★「知多市中学生海外派遣事業」について★

◆知多市中学生海外派遣事業について(2016/03)実施状況・経緯・募集及び選考方法◆

 

知多市中学生海外派遣事業

 

◆「知多市中学生派遣事業」について | 平成28年 知多市議会 第5回定例会(3月議会)一般質問の御報告◆

 

平成28年第1回知多市議会定例会にて「中学生海外派遣事業」の情報公開と充実の考えについて、一般質問を実施いたしましたので報告いたします。なお、議事録の正式な公開を待っての公表となりますため、要点のまとめとし、詳細および理事者側(役所側)答弁は、後日公開され次第追って報告いたします。なお、今回の報告より一般質問は月例報告から切り出して、個別記事として投稿いたします。

 

 

●質問の背景/経緯/論旨●


平成27年11月5日に知多市中学生海外派遣事業帰国報告会が開催され、本事業でニュージーランドを訪問した市内12名の中学生から現地での活動内容や異文化交流、ホームステイ等の経験を発表していただき、非常に内容の濃いすばらしい報告会であった。しかし、本事業の募集要項や事業効果などの詳細を調べようとしたところ、市のホームページを始めとして、公開されている情報が限定されており、事業の詳細が確認できない状況である。

 

本事業は素晴らしい取り組みであると考え、特に募集要項のような基本的な情報はもっと適切に周知するべきだと考え、本事業の情報公開の状況を問うとともに、ホームページ等での情報公開を要望した。併せて、参加者数が12名と少数に限定されていること、参加者の負担額が小さくないことが課題であると考え、事業費用の分析も交え、中学生海外派遣事業の事業拡大(参加者数増&市負担増)の提案を申し上げた。

 

 

●質問1.知多市 中学生海外派遣事業について●

 

募集要項等、本事業に関する情報が公開されていないため、市民の皆さまに中学生海外派遣事業の概要を知っていただくべく以下の質問を実施。

 

① 平成27年度の実施状況について
→8月17日~24日までの8日間、ニュージーランドのクライストチャーチに生徒12名と引率教員2名の14名を派遣。
→事業費は旅費、現地での活動費及び帰国後の報告会等の費用を含め、約465万円。
→参加者負担金は生徒1人当たり19万6,000円(H27年度)。

 

② 事業の経緯について
→平成7年度に市内5中学校の3年生を対象に、シンガポールに視察という形で開始。
→平成9年度から、ニュージーランドのクライストチャーチに派遣。
→平成23年度~25年度は、派遣先をオーストラリアのメルボルンに変更。
 ※ニュージーランド地震の影響を考慮。

 

③ 募集及び選考方法について
→応募人数は43人(市内5中学校の3年生の生徒対象)。
→選考は教育委員長、校長会長、教員代表、教育長、指導主事等を委員とする選考委員会で校長の推薦書、生徒作文、健康診断票で選考を行い、原則、各中学校男女各1名と、全体で2名の計12名の派遣生徒を決定。

 

 

●質問2.知多市中学生海外派遣事業の成果および今後の方針について●

 

→社会の国際化、グローバル化に対応した次代の社会で活躍する人材を育成することはますます重要であり、次代を担う中学生を海外に派遣し、現地の人々とのふれあいをとおし、豊かな国際感覚や広い視野を身に付けさせることは子どもたちの将来にとって貴重な体験である。
→効果のある事業であるため、今後も現状の参加者負担金と派遣生徒数で継続する。

 

 

●再質問 募集要項のHPへの掲載等、情報公開の考えについて(改善提案)●

 

※参加を希望する中学生や保護者は英語の学習や参加費用の積み立てなど、事前の準備が必要な場合もあり、募集要項という基本的な情報はホームページ等で公開した方が良いと考え質問。

→今後、募集要項を含め、派遣事業報告会の様子などを市のホームページに掲載し、事業のPRに努めていく。

 

 

●要望(事業拡充提案)


「参加者負担金の市負担の拡充と派遣生徒数の拡大について」


・現状の5割補助の参加者負担金約20万円から、参加者負担金約10万円への変更を提案。
・市内5中学校より各4名の参加者枠確保により、20名参加を提案。
・上記2点の拡充を実施した時に追加で必要となる経費は約360万円と試算。
・本費用を算出するための論拠と事業効果を提示し、今後検討いただきたく要望を

 申し上げた。

 


 

◆1番(川脇裕之) 

 皆様、こんにちは。議長の許しをいただきましたので、先の通告に基づきまして、中学生海外派遣事業について質問いたします。

 

 平成27年11月5日に知多市中学生海外派遣事業帰国報告会が開催され、本事業でニュージーランドを訪問した市内12名の中学生から、現地での活動内容や異文化交流、ホームステイ等の経験を発表していただきましたが、非常に内容の濃いすばらしい報告会でした。しかし、本事業の募集要項や事業効果などの詳細を調べようとしたところ、市のホームページを始めとして、公開されている情報が限定されており、事業の詳細が確認できなかったためお伺いいたします。

 

 未来を担う子どもたちを海外に派遣し、現地で異文化の体験を経て国際感覚のある豊かな人材を育成することは、現代のグローバル社会において非常に意義のある取り組みであると考えております。また、保護者と学校、教育委員会が協力し、広い視野を持って異文化を理解し、異なる習慣や文化を持った人々とともに生きていくための資質や能力を醸成させることや、知多市が中学生海外派遣事業を充実させ市民や市外に向けて発信することは、市の魅力を向上し、PRできる貴重な機会になると考えております。そこで、本事業が中学生や保護者にとって利用しやすく、さらに充実した内容になることを目指して、中学生海外派遣事業について質問いたします。

