★知多市の指定管理者制度導入施設における維持管理及び燃料価格高騰等への支援について★

 

令和5年(2023年)3月議会(第1回定例会)一般質問

 

知多市議会議員 川脇裕之

 

「指定管理者制度導入施設における維持管理及び燃料価格高騰等への支援について」

 

(1) 各コミュニティセンター、大興寺まちづくりセンター、佐布里ダム記念館及び旭桃記念館の状況について

①指定管理料の令和3年度の決算額、4年度の支出見込額及び5年度の予算要求額について

②令和3年度及び4年度上半期の光熱費並びに4年度交付の燃料価格高騰指定管理者支援金の額について

 

(2) 協定書における費用負担の考え方について

①施設の維持管理に必要な経費について

②収支悪化時の市からの支援について

 



 

 

※公式議事録は議会終了約2カ月後掲載のため、以下、粗稿掲載。

 

◆質問

 

皆様、こんにちは。先の通告に基づきまして「指定管理者制度導入施設における維持管理及び燃料価格高騰等への支援について」質問いたします。

 

2020年1月30日、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言して以来、幾多の感染拡大期を経て、2022年9月には、国連事務総長から「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック収束に向けて心強い進展があったと指摘」がありました。

 

●COVID-19 関連 “任務の完了”のために機運を高め、パンデミックに収束をとグテーレス事務総長が呼びかけ(UN News 記事・日本語訳)

https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/45269/

 

長く続いたコロナ禍も収束の兆しが見え、日本でも直近一ヶ月の全国の新規感染確認者数が一日1万人を下回る日があるなど、小康状態が続いています。こうしたことから、2月10日に厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策本部が、3月13日以降のマスク着用の考え方について「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねる」と発表するなど、新型コロナウィルス感染症流行前の生活を取り戻す取り組みが少しずつ進んでおります。

 

本市でも「新型コロナウイルス感染症対策」として、市公共施設での感染防止対策を継続的に実施しておりますが、利用制限については、段階的な緩和を経て、2月20日から制限のほとんどが撤廃されています。

 

新型コロナウイルス感染症の対応に当たられてきた医療関係者や、保健センターの職員の皆様をはじめ、御尽力いただいている全ての皆様に心から敬意を表するととともに、深く感謝申し上げます。今後も基本的感染防止対策にご留意いただきながら、行政運営を丁寧に進めていただきたく存じます。

 

新型コロナウィルス感染症は、市民生活と社会経済活動のあらゆる面で深刻な影響を及ぼしましたが、公共施設の維持管理と利用についても例外ではありません。

市は多数の公共施設を有しておりますが、市公式ホームページで「教育文化施設」に分類されているものは18あります。

 

●市公共施設一覧

https://www.city.chita.lg.jp/docs/2014021700052/

●指定管理者制度導入施設一覧https://www.city.chita.lg.jp/docs/2014033100055/files/220401_siteikanri.pdf

 

この教育文化施設には、歴史民俗博物館やふれあいプラザ等、市直営で管理運営しているものと、指定管理者を導入しているものとがあります。本日は、指定管理者を導入している教育文化施設の内、各地域のコミュニティもしくは運営委員会が指定管理者となっているものに関し、その維持管理及び燃料価格高騰等への支援について伺います。

 

(1) 点目は、各コミュニティセンター、大興寺まちづくりセンター、佐布里ダム記念館及び旭桃記念館の状況についてです。

 

市直営の管理ではなく、指定管理者を導入している施設では、施設の維持管理及び運営を当該指定管理者に担っていただいております。2020年から続いた新型コロナウィルス感染症拡大に伴う施設の利用制限による収入の減少だけではなく、光熱費の高騰も施設の収支に悪影響を及ぼしております。

 

皆様も生活上の実感として重々お感じになっていることかと存じますが、近年、エネルギー価格は高騰が続いており、家庭・小規模事業者で一般的に契約されている従量電灯(低圧)の中部地方における平均販売単価は

2017年1月には18.81円/kWh

でしたが、

2022年1月に22.38円/kWh

2022年10月に30.50/kWh

となり、2017年初から2022年末の約6年で1.6倍超に高騰しております。

 

●新電力ネット(https://pps-net.org/unit)

 

2022年度は補正予算にて「燃料価格高騰指定管理者支援金」が計上され、教育文化施設だけでなく、市内の多くの公共施設の指定管理者に支援が実施されていますが、コロナ禍が及ぼした影響と現状を確認いたしたく、

