★「議員定数」議員定数減に反対する理由。論理的根拠や数字的根拠を示さず議案が通る市議会の問題点★

 

「市議会議員定数減に反対する理由と根拠」「知多市議会議員定数は20名→18名へ2名減」

 

 

2018年9月議会で知多市議会の定数を20人から18人へ2人減らす条例改正の提案がありました。私は議員定数減には反対であり、議員報酬を減らすべきであると提案いたしましたが、賛成多数で議員定数減が可決されました。

 

多数決で決まるのが民主主義なので、議決については厳粛に受け止め、私としては皆さまからの御支持をいただくべく、引き続き議員の仕事に尽力して参ります。一方で、論拠不明確な議案が慎重な議論や検証なく通ってしまうことが問題であると考えます。

 

以下、市議会議員定数減に反対する理由と根拠を申し上げるとともに、議員定数減の問題点を述べます(※議事録は現時点で未公開のため公開され次第別途掲載します)。なお、私は市税収入が減っていく中、経費節減は必要な取り組みであり、対案として議員報酬減を提案いたしましたので、そちらも併せてご覧ください。

 

★「議員報酬」市議会議員の報酬引き下げを提案した理由。議員の給料は役務の対価として設定すべき★

 


 

「知多市議会の議員の定数を定める条例の一部改正について」反対の立場から討論を行います。反対する理由と根拠は以下の4点です。

 

  • ①第一に、議員定数を2名減らして18名に改める条例改正の提案は「知多市議会基本条例17条2項」の要件を満たしておらず、提案根拠も不明瞭。

 

「知多市議会基本条例17条2項」には、議員定数又は議員報酬の改正に当たっては、行財政改革を重視するとともに、近隣他市との比較を行うものとする。この場合において、市政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮するとともに、市民の意向を把握し、本市の実情に合った議員定数又は議員報酬を検討するものとする。とあります。

 

「近隣他市との比較について」は、愛知県内では、知多市よりも人口が少なく議員定数が20名以上の自治体が、「碧南市、蒲郡市、犬山市、知立市、豊明市、清須市、みよし市」と7市ございます。この現状と事実から、知多市が近隣他市に比べて議員定数が多く、減らす必要があるという根拠が薄弱です。

 

「市政の現状及び課題について」は、知多の統計によると本市の人口は、平成12年の8.18万人、平成22年の8.65万人、平成28年の8.60万人、平成29年の8.58万人と近年横ばい推移です。また、知多市の市税の推移によると、市税総額は平成22年度の152億円から平成30年度の148億円と150億円を挟んで微減で推移しています。一方で、知多市の一般会計予算は、平成27年度の約251.7億円から、平成30年度の269.5億と増加しており、市税収入が微減している現状に対し、一般会計予算が膨らむという課題を考慮すると、定数減という監視機能の低下を招く提案は不適切です。

 

「将来の予測及び展望について」は、今後「朝倉駅周辺整備」や「健康増進施設の建設」、「新しいごみ処理施設の建設」など大きな事業が予定されおり、今後も財政状況の悪化が懸念される中、議員の主な役割である「地方公共団体の意思を決定する機能」「執行機関を監視する機能」を果たしていくべきであり、議員数減に対してどのように機能を担保するのかの根拠がなく、対策も示されておりません。

 

  • ②第二に、定数減は議会費減の効果に対して、議会機能が低下する悪影響の方が大きく、市民や市の財政に利益よりも不利益をもたらす可能性が高い。

 

定数2名減で削減される金額は、年間約1500万円です。本市の予算250億円超に占める割合は0.06%です。無駄な経費は出来るだけ削減しなければなりませんが、予算の99.94%をチェックする議会機能を低下させることは、デメリット以外の何物でもありません。

 

私は「成果」=「能力」×「仕事量」の総和。であると考えており、一般的な理論であると考えます。総和とは人数分の加算のことです。議員定数減とは人数減を意味しており、成果を担保するためには、能力か仕事量を増やすしかありませんが、誰が何をどうやって増やすのでしょう? 根拠が不明確で示されておりません。人数が減れば総和が減り、仕事量が減れば成果が減るのは明確です。

 

愛知県には知多市よりも人口が多く議員報酬が低い自治体が、「日進市、北名古屋市、あま市」と3市あり、あま市は本市よりも議員報酬が約9.8%低い金額です。また、知多市とほぼ同じ8万3千人の人口である「尾張旭市」は、本市よりも議員報酬が約4.7%低い金額です。これまで本市は過去4回の市議会議員選挙で、2名減、3名減、2名減、1名減と継続的に議員定数の削減を実施しました。これ以上、仕事量の総和を減らすのではなく、議会費減を図るためには、成果が減らない報酬減を実施すべきではないでしょうか?

 

  • ③第三に、議員の定数を削減することは、市民の代理人の人数を減らすことであり、市民が市の政策形成過程に参加する機会を減らすことである。

 

市民の代理人である議員を削減することは、多様な市民の意見を反映する機会を減らすことであり、市民自らが身を切ることに等しいと考えます。市民の不利益になる状況を生み出すことに賛成はできません。議員定数を減らすことが議会の活性化に繋がるとは考えられず、予算や決算を厳格に審査し、二元代表制の「政策決定」の機能と「監視・評価」機能を最大限に発揮し、住民の福祉の増進に努め、最少の経費で最大の効果を挙げるためには、出来るだけ多く多様な能力を持つ人材がいることが有用であると考えます。

 

  • ④最後の第四に、議員定数減は身を切ることを意味していない。

 

経済学の有名なものに「ゼロサム理論」がございますが、一方の利益が他方の損失になることです。議員の選出は選挙であり、俗にいうパイの取り合いです。全員の利得の総和が常にゼロです。議員になる方は同じ報酬を得続けますし、議員になれなかった方が市政に参画する機会と報酬を得る機会がなくなるだけです。議員は誰も身を切らない結果であることを皆さまにご理解いただきたく存じます。

 

そして、議員の能力を高める、少数精鋭との意見がありますが、議員としての資質や能力があるから当選するのではなく、票が多いから当選するのでありまして、当選した人が必ずしも能力や力量があるというわけではなく、議員が働くかどうかは別問題であることを申し上げておきます。

 

このように、定数2名減の条例改正は、改正の必要性や正当性を根拠付ける理論的根拠と数字の根拠が不明確で、効果よりも悪影響が大きく、議会機能の低下を招き、市民が市の政策形成過程に参加する機会を減らすことであるため、反対です。

 

以上、反対する理由を申し上げて「議案第43号 知多市議会の議員の定数を定める条例の一部改正について」の反対討論を終わります。

 


 

以上を本会議の反対討論で実施いたしました。私は「選択肢を増やすことが人間にとっての自由の拡大」であり、選択機会を減らすことを議員から発案されるのは理解に苦しみます。議員定数減はポジショントークの話になってしまいがちであるからこそ、数的根拠や論理的根拠が示されて、慎重な議論や審議がなされるべきであったと考えます。

 

市民が市の政策形成過程に参加する機会と、未来の候補者の可能性と権利である議員定数を論理的根拠や数字的根拠なく減らし、自身の給料である議員報酬の減を拒む議員の現実と実態について、有権者の皆さまに考えていただければ幸いです。