★“都議会議員選挙”どの政党と候補者に投票するか悩んでいる皆さまへ“選挙の争点”★

都議会議員選挙

 

Q.都議選は誰に投票したら良いかな?

A.意思決定権は都知事にあり,運営は都職員が担っている.だから間違った選択や無駄遣いをしないように,チェック能力があり,意思表示ができる候補者を議員に選ぶべきでは?

 

Q.それはどうしたらわかるの?

A.都議選の候補者にいるかどうかもわかりません.だからチャーチルの言葉を贈ります.

 

「選挙とは,いまの世の中の状況で,ろくでなしの中から誰に税金を分配させたら相対的にマシになりそうか,消去法で選ぶ行為のことだ.選挙とは要するに忍耐である」

 

2017年6月23日に東京都議会議員選挙が告示されました.定数127人の枠に258人の立候補があり,7月2日の投票日に向けて熱戦が繰り広げられます.期日前投票が7月1日まで受付されておりますので,投票日当日に予定がある方は早い目に投票に行きましょう! 地方行政の末端にいるものとして,選挙は思い出しただけで胃が痛くなりますし,橋下徹元大阪市長の都構想の是非を巡る住民投票(大阪市特別区設置住民投票)以来,胸熱くなる選挙もなかったため選挙について記事を書くこともありませんでした.

 

それでも,2017都議会議員選挙は今後の首都東京の政治バランスだけではなく,民主主義や政治って何だろう? と考えさせられるターニングポイントになる選挙になると思いますので,少しだけ綴りたいと思います.政治と民主主義について真面目に考えている方に,少しでもお役に立てる情報が発信できれば幸いです.

 

 

●いま東京で起きていること マスコミが伝えない都議会議員選挙の争点●

 

都議選

 

私はこの国のテレビや新聞の大部分のマスコミは腐っている感じています.情報の取捨選択の能力もなければ,権力の監視の役割も果たしていない.自分たちの都合の良い情報を自社のイデオロギーに基づき都合良く報道し,視聴者や読者をたぶらかしている.最近の森本学園問題や築地市場の豊洲移転問題を例にあげるまでもなく,ニュースはワイドショーであり,紙面は事実報道ではなく自社の思想洗脳の場.事実よりもイデオロギーを報道する姿勢と,それが起きている現実にウンザリします.だからいま起きていることを簡単に整理しましょう.

 

2013年猪瀬元知事が自身の選挙のために借りた5000万円の借金を馬鹿みたいに騒ぎたて,辞職に追い込みました.返済意思があり贈与金ではなく借入金であること,強制捜査後とはいえ5000万円が返却されたこと,5000万円が選挙資金に使われた証拠がなく「選挙の公正が害された」とは言えないことなどから,公職選挙法違反(明細書提出義務違反)と政治資金規正法違反(寄付量的制限違反)は嫌疑不十分で不起訴処分となりました(選挙運動費用収支報告書不記載で略式起訴され、罰金50万円及び5年間の公民権停止処分).

 

いったい猪瀬氏がどれだけ悪いことをしたというのでしょう? 税金を着服したわけでもなければ,不正を働いたわけでもない.自分の選挙のための資金に不安があり,借金をしたが,使わずに済んだので収支報告書には記載しなかった.誰かに迷惑をかけたわけでもなければ,税金を無駄にしたわけでもない.それをつるし上げて辞職に追い込んだわけです.

 

次に舛添要一元都知事のケチ臭く下世話な騒動.舛添氏を擁護するつもりは微塵もありませんが,下劣な報道は耳にするだけでウンザリしました.★問題点は? 舛添都知事の政治資金流用と税金無駄遣いの考察★マスコミがエセ正義を振りかざし,ワイドショーを見た暇な視聴者が感情的になり,意思も目的もビジョンもなく現状を否定して,状況は悪化の一途を辿り現在に至ります.

 

 

●小池都知事の都民ファーストは既得権益打破が目的ではなく,知事の権力集中が目的●

 

都議選の争点

 

大阪都構想の際の,橋下徹(大阪維新)vs 自民・民主・共産連合という異常な図式がわかりやすかったのは,既得権益を打破しようと考える橋下氏に対して,それぞれの立場は違えども,既得権益から美味しい汁を吸ってそれを維持したいと考える側との戦いであったことであると思います.それが今回の都議会議員選挙には,正義も信念も争点もなにもない.都民ファーストの目指すところは,小池都知事を全面的に支持することであり,知事や役所がすることに,科学的根拠に基づき論理的に異を唱えたり,チェック機能を果たさないのであれば,議会の存在意義はないのではないでしょうか?