(1) 点目の①つ目、指定管理料の令和3年度の決算額、4年度の支出見込額及び5年度の予算要求額について

②つ目、令和3年度及び4年度上半期の光熱費並びに4年度交付の燃料価格高騰指定管理者支援金の額について 伺います。

 

次に(2) 点目は,協定書における費用負担の考え方についてです。

指定管理者制度は、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設である公の施設について、民間事業者等が有するノウハウを活用することにより、住民サービスの質の向上を図っていくことで、施設の設置の目的を効果的に達成するためのものです。2003年9月に施行された地方自治法の一部改正により創設された制度です。

 

本市でも

知多市公の施設に係る指定管理者の指定手続等に関する条例」及び

https://www.city.chita.lg.jp/reiki_int/reiki_honbun/e400RG00000508.html

「知多市長の所管する公の施設に係る指定管理者の指定手続等に関する規則」

https://www.city.chita.lg.jp/reiki_int/reiki_honbun/e400RG00000509.html

などに沿って指定管理者の指定及び指定手続を実施しております。同規則では、「指定管理者の指定を受けた団体は、市長と公の施設の管理に関する協定を締結するものとする。」と規定され、「本市が支払うべき管理費用に関する事項」はこの協定において定めることとされております。具体的には、指定管理者ごとに協定書を締結して指定管理料を定めています。

 

そこで、協定書における費用負担の考え方を確認いたしたく、

(2) 点目の①つ目、施設の維持管理に必要な経費について

②つ目、収支悪化時の市からの支援について 伺います。

 

以上、壇上からの質問といたします。答弁、よろしくお願いいたします。

 

◎市長

答弁。

 

◎企画部長

答弁。

 

 

「指定管理者制度導入施設における維持管理及び燃料価格高騰等への支援について」の、

1点目、「各コミュニティセンター、大興寺まちづくりセンター、佐布里ダム記念館及び旭桃記念館の状況について」の

1つ目、「指定管理料の令和3年度の決算額、4年度の支出見込額及び5年度の予算要求額について」でございますが、

 

つつじが丘コミュニティセンターは、

3年度決算額、368万6千円、

4年度支出見込額、377万7千円、

5年度予算要求額、429万6千円

 

八幡コミュニティセンターは、

3年度決算額、867万9千円、

4年度支出見込額、858万9千円、

5年度予算要求額、936万9千円、

 

大興寺まちづくりセンターは、

3年度決算額、

4年度支出見込額、

5年度予算要求額、ともに、45万円、

 

佐布里ダム記念館は、

3年度決算額、379万9千円、

4年度支出見込額、388万4千円、

5年度予算要求額、415万4千円、

 

旭桃記念館は、

3年度決算額、394万7千円、

4年度支出見込額、405万6千円、

5年度予算要求額、427万4千円です。

 

次に、2つ目、「令和3年度及び4年度上半期の光熱費並びに4年度交付の燃料価格高騰指定管理者支援金の額について」ですが、

 

昨今の燃料価格高騰の影響を受け、電気料金、ガス料金が上昇していることから、本年度、指定管理施設において、これらの光熱費を前年度と比較し、増加相当分を燃料価格高騰指定管理者支援金として指定管理料とは別に交付しています。

 

各施設の光熱費等についてですが、

 

つつじが丘コミュニティセンターは、

3年度の光熱費、147万8,133円、

4年度上半期の光熱費、88万8,242円、

燃料価格高騰指定管理者支援金、47万2千円、

 

八幡コミュニティセンターは、

3年度の光熱費、148万3,570円、

4年度上半期の光熱費、91万7,847円、

同支援金、33万4千円、

 

大興寺まちづくりセンターは、

3年度の光熱費、56万5,115円です。

4年度上半期の光熱費、22万5,781円

同支援金、10万2千円、

 

佐布里ダム記念館は、

3年度の光熱費、76万1,019円、

4年度上半期の光熱費、53万3,234円、

同支援金、11万9千円、

 

旭桃記念館は、

3年度の光熱費、93万3,078円、

4年度上半期の光熱費、55万1,306円、

同支援金、16万2千円です。

 

次に2点目、「協定書における費用負担の考え方について」の1つ目、「施設の維持管理に必要な経費について」でございますが、

 

これらの施設には利用料金制度を導入しており、指定管理者と締結している基本協定書により、人件費、光熱水費、消耗品費など、施設の管理業務に要する経常的な費用は、市から支払う指定管理料及び施設の利用料金収入をもって充てていただいています。