 

 質問の1点目、事業概要についての1つ目、27年度の実施状況について。

 2つ目、経緯について。

 3つ目、募集及び選考方法について。

 そして、質問の2点目、事業の成果及び今後の方針について伺い、壇上からの質問を終わります。

 

 

◎市長(宮島壽男) 

 1番 川脇裕之議員の御質問にお答えします。

 御質問の1番目、中学生海外派遣事業についてでございますが、社会の国際化、グローバル化に対応した次代の社会で活躍する人材を育成することは、ますます重要になってきています。次代を担う中学生を海外に派遣し、現地の人々とのふれあいを通し豊かな国際感覚や広い視野を身に付けさせることは、子どもたちの将来にとって貴重な体験になると考えております。

 御質問の1点目及び2点目につきましては、教育長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。

 

 

◎教育長(小宮克裕) 

 御質問の1番目、中学生海外派遣事業についての1点目、事業概要についての1つ目、27年度の実施状況についてでございますが、8月17日から24日までの8日間、ニュージーランドのクライストチャーチに生徒12名と引率教員2名の14名を派遣いたしました。出会い、ふれあい、感動体験を今回のテーマとし、現地の学生と交流し、ホストファミリーとふれあい、それらの貴重な体験から多くの感動を得ております。

 

 事業費は旅費、現地での活動費及び帰国後の報告会等の費用を含め約465万円で、参加者負担金は事業費の5割を目安としており、本年度は生徒1人当たり19万6,000円であります。

 

 次に、2つ目、経緯についてでございますが、海外派遣事業は21世紀社会を担う中学生の国際的な感覚や視野を育むことを目的とし、平成7年度に市内5中学校の3年生を対象に、シンガポールへ視察という形で始まりました。9年度から、国際的な感覚や視野を育むとともに日本文化を再認識し、学校や地域で活躍できる人材の育成を図ることを目的に、英語圏であり治安がよく安全なこと、またホームステイなどの現地での受入環境が整っている条件を満たしているニュージーランドのクライストチャーチに派遣しております。ただ、23年度から25年度は、ニュージーランド地震の影響で派遣先をオーストラリアのメルボルンに変更しています。

 

 次に、3つ目、募集及び選定方法についてでございますが、募集要項を対象者となる市内5中学校の3年生の生徒全員に配布し募集を行い、平成27年度は43名の応募がありました。選考方法につきましては、教育委員長、校長会長、教員代表、教育長、指導主事等を委員とする選考委員会で、校長の推薦書、生徒作文、健康診断表で選考を行い、原則、各中学校男女各1名と全体で2名の計12名の派遣生徒を決定しております。

 

 次に、2点目、事業の成果及び今後の方針についてでございますが、派遣生徒は訪問先の文化や自然のよさを理解するとともに、日本文化のよさに改めて気づくことができました。また、その国の文化をより深く理解するためには、自身の英語能力をもっと高める必要があることを感じ取っております。

 

 各学校では、派遣での体験をほかの生徒に知ってもらうため文化祭等で報告する機会を設定することで、下級生が自分も派遣事業に参加したいという気持ちを高めさせるとともに、英語の必要性を実感し、日ごろの外国語の授業についての取り組みの姿勢を見直すきっかけとなっております。今後の方針につきましては、このように効果のある事業ですので、引き続き事業を継続してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(川脇裕之) 

 答弁ありがとうございます。ただ今お答えいただいた内容について、再質問を4点いたします。

 初めに、1点目の事業概要について、参加者負担金は事業費の5割を目安と答弁いただきましたが、再質問の1点目として、この参加者負担金の割合は条例で規定されているなどの明確な基準があるのか、あくまで目安であるのかお伺いいたします。

 

◎教育部長(松井禎司) 

 御質問の件につきましては、負担割合は条例等で規定はしていませんが、毎年度予算で市負担額を中学生海外派遣事業委託料として計上し、実施をしております。この割合は、行財政改革プランに基づく受益者負担の適正化に沿って、平成24年度から総事業費の50パーセントを目安にしたものでありますので、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(川脇裕之) 

 答弁ありがとうございます。次に、同じく事業概要について、募集要項を市内5中学校の3年生の生徒全員に配布と御説明いただきましたが、参加を希望する中学生や保護者は、英語の学習や参加費用の積み立てなど、事前の準備が必要な場合も少なくないと考えます。

 そこで、再質問の2点目として、募集方法の詳細について伺います。募集要項の配布のタイミング、回数、事前説明の有無を含めて回答を願います。

 

◎教育長(小宮克裕) 

 御質問の件につきましては、新学期が始まるとすぐに3年生を対象に1回でありますが、事前説明の上、募集要項を配布し募集を行っております。なお、各学校により違いがありますけれども、クラス担任や英語科の教師が授業時や学年集会時に募集を行っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(川脇裕之) 

 答弁ありがとうございます。

 次に、同じく事業概要について、募集要項は、市のホームページ等での情報公開がされていないと認識しておりますが、せっかくのすばらしい事業ですので、募集要項という基本的な情報は公開したほうがよいと考えております。そこで、再質問の3点目として、募集要項の情報公開の考えについて伺います。

 

◎教育長(小宮克裕) 

