平成31年度東京大学学部入学式祝辞(上野千鶴子)
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html
素晴らしい祝辞でしたね。上野先生の普段の御主張には眉をひそめる機会が多いですが(というか苦手な方です)、東大入学式祝辞は掛け値なしに良かったと思います。
祝辞をこうして文章で何度も読み返すと、そのメッセージと意図が少しだけ理解できるような気がしますが、たぶん、目の前で耳を澄ませてどれだけ注意深く聞いても、さっぱりわけがわからないだろうな。というくらいには自分の頭の悪さに絶望してしまいます。
だから、限定されたターゲットに、マス向けを意識したメッセージを発信されたのかと、本当に凄いなぁ(上手いなぁ)と感心しっぱなしです。
上野先生のような考え方もあるのだという発見や感心や多様性への興味よりも、自分が経験したこと以外は認めない、自分の価値観と違うことは許せない、理解できないことへの恐れや怒りをぶつける人が結構な割合でおりまして、暗い気持ちになります。
それでも、せっかくなので、上野先生の祝辞は、よくわからないけれども、興味はある、理解したい、知りたい、考えたいという皆さまに、併せて読んでいただきたい情報をお伝えしたいと思います。
①フェミニスト両手ぶらり旅:round.5 平成31年度東京大学学部入学式 祝辞(上野千鶴子)
http://www.webchikuma.jp/articles/-/1712
金田淳子氏が大変に素晴らしい要約(意訳)をされています。頭が良い人の要約スキルは素晴らしいですね。もちろん、要約だけではなく、自分なりに理解して解釈するという、問題提起を受けた自論展開など、ここまで響けば上野先生も本望ではないでしょうか。
②誰かのことは永遠にわからない(けれども諦めたらそこで試合終了だよ)
http://fuhouse.hatenablog.com/entry/2015/04/13/184022
腐ハウスブログの中の人の投稿。運と縁と可能性と努力をここまで見事に表現した文章を私は他に知りません。
③「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55353
阿部幸大氏の現代ビジネスへの寄稿。真の底辺を少しだけ知っている身としては、変なところを盛らなきゃ良いのに…。と思いつつ、格差の現実を大変わかりやすく明確に問題提起した素晴らしいコラムで唸ります。
実際問題としては、トップラインの葛藤や不平等よりも、義務教育課程の基礎教養を身に着けないまま(もしくは完全に忘れてしまって)大人になる仕組みと制度的欠陥が歪ませている社会構造の方が遥かに事態の深刻さはヤバいと思いますし、のっぴきならない危機(貧困とか絶望的な格差とか)を迎える恐怖の方が大きいです。
※だって、これまではそれでも生きてこれたけれども、たぶん、遠くない将来(10年とか20年)に日本(日本人の大多数?)がクラッシュする可能性大でしょ?
でも、頭が良い人やエリートの皆さんが、ちゃんとしていただかないと、魚のように頭から腐られては、末端で地獄を経験する人が増えてしまうので、その事態は勘弁していただきたく、まとまりのない文章で恐縮ですが、上野先生の祝辞をキッカケに少しでも良い世界になることを願い、一人でも多くの皆さまに考えていただければ幸いです。
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