 

施設の突発的な修繕等の費用については、1件につき3万円未満のものは、指定管理者が負担し、3万円以上のものについては市が負担しています。

 

次に2つ目、「収支悪化時の市からの支援について」でございますが、

指定期間中に賃金・物価の大きな変動や、業務実施条件等の変更があり、当初の指定管理料及び利用料金収入による管理業務が困難になった場合は、指定管理者からの申し出により協議を行い、指定管理料を変更することができます。

 

令和2年度には、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として施設の長期休館や利用制限を実施したことにより、利用料金収入が大きく減少し、支出が収入を上回った施設がありました。

 

こうした施設の指定管理者からの申し出により、協議の上、不足する経費を算定し、指定管理料を追加で支払いましたので、よろしくお願いいたします。

 

 

答弁ありがとうございます。ただ今お答えいただいた内容について再質問いたします。

 

●再質問①

施設の管理業務に要する経常的な費用は、指定管理料及び施設の利用料金収入をもって充てていただくとのことですが、再質問の①点目、各施設の令和3年度の利用件数及び利用料金収入について伺います。

 

◎企画部長

・つつじが丘コミュニティセンターは、

利用件数、4,164件、

利用料金収入、520万6,415円、

・八幡コミュニティセンターは、

利用件数、697件、

利用料金収入、88万930円、

・大興寺まちづくりセンターは、

利用件数、253件、

利用料金収入、11万1,790円、

・佐布里ダム記念館は、

利用件数、481件、

利用料金収入、73万5,265円、

・旭桃記念館は、

利用件数、1,351件、

利用料金収入、161万3,910円です。

 

 

●再質問②

ここまでの答弁で、各施設の指定管理料収入、利用料金収入の状況がわかりました。続いて、施設の管理に係る経費との収支バランスを確認いたしたく、再質問の②点目、令和3年度(2021年度)決算で、支出が収入を上回る状態にあった施設について伺います。

 

◎企画部長

令和3年度決算において、支出が、繰越金や基金などの自主財源を除いた収入の合計を上回った施設は、つつじが丘コミュニティセンター、八幡コミュニティセンター、大興寺まちづくりセンター、旭桃記念館の4館です。

 

 

●再質問③

つつじが丘コミュニティセンター、八幡コミュニティセンター、旭桃記念館、大興寺まちづくりセンターの4館が、令和3年度決算で支出超過の状態であるとのことですが、再質問の③点目、各施設の支出超過金額及び、決算への繰入れに充てている財源について伺います。

 

◎企画部長

各施設の収入に対する支出超過額は、

つつじが丘コミュニティセンターが

160万4千円、

八幡コミュニティセンターが

11万9,240円、

大興寺まちづくりセンターが

1万8,442円、

旭桃記念館が4万1,598円です。

これらの超過額には、指定管理者が自主的に行った備品購入、施設修繕などの費用が含まれています。各施設とも前年度繰越金や指定管理者が自主的に積み立てた基金を財源として充当しています。

 

 

●再質問④

次に、再質問の④点目、エアコンや給湯器など設備が故障した際の、修理の手配、費用の支払いについて伺います。

 

◎企画部長

設備に故障などが発生した場合は、すみやかに状況を確認し、市が対応すべきものは、施設修繕料で対応します。

その予算が不足する場合で、緊急性の高いものについては、予算流用、予備費又は補正予算により対応します。また、緊急性の低いものについては、次年度予算に計上します。

 

 

●再質問⑤

次に、令和5年度予算では、つつじが丘と八幡のコミュニティセンターの指定管理料として計1336万5千円を計上し、令和4年度当初予算における1236万6千円から8%増額するなどの予算措置が図られておりますが、冒頭で述べた通り、近年のエネルギー価格の激変は苛烈なものであり、予断を許さない状況です。そこで、再質問の⑤点目、令和5年度に燃料価格が高騰した際の支援について伺います。

 

◎企画部長

電気、ガスを多く使用する施設には、あらかじめ、令和5年度当初予算の指定管理料に、燃料価格高騰指定管理者支援金の積算方法を参考に算出した金額を上乗せしています。その上で、想定以上の価格高騰により、当初の指定管理料及び利用料金収入による管理業務が困難になった場合には、基本協定書に基づき、指定管理料の変更について協議してまいります。

 

 

