自己の生活上の課題を解決することを通して、必要な資質、能力を育成することにあります。 修学旅行は、学校行事の旅行・集団宿泊的行事に位置付けられ、その狙いとしては、校外の豊かな自然や文化に触れる体験を通して、学校における学習活動を充実発展させることや、校外における集団活動を通して、教師と生徒、生徒相互の人間的なふれあいを深め、楽しい思い出をつくることができることにあります。また、集団生活を通して、基本的な生活習慣や公衆道徳などについての体験を積み、集団生活の在り方について考え、実践し、互いを思いやり、共に協力し合ったりするなどのよりよい人間関係を形成しようとする態度を育てることも狙いとしています。 このことから、宿泊を伴わなくとも、修学旅行としての目標や狙いは達成されており、今回の八幡中学校の学校行事は、修学旅行としての位置付けであると認識しておりますので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問⑩】

引き続き、4点目の中学校の修学旅行についての再質問です。 修学旅行の実施判断が各学校ごとの判断であり、各学校長の意思決定に委ねるというのが基本であることは承知しており、修学旅行の日程短縮や宿泊中止は、新型コロナウイルス感染症という厄介な病気の流行の動向を考慮した苦渋の決断であったと考えます。 しかし、市内5中学校で、2泊3日の修学旅行を実施できた学校と、日帰り行事に縮小した学校との間で大きな差が生じたのは事実です。そして、各中学校の修学旅行の訪問先や宿泊日数の違いは、各保護者に情報として事前共有されることなく、他校の計画が知らされない状況の中でのアンケートや説明により決まったとの話を市民の方から伺いました。

隣の中学校は2泊3日の修学旅行を実施しているにもかかわらず、自分の子どもの学校は日帰りイベントとなり、子どもがとてもショックを受けているとの声も聞きました。 本市は、日帰り学校行事を修学旅行として位置付けるとの答弁ですが、幾つかの自治体では、当初計画の修学旅行は中止と位置付け、代替行事として遠足や宿泊研修を実施しております。 そこで、再質問の10件目、宿泊を伴う修学旅行が実施できなかった学校に対して、宿泊行事の実施に向け、市が学校と相談や調整を実施する考えはないのか伺います。

 

◎教育長(永井清司)  御質問の件につきましては、修学旅行は教育課程全体の中で各学校が行うものであり、自主的な判断を尊重する考えです。 全中学校で修学旅行は実施されておりますので、宿泊を伴う修学旅行が実施できなかった学校に対して、宿泊行事の実施に向けて学校と相談、調整を実施する考えはありませんので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問⑪】

学習指導要領では、学校行事は、全校または学年を単位として実践できるよう指導することが求められており、昭和43年10月2日の「小学校、中学校、高等学校等の遠足・修学旅行について(通達)」では、原則として、全ての児童生徒が参加できるように計画することとされております。年度の残りが4か月を切った状況では、多忙な学校職員の方に計画や調整等をお願いするのは難しいかもしれません。しかし、市内の一部の中学校が、宿泊を伴う修学旅行を実施できなかったことが事実としてあります。 卒業までの短期間に、学校で宿泊行事を計画することが困難であるならば、宿泊を伴う修学旅行を実施できなかった学校の生徒に対して、代替行事を提供できないかということが問題提起になります。 この課題解決に向けて、市が保護者と生徒に提案できることがあると考え、解決策の1つとして、自治体が企画する小中学生向け旅行ツアーを提言します。 

平成29年7月28日の観光庁、「自治体が関与するツアー実施に係る旅行業法上の取扱いについて(通知)」では、自治体が実質的にツアーの企画、運営に関与し、かつ営利性、事業性がないものであれば、旅行業法の適用がないと認めております。 実際に自治体が関与するツアーで認められる例として、市内の小中学生を対象としたキャンプや旅行ツアーを示しており、市が主催する旅行ツアーは企画可能です。実際に、サマーキャンプやスキー教室を企画、運営している自治体も多数ございます。 

愛知県公立高等学校入学者選抜は、令和3年3月11日に全日程が終了して、合格者発表期日は3年3月18日です。3月12日から3月17日であれば、学校行事や受験に影響を及ぼさずに生徒が参加することができる旅行ツアーを開催することが可能であると考えます。希望者のみの参加とすれば、感染症のリスクを考慮して参加しないという選択を保護者と児童生徒の意思決定で行うこともできます。 そこで、再質問の11件目、宿泊を伴う修学旅行を実施できなかった学校の生徒を対象として、市が旅行ツアーを企画、運営する考えについて伺います。

 

 