 御質問の件につきましては、対象は市内5中学校の3年生に限られており、広く募集するものではありませんので、ホームページなどの募集要項の公開はしておりません。しかし、派遣事業は大変効果のある事業ですので、学校祭等で行われる派遣生徒の報告会の内容は、学校のホームページや学校通信等に掲載しております。なお、今後は教育委員会においても、募集要項を含め派遣事業報告会の様子などを市のホームページに掲載し、事業のPRに努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(川脇裕之) 

 答弁ありがとうございます。

 最後に、2点目の事業の成果及び今後の方針について、先ほど答弁いただいたとおり、社会の国際化、グローバル化に対応した次代の社会で活躍する人材を育成することはますます重要であると、市としても認識され、報告会に参加された市長、教育長、教育部長を始め関係者の皆様が、生徒の人材育成の面からも非常に効果があると感じていらっしゃると考えております。現行では参加者の負担が大きいのではないでしょうか。また、参加者枠が非常に限定されているのではないかと考えております。

 そこで、再質問の4点目として、参加者負担金の市負担の拡充と派遣生徒数の拡大の考えについて伺います。

 

◎教育部長(松井禎司) 

 御質問の件につきましては、本市では、今後も厳しい財政状況が続くことが予想され、行財政改革の取り組みが必要であります。海外派遣は教育的効果の高い事業でありますので、持続可能な事業とするためにも、現状の参加者負担金と派遣生徒数で継続してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(川脇裕之) 

 それぞれの答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望、提案を申し上げます。

 

 まず、募集要項を含め、中学生海外派遣事業報告会の様子など、市のホームページに掲載し、事業のPRに努めていかれるとの新たな方針を打ち出されたことに敬意を表し、着実な実施をお願い申し上げます。私が他自治体を調査した中では、宮城県名取市が適切な情報公開をしながら、非常に見やすく効果的なPRを実施していると思いましたので、参考にしていただければと存じます。

 

 次に、本事業は現状の参加者負担金と派遣生徒数で継続との予定でございますが、自治体間競争が激化する昨今、自治体が創意工夫を凝らした施策を打ち出し、既存住民の住民満足度向上や、他地域からの住民増を目指すことは、重要な観点であると考えております。そこで、教育や国際交流の機会が充実した知多市に向け、中学生派遣事業の派遣生徒数増及び市の市負担の拡充を、試算を踏まえて提案申し上げますので、検討いただきたくお願いいたします。

 

 派遣生徒数については、現状の12名から20名への増員を提案申し上げます。中学生海外派遣事業の平成27年度の費用は約465万円と答弁いただきましたが、引率教員を含め14名の参加ですので、1人当たり約33万円となります。現状、生徒の参加数は、市内中学校男女各1名プラス2名の12名ですが、各校4名の参加、計20名の参加とし、引率の教員を1名増やすと計23名、市負担は約160万円の増額となります。次に、参加者負担金の市負担の拡充、つまりは参加者の負担を減らすことについては、現状の5割補助の参加者負担金、約20万円から、参加者負担金約10万円への変更を提案申し上げます。受益者負担の観点から、無料にすることは問題がございますが、未来ある子どもへの投資と考え、参加者が10万円負担で応募できるとなれば、参加のハードルが下がり、費用がネックとなり参加を諦める家庭も減少するのではないかと考えます。参加者負担金への市負担を拡充し、約10万円の参加者負担金で本事業に参加できるようにするには、参加生徒20名の増員時に約200万円の増額となりますので、先ほど申し上げた派遣生徒数を8名増、引率教員1名増の約160万円をあわせると、約360万円の増額となります。この約360万円という数字は、決して小さなものではございませんが、例えば、平成28年度予算で新規計上された防災ラジオ購入費約1,860万円やコミュニティFM広報番組製作放送委託料約1,180万円に比べても、半額以下でございます。災害時にラジオを聞く機会の提供やラジオ番組の制作と放送にお金を投じる費用よりも少ない金額で、未来ある子どもへの国際交流の機会の充実を図ることも可能です。

 

 もしくは、予算拡大は困難ということでございましたら、本事業の経費見直しや管理費等の合理化も検討に値すると考えます。本事業の経費見直しについては、例えば、平成27年度と同様に、8月第3週の月曜日にシンガポール航空利用で出発すると、現時点では往復税込みサーチャージ込み約15万円で航空券の購入が可能です。現地ホームステイ等宿泊費やコーディネーター費用を含めても、手数料を効率化することにより、27年度と同じ条件で1名当たり約25万円から30万円での実現も可能かと存じます。他自治体では同等金額で実施した事例もございます。旅行業者への委託は欠かせないかもしれませんが、価格の精査に努めていただければと思います。

 

 また、管理費等の合理化については、例えば、平成28年度予算で申し上げますと、小学校のパソコン借上料が約7,300万円、中学校のパソコン借上料が約4,200万円です。これらの計約1.1億円を3パーセント削減することができれば、約340万円の経費削減ができます。これは一例ですが、人件費や教育環境に関連する部分以外の経費合理化により、捻出することが可能である金額であると考えます。

 少子高齢化が進み、市の財政の厳しい状況が続くことは答弁いただいたとおりであると存じますが、日ごろから発揮していただいております市長のリーダーシップにより、行財政改革の取り組みや支出の無駄を見直し、効率的かつ効果的な予算計上執行をさらに推し進めることで、教育や国際交流の機会の充実に努めていただければと存じます。

 

 参考までに近隣自治体の実績として、平成27年度に東海市はオーストラリアへ生徒26名を派遣、大府市はオーストラリアへ生徒20名を派遣しております。人口や税収の異なる他市を安易に比較対象として例示することが必ずしも適切であるとは考えておりませんが、近隣自治体に先行するような教育施策を打ち出すことは意義があるのではないでしょうか。