●再質問⑥

次に最後の再質問です。本年度は「燃料価格高騰指定管理者支援金」を交付し、来年度も燃料価格高騰に備えた予算を組んでおりますが、答弁いただいた通り、令和3年度の単年度収支においては4施設が支出超過の状態でございます。

 

つつじが丘コミュニティセンターの令和3年度の決算と利用状況を確認すると、

・指定管理料収入は約368万円、

・利用料金収入は4,164件の利用で約520万円、

合計で約888万円の収入です。これに対し、支出は約1050万円であり、収入に比べ約160万円超過している状態です。令和4年度も令和3年度と同等程度の支出超過になる見込みであると伺っております。

併せて、八幡コミュニティセンターの令和3年度の決算と利用状況を確認すると、

・指定管理料収入は約867万円

・利用料金収入は697件の利用で約88万円 です。

 

八幡コミュニティセンターは市から指定管理料が手厚く支払われているため、利用件数と利用料金収入が減少しても赤字にはなりにくい体制であることがわかります。大興寺まちづくりセンター、旭桃記念館、佐布里ダム記念館も八幡コミュニティセンターに近い体制です。その一方で、つつじが丘コミュニティセンターは利用件数、利用料金収入がともに多いので、市からの指定管理料が抑えられております。その結果、収入全体に占める利用料金収入の割合が大きくなっており、その増減が収支バランスに影響しやすい体制であることがわかります。

 

こうした現状に対し、施設ごとの収支の状態に合わせた指定管理料額の設定と、市直営で管理運営している施設との格差是正が必要であり、行政で検討いただきたいと私は考えております。

市直営である中部公民館に係る収支は、あくまで市の予算の一部ですので支出超過という概念自体がありませんが、各地域のコミュニティもしくは運営委員会が指定管理者となっている施設は燃料費高騰や、利用料金収入の減がダイレクトに収支に影響します。主に知多市地域住民の会合などに利用いただく公共施設という役割は同一であり、市直営よりも安価な費用で管理運営が実現でき、地域コミュニティのニーズにも応えることができる現在の運営体制を維持するためにも、支出超過の状態への支援が必要であると考えております。

そこで、再質問の⑥点目、収支の実態に合わせて、指定管理料の増額見直しをする考えについて伺います。

 

◎企画部長

指定管理者が、安定して施設管理できるよう、利用実態や収支状況の把握に努めています。

利用料金収入の減少、物価等の高騰による支出の増加など、運営が困難な状況が継続する場合は、実態に即した指定管理料に見直しを行ってまいります。

 

 

◆要望

 

答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ要望を申し上げます。

 

「想定以上の燃料価格高騰により、当初の指定管理料及び利用料金収入による管理業務が困難になった場合には、基本協定書に基づき、指定管理料の変更について協議する」

「利用料金収入の減少、物価等の高騰による支出の増加など、運営が困難な状況が継続する場合は、実態に即した指定管理料に見直しを行なう」 と前向きな答弁をありがとうございます。

 

各施設は市が推進する「地域課題解決型コミュニティ」活動の拠点にもなっており、知多市公共施設等総合管理計画では、市民のコミュニティの活動支援の一環として、適切な維持管理・運営を行い、今後も快適な環境を提供するとの方針が掲げられております。

 

光熱費の高騰は予測が難しい事象ではありますが、電気代やガス代が値上がりした際には、速やかに協議に応じて、負担を支援するとともに、現行の最低賃金水準の人件費の賃金改善も考慮していただきたく存じます。

 

最後に、支出超過状態にある施設への指定管理増額の要望です。各施設の前年度繰越金や積立基金は、少額機器などの故障対応や、施設利用者の利便性向上に役立つ備品の購入に充てられるほか、市が負担する3万円以上の設備や機器であっても、突発的に故障した際に、施設修繕費や予備費を超えて補正予算や次年度予算を待てない緊急の場合に、充てるための原資などとして活用されます。

 

支出超過が続くと繰越金や積立基金の枯渇が懸念され、コミュニティ活動や地域活動の利用にも悪影響を及ぼしかねません。今回取り上げた5施設は、令和5年4月から令和10年3月までの指定管理者の継続が決定しております。支出超過が継続して発生した場合には、次年度以降に支出超過とならないよう、早い目に債務負担行為を増額するなど、見直しに向けた準備を実施いただきたく存じます。

 

以上、「指定管理者制度導入施設における維持管理及び燃料価格高騰等への支援について」要望を申し上げて、わたくしの一般質問を終わります。ありがとうございました。