◎教育長(永井清司)  

御質問の件につきましては、修学旅行は教育課程全体の中で各学校が行うものであり、自主的な判断を尊重する考えです。 全中学校で修学旅行は実施されておりますので、宿泊を伴う修学旅行が実施できなかった生徒への市独自の旅行ツアー等を実施する考えはありませんので、よろしくお願いいたします

 

【再質問⑫】

再質問の12件目、宿泊を伴う修学旅行を実施できなかった学校の生徒を対象に、宿泊行事の実施に向け、市が学校と相談や調整を実施する考えはなく、市が旅行ツアーを企画、運営する考えもないというのは、必要がないとの考えでしょうか。費用が問題との考えでしょうか。リスクの問題でしょうか。理由について伺います。

 

◎教育長(永井清司)  御質問の件につきましては、修学旅行は教育課程全体の中で各学校が行うものであり、教育課程の編成は校長が決めており、その中で、様々な状況を考慮し決めているので、市教育委員会では、学校の自主的な判断を尊重する考えです。 また、学校教育は、意図的、計画的な営みであり、学校行事もその例外ではありません。したがって、情意に流された思いつきであってはならないとも考えております。 このことから、全中学校で修学旅行は実施されておりますので、修学旅行に代わる行事などを実施する必要は全くないと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

それぞれの答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ要望を申し上げます。

 

◆要望

 

まず申し上げたいのは、旅行先や日帰り等の宿泊日数の縮小等、予定どおりの修学旅行を実施できなかったことについて、少なからぬ児童生徒と保護者は、失望、落胆していることに目を向けて、声を聞いていただきたいということです。同じ市内で、各中学校の修学旅行の訪問地と宿泊日数に大きな差が生じたことについて、適切な説明がないこと等に対する児童生徒と保護者の不信感や不公平感は切実です。 

 

令和2年3月26日に、「小中学校の修学旅行及び小学校の林間学校を延期します」と報道発表した事実があるにも関わらず、学校行事については、各学校で周知することと矛盾した答弁を実施し、林間学校は行き先変更、修学旅行は行き先変更なしという報道発表とは大きく異なる実施内容となることを発表しなかったこと、そして、市が学校を支援せず、責任と負担を学校に押しつけたことの不作為に抗議します。 知多市民の声だけではなく、報道を注意深く追っていれば、本市の修学旅行の対応に問題がないとの結論にはならないと考えます。 

 

兵庫県相生市の中学校では、全ての市立中学校が日帰り旅行となる中、中学校ごとに行き先が異なる旅行になったことを疑問に感じた生徒会が、旅行に参加した3年生にアンケートを実施し、9割以上の生徒が、「自身の中学校が県内旅行、隣の中学校が県外の旅行となったことを疑問に思うか」と「対応が違うことの理由を納得のいくように説明してほしいか」との設問に、イエスと回答する結果になったそうです。 修学旅行に対する学校や行政への問題提起は枚挙にいとまがありません。

 

本市の修学旅行の市内格差に問題がないと考えてしまう方々には、何を言っても届かないのではないかと砂漠に水をまくような気持ちになりますが、GoToトラベルキャンペーンで観光地がにぎわう中、自らの意思に反して、修学旅行が短縮されてしまった生徒の無念と、日帰り修学旅行を前例として残してしまったことを懸念し、問題意識を持つ職員の方がいらっしゃると期待して申し上げます。 

 

本市の各学校のウェブサイトの修学旅行報告や実施に至る過程を見ると、学校教職員の方々が多大な労力をかけ、修学旅行や行事を無事に遂行するべく尽力されただろうことが伝わってきます。新型コロナウイルス感染症に対する保護者や生徒の不安に配慮して、修学旅行日程の短縮を決断した学校長の苦悩も理解できます。今回の修学旅行に限らず、学校の問題は、社会が学校と学校長に責任と負担を過大に求めることにあると考えます。生徒や学校が糾弾される事例が多発する昨今の情勢を鑑みれば、責任者がゼロリスクを求めるほうに傾いてしまいがちです。責任の集中を避けるために、また合理的な判断を実施するために、行政組織と合議による決裁があるのではないでしょうか。

 

新型コロナウイルス感染の状況が刻一刻と変わり、文部科学省の方針が突然更新される中、市や教育委員会は、学校と連携してその負担を少しでも和らげると同時に、知恵を出し合うべきであったと考えます。行政組織は、仕事や成果が報酬や昇進に結びつかなかったり、リスクは取るだけ損という、モチベーションとインセンティブが適切に機能しづらい構造的な問題はありますが、協力し合うことはできるはずです。 福島県いわき市では、日帰りの修学旅行と宿泊の修学旅行を生徒が選択できるようにした中学校があるなど、生徒一人ひとりの思いを尊重した事例もあります。