 

 本要望は、国際交流の教育機会を充実させて国際教養のある人材を育成する施策として、住民満足度の向上だけではなく、参加生徒が本事業の成果を活かし有能な人材となり、将来、例えば外資系投資銀行へ就職し、ふるさと納税で本市へ還元するなどの期待も持てます。この例示は即物的ではありますが、教育への投資は、費用対効果の検証はもち論必要ですが、未来ある子どもへ夢と希望のきっかけを与え、教養を育む点など、定量的にははかれない多大な効果も期待できます。

 

 以上、御検討いただきますようお願い申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

 


 

「中学生海外派遣事業」派遣者数の拡大及び市費負担拡充の考えについて(2016年12月一般質問)

 

 

◆1番(川脇裕之) 

 皆様、おはようございます。議長の許しを得ましたので、先の通告に基づきまして、1番目、中学生海外派遣事業について、2番目、犯罪抑止に向けた取り組みについて、3番目、市内公共交通についての3件の質問をいたします。

 

 1番目は、中学生海外派遣事業についてです。11月10日に知多市中学生海外派遣事業帰国報告会が開催され、本事業でニュージーランドを訪問した市内12名の中学生及び引率の教員の方から、現地での活動内容や異文化交流、ホームステイ等の経験を発表していただきました。市長や副市長を始め、この場にも聴講された方が何名かいらっしゃいますが、生徒の成長が感じられる大変に内容の濃いすばらしい報告会であったと思います。

 

 将来を担う子どもたちを海外に派遣し、現地での異文化交流を経て国際感覚のある豊かな人材を育成することは、現代のグローバル社会において非常に価値のある取り組みであると考えております。また、本市が中学生海外派遣事業を充実させ、市内外に向けて情報発信することは、市の魅力を高め、PRできる貴重な機会になると考えます。

 

 本事業は、成果が明確で非常に意義のある取り組みであると考え、本年の第1回定例会でも一般質問を実施し、情報公開の実施及び参加者数の拡充と参加者の負担金を減らすための市費負担拡充の要望を申し上げましたが、改善できることは多くあると考えます。そこで、本日は、本事業を御存じではない市民の方や参加を検討している方、そして次に参加する生徒にとって、事業への理解をより深めていただくとともに、さらに効果と満足度の高い事業となることを目指して、質問いたします。

 

 中学生海外派遣事業について、日程、参加人数、事業費、1人当たりの負担金など、事業の概要を確認いたしたく、

 質問の1点目、実施状況について伺います。

 次に、参加者を募集する周知をどのように実施されているのかを確認いたしたく、質問の2点目、募集方法について伺います。

 次に、質問の3点目、各校の応募人数と参加人数について伺います。

 そして、本事業のさらなる発展を期待して、質問の4点目、派遣者数の拡大及び市費負担拡充の考えについて伺います。

 以上4点について伺い、壇上からの質問を終わります。

 

 

◎市長(宮島壽男) 

 1番 川脇裕之議員の御質問にお答えいたします。

 御質問の1番目、中学生海外派遣事業についてでございますが、先月、事業開始以来、本年度で20年目を迎えた中学生海外派遣事業の帰国報告会に招かれまして、派遣団員の生徒から報告を受けました。観光旅行とは異なり、ニュージーランドに住む人々と深くかかわり、ホストファミリーとの生活を通しての言葉の違い、文化の違いを直接肌で感じ取れていることが伝わってまいりました。次代を担う中学生を海外に派遣し、現地の人々とふれあうことは、豊かな国際感覚や広い視野を育むとともに、日本文化を再認識し、学校や地域で活躍できる人材の育成に大変効果のあるものと考えております。御質問の1点目から4点目までにつきましては、教育長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。

 

◎教育長(小宮克裕) 

 御質問の1番目、中学生海外派遣事業についての1点目、実施状況についてでございますが、本年度は8月15日から22日までの8日間、ニュージーランドのクライストチャーチに生徒12名と引率教員2名の14名を派遣いたしました。現地の中学生と交流し、ホストファミリーとふれあう中で、知多市と日本の文化を伝え、ニュージーランドの文化を知り、自分たちの見識を深めることで、派遣団員としての成果を上げております。事業費は、旅費、現地での活動費、帰国後の報告会等の費用を含め約455万円で、参加者負担金は事業費の5割を目安としており、生徒1人当たり18万6,000円であります。

 

 次に、2点目、募集方法についてでございますが、新年度が始まると、すぐに募集要項を各学校において対象者となる中学3年の生徒全員に配付し募集を行いました。なお、各学校では、前年度派遣生徒による報告会等を実施しており、募集前に派遣事業の内容について在校生へ周知されているものと考えています。

 

 次に、3点目、各校の応募人数と参加人数についてでございますが、八幡中学校は応募人数4名で参加人数は3名、知多中学校は応募9名、参加2名、旭南中学校は応募5名、参加2名、東部中学校は応募8名、参加2名、中部中学校は応募8名、参加3名で、合計で応募34名、参加12名です。

 

 次に、4点目、派遣者数の拡大及び市費負担拡充の考えについてでございますが、現在、生徒の派遣者数は男女のバランスと効果的なグループ編成を考慮し、平成20年度にそれまでの10名から12名へと増員しております。参加者負担金については、行財政改革プランに基づく受益者負担の適正化に沿って、24年度から事業費の5割程度に見直しをしたものであります。