 

有権者の政治不信が極限まで高まっており,現状を否定することだけが潜在意識となっているように感じます.これはまるで自民党から民主党に政権が移行した時を彷彿とさせます.現状の問題に対する発展的かつ意欲的な対応ではなく,否定と憎しみや嫉妬,無関心が根底にあり,その投票行動の結果が不幸な現実を生むだろうという確固たる予感さへあります.

 

そもそものところ,都議会議員だけではなく都道府県議会議員の待遇が良すぎるのが問題でしょう.都民ファーストが,議員公用車の廃止と政務活動費による飲食を禁止する公約を掲げていますが,そもそもこんな特典があること自体がおかしい.都議会の会期は年間約80日で,議員報酬は約1715万円(今年度に限り約1372万円).政務活動費が月60万円(今年度に限り50万円).

 

公用車なんて直ちに廃止して基本的には公共交通を活用して,必要に応じてタクシーを使えば良いですし,富山市議会でも発生した政活費不正利用問題なんかは,議員にデビットカードを支給して,明細をすべて公開するようにすれば問題は一瞬で解決します.都民ファーストは都政の見える化を進める考えを示していますが,情報の透明化と発信は,小池知事が情報を全部公開すると決めれば済む問題で,争点としてもあまりにも程度が低いのではないでしょうか.

 

ウンザリするようなガバナンスと運営がなされている現実に対して,NO!を突き付けたいけれども,都民ファーストの候補者は小池都知事のイエスマンか元民主党などのハイエナばかり.権力を保持&拡大したい公明党と共産党の醜い争い.どちらにも関わりたくありませんが,共産党は弱者の味方のふりをして,資本主義とすべての経済合理性にNGを唱えて活動する集団です.つまり,共産党は税金をドブに捨てることに意欲を燃やし平気で実行する団体であり,もしあなたが納税者で日本と東京都を少しでも良くしたいと考えているならば,自民党も都民ファーストも支持したくないから,生活者目線で弱者保護詐欺の共産党を支持するという行動は,最悪の選択であり,共産党への投票は愚策であるとの意見をここにお伝えします.併せて,都議選の参考にしていただくと良さそうな情報をまとめました.

 


 

●政党ではなく人物重視の投票をおすすめしたい●

 

 

政治に求めるものは何でしょうか? 小池百合子知事が抜群にスピーチが上手く,コミュニケーション強者であることに異論はないでしょう.同じ女性政治家のリーダーでも,蓮舫氏のヒステリックな語り口と違って,落ち着いた綺麗な語り口,冷静沈着でありながら強い意志を感じさせる口調,笑いを取るテクニック,話し手と聞き手の共感形成の場の醸成,聴衆に語り掛けるアプローチ,演説の能力は天下一品だと思います.頭がとても良い方なのでしょう.

 

リーダーに必要な大きな要素は演説力であり,伝える力であることは間違いありません.それでも,政治家には,物事の是非を決める判断力,人を動かす調整力や周囲とのコミュニケーション能力も同じくらい必要ではないでしょうか? 築地市場の豊洲移転は共産党が火のないところに油を撒いて,最後に火をつけたのは小池都知事でしたし,東京オリンピックの会場の調整などを見ていると,小池都知事の権力集中には不安を感じます.

 

個人的には既得権益に支えられた,無能でポンコツな議員には引退していただいて,志と能力が伴う若手の方々が都議会議員になっていただくのが良いと思いますが,元民主党の議員で信念も政策もなく選挙のためだけに都民ファーストに鞍替えした候補や,情報公開&情報発信を連呼するだけで,政策提言能力に疑問符な候補など,小池都知事のイエスマンばかりを増やして大丈夫でしょうか? 