 

批判、検証するだけでは建設的ではありませんので、最後に具体的な要望、提案を2点申し上げます。 

 

第1に、林間学校及び宿泊を伴う修学旅行が実施できなかった市内小中学生を対象とした自治体旅行ツアーの開催、もしくは民間旅行会社へ旅行ツアーを依頼することを求めます。 旅行会社や宿泊施設には、感染症対策のノウハウが蓄積されてきておりますし、特に旅行会社は、現在、リソースに余裕があります。市が補助金を出す、出さないは関係なく、旅行会社に旅行ツアーの提案依頼をすれば、各社が魅力的な提案を実施してくれるはずです。入札のプロポーザル方式は、このような場面や機会に活用するための手段ではないでしょうか。 少しのリスクも取りたくない、リソースも割けないということであれば、民間旅行会社に市内小中学生向けの旅行ツアーを募集しないかと声をかけてください。民間旅行会社が主催する募集型企画旅行であれば、責任を負うリスクもありません。旅行会社が最少催行人員や保護者同伴を可とする条件を設定した旅行計画を提供することで、感染リスク等を考慮した上で、希望者のみが参加する小中学生向けの旅行ツアーの開催は可能であると考えます。市の名前だけでも結構ですので、旅行会社の協賛や後援になってください。広報ちたのお知らせコーナーに掲載するだけでも協力になります。 

 

第2に、小学校の修学旅行について、新型コロナウイルス感染症の影響で中止をする場合や、感染症等により参加できなくなった方へのキャンセル料の公費負担を求めます。 旅行中止や感染、濃厚接触で旅行不参加となった場合、児童生徒と保護者の悲しみや苦しみは甚大であり、1人1泊千数百円程度の本市の企画料相当額補助だけでは不十分です。 事例で紹介した半田市だけが特別にキャンセル料の負担をしているのではなく、多くの自治体で企画料相当額以上の補助をする計画です。横浜市では、児童生徒の感染が判明した際に、緊急対応する看護師らの修学旅行同行費用や、保護者らの判断で参加を取りやめた場合でもキャンセル料を市が負担します。そもそも令和3年2月と3月に催行予定の本市の小学校修学旅行は、GoToトラベル対象となりますので、政府が発着を制限して旅行が中止となった場合には、キャンセル料は国費負担となり、発生しない見込みです。国内旅行ツアーは、出発21日前までキャンセル料無料であることが一般的なため、学校判断による中止は見通しを立てることが可能であり、柔軟な対応ができます。 

 

フォローすべきは、参加者である児童生徒と保護者です。直前のキャンセルの負担が大きければ、児童生徒や保護者の判断に影響する可能性があります。学習の機会を提供する学校側と、感染リスクを懸念する家庭側の双方に配慮して、時間をかけて冷静に判断することが重要です。補正予算に追加計上することを求めます。 以上、要望を申し上げ、令和2年度の市内小中学校の林間学校及び修学旅行についての一般質問を終わります。ありがとうございました。

 

◆参考文献

https://www.mext.go.jp/content/202002228-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf

https://www.mext.go.jp/content/1413522_002.pdf

https://www.city.chita.lg.jp/docs/2020030600047/files/20200326-1.pdf

https://www.city.handa.lg.jp/kikaku/shise/koho/hodo/happyo/r1/documents/20200408_gakoukyouiku.pdf

https://www.city.handa.lg.jp/kikaku/shise/koho/hodo/happyo/r2/documents/20201012_gakoukyouiku.pdf

https://www.city.handa.lg.jp/kikaku/shise/koho/hodo/happyo/r2/documents/20201012_gakoukyouiku-bei.pdf

https://www.city.kawasaki.jp/templates/press/cmsfiles/contents/0000117/117588/020513houdou.pdf

https://www.city.kawasaki.jp/templates/press/cmsfiles/contents/0000119/119204/020709tyugakuhodo.pdf

https://www.city.funabashi.lg.jp/kodomo/gakkou/001/p084925.html

https://www.city.chita.lg.jp/docs/2014020702057/files/020410_kaigiroku.pdf

https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/166754.pdf

https://www.city.chita.lg.jp/docs/2020030600047/files/20200326-1.pdf

https://www.mext.go.jp/content/20201002-mxt_kouhou01-000004520_2.pdf

https://www.mlit.go.jp/common/000117060.pdf

https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics06_000107.html