 

 本市では、今後も厳しい財政状況が続くことが予想され、行財政改革の取り組みを進めているところであります。海外派遣事業は、教育的効果の高い事業でもありますので、持続可能な事業としていくためにも、現状規模の事業を継続してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(川脇裕之) 

 答弁ありがとうございます。ただ今お答えいただいた内容について、再質問を2点いたします。

 

 初めに、質問の2点目の募集方法についてですが、募集要項を各学校において対象者となる中学3年生の生徒全員に配付し募集を行ったと答弁いただきましたが、参加を希望する中学生や保護者は、英語の学習や参加費用の積み立てなど事前の準備が必要な場合も少なくないと考えます。募集から応募、選考までの期間が短く、また、すばらしい事業でありながら、基本的な情報も公開されていないことは、もったいないと考え、再質問の1点目として、広報ちたやホームページで募集する考えについて伺います。

 

◎教育長(小宮克裕) 

 御質問の件につきましては、広報ちたやホームページへの掲載につきましては一般公募が対象であり、個別に通知し募集をしている事業については原則掲載しないこととしていますので、掲載し募集する考えはございません。しかしながら、この事業は教育効果の高い事業ですので、帰国報告会を受け、募集内容を含め、生徒が体験した内容、学んだこと等、ホームページに掲載する予定で準備を進めておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(川脇裕之) 

 答弁ありがとうございます。続いて、質問の3点目の各校の応募人数と参加人数について、応募と参加の状況について答弁いただきましたが、再質問の2点目として、知多半島他市の28年度の実施状況と派遣人数について伺います。

 

◎教育長(小宮克裕) 

 御質問の件につきましては、半田市と常滑市は中学生海外派遣事業を実施しておりません。東海市につきましては、オーストラリアの姉妹都市であるマセドンレンジズ市等を派遣先としており、市内の6中学校より生徒26名、姉妹都市の釜石市の生徒8名、引率者6名の合計40名を派遣しております。また、大府市につきましては、オーストラリアの姉妹都市であるポート・フィリップ市等を派遣先としており、市内の4中学校より生徒20名、引率者4名の合計24名を派遣しておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(川脇裕之) 

 それぞれの答弁ありがとうございます。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望を申し上げます。

 

 要望の1点目として、中学生海外派遣事業の情報公開の積極的な実施をお願い申し上げます。先ほどの答弁でも、本事業が教育効果が高い事業であることを認識いただいており、帰国報告会を受け、募集内容を含め、生徒が体験した内容、学んだこと等、ホームページに掲載する予定で準備を進めていただけるとのことですので、来年度に向けて確実な実施をお願いいたします。

 

 本年第1回定例会でも、募集要項を含め派遣事業報告会の様子などを市のホームページに掲載し、事業のPRに努めると答弁いただきましたが、どのような情報が閲覧できるとこれから参加を検討する方や参加希望者にとって親切であるかを考え、掲載項目の具体案を申し上げます。事業の目的、準備会及び報告会の回数、現地研修の日程と詳細なスケジュール、参加費用、経験者の声、以上の掲載を検討いただきたく存じます。実際に、これらの内容は先日の報告会で配付いただいた報告書にわかりやすく記載されており、本項目をピックアップしてウエブサイトに掲載していただければ、充実した情報の発信になります。職員や教員の稼働をむやみにふやすこともなく、ホームページへのアップは半日か1日程度あれば可能な作業です。次年度の提言も記載されたすばらしい報告書としてまとめていただいておりますので、積極的な情報公開をお願いいたします。

 

 次に、要望の2点目として、派遣者数の拡大及び市費負担拡充をお願い申し上げます。先ほどの答弁にて、本年度の応募人数は34名であると答弁いただきましたが、平成27年、応募人数は43人、平成26年、応募人数は51人と伺っております。応募者数は昨年度から比べると約20パーセント減、一昨年度から比べると約33パーセント減となっております。応募者減少の原因調査と問題分析を実施して、対策の検討を実施いただきたく存じますが、私は、本事業は大変魅力と価値のある施策であり、周知が十分でないことと参加費用がハードルとなっていることが大きな要因であると考えております。周知については、先ほど申し上げた情報公開により、本事業の存在や理解が深まることや、前もって情報を入手できることによる英語の学習や参加費用の積み立てなど事前準備が可能となると考えておりますが、生徒1人当たり18万6,000円という参加金額は一般的な家庭にとってかなりの負担です。

 

 先ほどの答弁では、今後も厳しい財政状況が続くため、現状規模の事業を継続するとのことで、市費負担拡充はできないとの回答でしたが、子どもの教育は未来への投資であり、国際交流の教育機会を充実させて国際教養のある人材を育成する施策は、知多市の将来に収穫をもたらす実りの多いものであると考えます。そのため、参加希望者の需要をなるべく多く満たすことを目指し、派遣生徒数の各校4名、計20名への増員と引率の教員1名増員の計23名の派遣及び市費負担拡充による参加者負担金約10万円への改善を提案申し上げます。

 東海市のオーストラリアへの約40名の派遣は、非常に手厚く、特別なケースかもしれませんが、人口や財政規模の近い大府市の4中学校、生徒20名、引率者4名の合計24人のオーストラリアへの派遣は、参考になる事例であると考えます。

 