 

哲学者のマルクス・キケロが述べた通り「人間の一生を支配するのは運であって知恵ではない」というのが厳しいながら現実だと思います.真面目に努力したからといって結果が出るほど世界は優しくありませんし,世の中に公平性(フェアネス)が担保されていることなど社会では捜す方が難しい.それでも,我々の大切な税金の運用のチェックを担い,多額の報酬が支払われる都議会議員は,慎重に選んでも良いのではないでしょうか? 恐らく結果は本項TOPに引用した藤沢数希氏が予測したようなものになるかと思いますが,正直者が馬鹿を見ることが少しでも減ることを願い,有権者の皆さまの英断を期待して結びの言葉といたします.長々と読んでいただきありがとうございました.

 

※以下おすすめ情報リンク

 

 

●少しだけ政治と選挙と民主主義について考えよう(追記)●

 

元ライフネット生命保険株式会社代表取締役会長の出口治明氏が,実に興味深く素晴らしい考察をされていますので,是非読んでいただければと思います.

 

ダウンロード
「誰も政治を教えてくれなかった」人たちへ(出口治明).pdf
PDFファイル 487.9 KB

 

●国民のほとんどは政治にも選挙にも興味がない(追記)●

 

身も蓋もないことを言ってしまえば,この一言に尽きるでしょう.自身の選挙区にどんな候補者が出ているか経歴や主義主張も含めて認識している人は10パーセントもいないと思います.今日の晩御飯を何にしようかしら? と考える方がよほど悩むかもしれない.なにが言いたいのかというと,一般的な人は政治や行政に程度の差こそあれ不満は持っているけれども,選挙で誰に投票したって変わらないと思っているし,応援したいと思うような人材も都議会議員候補にいない.残念ながらこれが大多数の方の心情ではないでしょうか? ニューズウィークに東京大学大学院法学政治学研究科 金井利之教授の実に興味深い論文が掲載されておりましたので,転載します.※出典:小池都政に「都民」と「民意」は何を求めているのか

 

 都民が求めるのは、都政の課題を誠実に解決し、結論を出して、都民生活に必要な行政サービスを提供することではない。ただ、ワイドショー的に「課題を掘り起」こして「注視」「注目」を集め「見て、知って」頂ければよい。例えば、築地市場も東京五輪会場も予算規模も、都民にとっては他人事の「遊興」でしかない。予算など名目的に圧縮しても結果的に膨れ上がるのは都民も知っている。豊洲新市場の安全・安心などの着実な解決など、平均的都民は求めていない。むしろ、推理ドラマのように「犯人探し」を求める。都政の判断によって被害や影響を受ける人の痛みを、都民は感じない。利害関係者は単なる「助演俳優」でしかなく、「迫真の演技」であればあるほど、「遊興」度が増す。「小池劇場」には「大きな黒いネズミ」(悪役・敵役)も必要であり、「歴代市場長」や「都議会のドン」がやり玉に挙がり、石原慎太郎・浜渦武生正副知事も都「戯」会「戯」場に「出演」した。

 

 都政においては、都知事・都議会議員を統制する民意は存在しない。代表民主主義の原理と利害関係集団の多元主義が貫徹する都性では、都民も民意も基本的に不在である。真面目な都政運営を期待せず、「遊興」を求める《民意》があるだけである。ただ、特段の「好演」をしなくても、都議会多数派と談合している限りは、都政運営は進む。但し、《民意》は退屈している。そのとき、都知事が都議会多数派と談合しないためには、都民に「遊興」を提供し、都議会との対決も「遊興」として提供して、《民意》を喜ばせていく必要がある。

 

 これまでの都性においては、選挙結果は必ずしも民意でも〈民意〉でもない。圧倒的な選挙民の投票結果でさえも、都知事の正統性の政治資源とはならない。他の自治体とは異なり、都性では代表民主主義の原理が相対的に維持されている。それゆえ、都政では、マニフェストも都民投票・プレビシットも大量都民参加も、いずれも回避されてきた(注15)。都性での《民意》とは、都政が提供する「遊興」に対して、観客としての満足/不満足を示すものである。都民とは視聴者である。《民意》は、都知事による操作の対象ではあるが、《民意》は都知事の行動を統制しない。しかし、〈民意〉によって都民を統制することもない。ただ、都知事の地位は都民が直接投票する「オーディション」で決まる以上、《民意》は「主演」の継続を左右する面はある。そこに、《民意》が〈民意〉に転化する可能性が開かれている。