 本年度の本市の事業費は約455万円ですので、引率教員を含めた14名の費用は1人当たり約32.5万円となります。23名を派遣すると約750万円の事業費と算出されます。ここから20名への増員と参加者負担金10万円を実現した約200万円が参加者負担金となり、差し引き約550万円が市費負担金となります。現状の市からの補助金額約220万円から約330万円の負担増で実現することが可能であると試算できます。この330万円という金額は、一般会計予算261億円の0.013パーセント、教育費予算26億円の約0.1パーセントです。本市の財政が厳しい状況であることは私も認識しておりますし、小さな金額と言うつもりはございませんが、負担割合が条例等で制限されているわけではないため、予算配分や無駄の削減など、知恵と工夫と意思があれば、充当可能な金額であると考えます。

 

 報告会で生徒から本事業への感謝の言葉もございましたが、市長、副市長を始め関係者の皆様が生徒の人材育成の面からも非常に効果があると感じていらっしゃると考えております。教育環境と教育機会が充実した知多市に向け、ぜひ前向きな検討をお願い申し上げ、質問の1番目の中学生海外派遣事業についての質問を終わります。

 


 

「中学生海外派遣事業」の情報公開及び情報更新について(2019年03月一般質問)

 

 

 2番目、中学生海外派遣事業の情報公開及び情報更新について質問いたします。本市は毎年、中学生海外派遣事業を実施しております。本事業は20年以上の実績がある事業であり、将来を担う子どもたちを海外に派遣し、現地での異文化交流を経て、国際感覚のある豊かな人材を育成することは非常に価値がある取り組みであると考えています。参加した生徒の満足度も高く、参加した生徒だけではなく引率する中学校の先生にとってもすばらしい経験になっていると認識しています。

 

 私は過去、2度の一般質問において情報公開の実施及び参加者数の拡充と参加者負担金を減らすための公費負担拡充等の様々な問題提起と改善要望を申し上げてきました。そして、簡単で少しの作業で改善が可能な情報発信及び情報公開については、改善を約束していただきました。具体的には、平成28年3月定例会にて、今後は教育委員会においても募集要項を含め、派遣事業報告会の様子などを市のホームページに掲載し、事業のPRに努めてまいりたいと考えておりますとの答弁。28年12月定例会にて、募集内容を含め、生徒が体験した内容、学んだこと等、ホームページに掲載する予定で準備を進めておりますとの答弁がありました。この結果、28年度は事業報告が市ホームページに掲載されましたが、それ以降、一切更新がなされておりません。一般質問を通じて対応すると答弁したことを一時的で、場当たり的な対応で済ますことは問題ではないでしょうか。そもそも中学生派遣事業についての質問は、本事業に参加を希望する生徒、保護者は英語学習や参加費用の積み立てなど、事前の準備が必要であるにもかかわらず、中学校3年の募集直前まで事業の概要等の基本的な情報さえ公開されていなかった問題について、情報公開の重要性を問題提起したものです。

 

 そこで改めて、情報公開、情報更新について、責任を持って対応いただきたく質問いたします。

 1点目、本年度の実施状況について

 2点目、平成29年以降の情報更新について

 3点目、募集要項及び研修内容を市ホームページに掲載して毎年度更新する考えについて、

 以上、答弁よろしくお願いします。

 

 

◎市長(宮島壽男) 

 御質問の2番目、中学生海外派遣事業の情報公開及び情報更新についてでございますが、中学生海外派遣事業は生徒の国際的な感覚や視野を育むとともに、日本文化を再認識する機会となり、大変意義のある事業であり、派遣事業としての成果を上げています。

 派遣事業の情報につきましては、学校のホームページや学校だよりなどで情報提供されておりますが、市ホームページでも適切な情報提供に努めてまいります。御質問の1点目につきましては教育長から、2点目及び3点目につきましては教育部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。

 

◎教育長(永井清司) 

 御質問の2番目、中学生海外派遣事業の情報公開及び情報更新についての1点目、本年度の実施状況についてでございますが、本年度はニュージーランドのクライストチャーチに8月17日から24日までの8日間、生徒12名と引率教員2名の14名を派遣いたしました。ホストファミリーとのふれあい、現地の中学生との交流により、異文化に触れるとともに、日本の文化の紹介もし、見識を深めることができました。

 報告書として参加生徒のホームステイのことなど、海外派遣事業から学んだことなどを冊子にまとめるとともに、11月15日には帰国報告会を開催し、海外派遣での経験や感想について報告が行われております。

 また、各学校においても学校祭などにおいて派遣生徒により海外派遣報告がなされております。

 

◎教育部長(岩田光寿) 

 次に、2点目、平成29年以降の情報更新についてでございますが、海外派遣事業は海外派遣生徒を引率した校長の学校が事務局となって運営しており、事務局が毎年度交代することもあり、情報更新について教育委員会との連携がとれていませんでした。

 今後、海外派遣事業の情報提供につきましては、事務局となる学校側と調整し、必要な情報を提供してまいります。

 次に、3点目、募集要項及び研修内容を市ホームページに掲載して毎年度更新する考えについてでございますが、募集要項や応募関係書類等はホームページへの掲載も検討しましたが、募集対象が市内5中学校の3年生に限られており、広く募集を行うものではなく、各校において3年生全員を対象に事前説明の上、配布されております。

 なお、事業を主催する教育委員会としては、派遣の概要や事業成果などはお知らせする必要があるものと考えておりますので、引き続き市ホームページに不足する情報を追加した上で、今後は掲載してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(川脇裕之) 

 答弁ありがとうございます。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望を申し上げます。

 募集要項と実施報告を適切に情報公開するという当たり前のこと、かつ実施すると約束したことが実施されていなかったのは無責任で、怠慢な仕事ではないでしょうか。充実した情報発信をされている中学校もありますし、引率の先生を始め、教育現場の前線で頑張っておられる学校教員の方々は一生懸命仕事をされています。教員のモチベーションを高め、現場に負荷をかけないことを意識しつつ、適切な情報公開及び以前の一般質問で申し上げた中学生海外派遣事業の派遣生徒数拡大と補助拡大をあわせてお願い申し上げ、2番目の質問を終わります。

 


 

◆知多市中学生海外派遣事業について(2025/12)◆

 

令和7年(2025年)12月議会 一般質問

 

知多市議会議員 川脇裕之

 

「中学生海外派遣事業について」

 

 (1)事業の概要及び実績について

 ①募集方法、実施時期、報告会等事業の流れについて

 ②派遣先の変遷及び選定理由について

 ③業務委託先の選定方法について

(2)過去5年間の実施状況について

 ①派遣期間及び派遣人数について

 ②事業費、市負担額及び参加者負担額について

 ③応募人数及び倍率について

 ④市ホームページへの情報掲載について

(3)近隣4市5町の実施状況について

 ①令和6年度及び7年度の派遣先及び人数について

 ②業務委託先の選定方法について

 

 

【質問(登壇)】

 

 皆様、おはようございます。先の通告に基づきまして「中学生海外派遣事業について」質問いたします。

 10月末、知多市役所で本年度の中学生海外派遣事業の帰国報告会が開催されました。本年度も事業が円滑に実施されたことに対し、関係者の皆様のご尽力に感謝申し上げます。

 

 わたくしも以前、福祉文教委員会に所属していた際に、帰国報告会を何度も拝聴させていただきました。また、平成28年3月を皮切りに、本事業についてこれまでに三回にわたり一般質問を行い、、質問を通じて、参加者負担の在り方、派遣生徒数の拡大、適切な情報公開など、事業の発展を見据えた改善提案を行って参りました。

 

 「中学生海外派遣事業」は、国際化の時代を生きる生徒にとって、若いうちに異文化に触れ、視野を広げ、自ら考えて行動する契機となる、極めて意義の高い教育施策であります。特に、現地でのホームステイや学校交流を通じ、言葉の壁を越えて相互理解を深める体験は、教室の座学だけでは得ることのできない、生徒にとってかけがえのない「生きた学習機会」であると評価しております。令和2年からの新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で一時中断がありましたが、本事業が再開され、継続されていることを改めて評価いたします。

 

 一方で、近年の円安の進行や国際的な物価上昇等により、本事業への参加者負担額が持続的に上昇していると認識しております。この参加者負担額の増額は、家庭の経済状況によっては応募を断念せざるを得ない事態が生じている懸念があります。加えて、派遣人数が限定されているため、意欲ある生徒のすべてに機会が行き渡っていない現状も見受けられます。これらは教育機会の公平性という観点から看過してはならない問題であり、改善に向けた具体的な手立てを講じる必要があると考えます。

 

 また、本事業の運営において、随意契約での委託方式が長期間固定化されていると認識しており、事業の透明性・競争性・費用対効果の観点から検証が必要ではないでしょうか。先進自治体においては、派遣先の多様化や、事業方式の改善、公募型プロポーザルや入札方式の導入、さらには企業版ふるさと納税や協賛金による財源確保など、より持続可能で開かれた形へ事業を進化させる取り組みが見られます。こうした動きは、単に参加費用負担の軽減にとどまらず、教育施策としての質の向上、教育機会の公平性の確保、そして行政運営の透明性向上にもつながる重要な視点であると考えます。

 

 本市の海外派遣事業を、今後も長く継承し、より多くの中学生が参加できる「開かれた事業」へと発展させていくためには、現状を的確に把握し、改善の余地がある部分を丁寧に点検し、次の時代にふさわしい制度設計へとアップデートしていくことが不可欠であります。私は、本事業の価値を高く評価するからこそ、教育機会の公平性を確保しつつ、より良い形で将来世代に引き継いでいくための議論が必要であると考えています。本日はその観点から、事業の実態と課題を確認しつつ、改善の方向性について議論いたしたく、順を追って質問いたします。

 

 (1)点目、事業の概要及び実績について

 現在、本市ホームページ上に掲載されている中学生海外派遣事業についての情報は、「派遣期間」「派遣場所」「参加人数」が一行程度ずつ記載されているのみで、事業の詳細どころか基本的な概要すら十分に把握できない状況です。これは市民に対する情報公開の観点から、極めて不十分であり改善が求められると考えます。以前の一般質問でも指摘したところではありますが、新型コロナウイルス感染症による派遣中止期間を経た今こそ、事業の内容を適切に整理し、説明責任を果たすことが重要であると考え、質問いたします。

①つ目:募集方法、実施時期、報告会等、事業の流れについて

②つ目:派遣先の変遷及び選定理由について

③つ目:業務委託先の選定方法について 伺います。次に、

 

 (2)点目、過去5年間の実施状況について

 本事業は、新型コロナウイルス感染症による派遣中止期間を除き、本市の5中学校の3年生徒から希望者を募り、選考を経て派遣し、市がその一定の費用を補助しているものと承知しております。そこで、本年度を含む直近5年間の実施状況を整理し確認いたしたく質問いたします。

①つ目:派遣期間及び派遣人数について

②つ目:事業費、市負担額及び参加者負担額について

③つ目:応募人数及び倍率について

④つ目:市ホームページへの情報掲載について 伺います。次に、

 

(3)点目、近隣4市5町の実施状況について

 本質問に先立ち、複数の先進自治体の取組を調査いたしました。派遣先の多様化、公費補助割合の見直し、企業版ふるさと納税等による財源確保など、それぞれに優れた点があり、改善の示唆となるものでありました。優れた事例をベンチマークとして事業改善に取り組む姿勢が肝要であると考えますが、地域の傾向もあることかと存じますので、知多半島の近隣自治体の状況を確認いたしたく質問いたします。

①つ目:令和6年度及び7年度の派遣先及び人数について

②つ目:業務委託先の選定方法について 伺います。

 

以上、答弁よろしくお願いいたします。

 

◆答弁

◎市長

答弁。

 

◎教育部長

 ご質問の1番目、「中学生海外派遣事業について」の1点目、「事業の概要及び実績について」の1つ目、「募集方法、実施時期、報告会等事業の流れについて」でございますが、例年、新年度の始業式に、新3年生全員に募集要項を配付し、4月中旬まで参加者を募(つの)ります。5月に派遣生徒を選考、6月に結団式、7月下旬に出発式を開催、8月に海外へ派遣し、10月下旬に帰国報告会を行っています。また、結団式後から派遣までの期間には、事前準備会を4回程度開催しています。

 

 次に2つ目、「派遣先の変遷及び選定理由について」でございますが、派遣先は、事業開始時の平成7年度及び8年度がシンガポール、9年度から22年度まではニュージーランドです。23年度から25年度までは、ニュージーランド地震の影響で一時的にオーストラリアに変更しましたが、26年度から今年度までは再びニュージーランドに派遣をしています。ただし、令和2年度及び3年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、派遣を中止しました。選定理由としましては、国際的な感覚や視野を養うとともに、日本という国を考えられ、様々な場面で活躍できる人材を育むことを目的としています。また、英語圏であり、治安がよく安全なこと、ホームステイ等、現地での受け入れ環境が整っているなどの観点から選定しています。

 

 次に3つ目、「業務委託先の選定方法について」でございますが、派遣生徒の選考、航空券及び現地活動の調整、出発準備及び報告会の開催を1者による随意契約で、市校長会に委託しています。

 

 次に2点目、「過去5年間の実施状況について」の1つ目、「派遣期間及び派遣人数について」でございますが、令和3年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により実施せず、4年度から7年度までは、いずれも派遣期間は7泊8日、派遣人数は中学生12人、引率教員2人です。

 

 次に2つ目、「事業費、市負担額及び参加者負担額について」でございますが、

4年度は、事業費528万2千円、市負担額212万円、参加者負担額 1人当たり26万3,500円です。

5年度は、事業費547万4千円、市負担額230万円、参加者負担額 1人当たり26万4,500円です。

6年度は、事業費565万4千円、市負担額230万円、参加者負担額 1人当たり27万9,500円です。

7年度は、事業費628万5千円、市負担額287万千円、参加者負担額 1人当たり28万4,500円です。

 

次に3つ目、「応募人数及び倍率について」でございますが、5中学校から選考会に挙がった人数は、4年度が21人で約1.8倍、5年度が28人で約2.3倍、6年度が33人で約2.8倍、7年度が28人で約2.3倍です。

 

 次に4つ目、「市ホームページへの情報掲載について」でございますが、例年事業報告後の11月頃に、市ホームぺージで事業内容を掲載しています。なお、中学校のホームページでは、学校祭で生徒が研修報告を実施したことを写真を交えて掲載しているところもあります。

 

 次に3点目、「近隣4市5町の実施状況について」の1つ目、「令和6年度及び7年度の派遣先及び人数について」でございますが、

令和6年度及び7年度に実施しているのは、大府市、武豊町、美浜町の1市2町です。大府市の派遣先はいずれもオーストラリアで、派遣人数は中学生20人、引率者4人です。武豊町は、隔年実施で、6年度はオーストラリアで、派遣人数は中学生36人、引率者5人です。美浜町の派遣先はいずれもシンガポールで、派遣人数は6年度が中学生10人、引率者3人、7年度が中学生20人、引率者3人です。

 

 次に2つ目、「業務委託先の選定方法について」でございますが、市町によって異なりますが、指名競争入札や実行委員会へ委託している自治体もありますので、よろしくお願いいたします。

 

【再質問】

 

答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ再質問いたします。

 

●再質問①

 現地での大規模地震に伴う派遣中止やコロナ禍による中断期間を除き、本市の派遣先は継続してニュージーランドであることを改めて確認いたしました。一方で、例えば大府市では、オーストラリア・ポートフィリップ市との姉妹都市協定に基づき、交付要綱を整備して事業を運営していると承知しております。これに対し本市は、クライストチャーチと姉妹都市等の提携関係があるわけではなく、要綱等を定めていないと認識しています。そこで

・再質問の①件目、「派遣先としてNZのクライストチャーチを継続選定している理由について」伺います。

 

◎教育部長

 現地コーディネーターや現地校のカシミヤハイスクール及びヒートンノーマルインターメディエイトスクールとの20年以上に渡る交流の中で生まれる、同世代との言葉を超えたつながりが好評であり、毎年成果も得ていることから選定しています。

 

●再質問②

 過去の一般質問で確認した応募状況は、平成26年度:51人、平成27年度:43人と推移しておりました。今回の答弁では、令和4年度以降も応募者数が募集定員を上回っている一方、応募者数は以前に比べて減少しております。そこで、

・再質問の②件目、「応募者数の減少に対する認識と要因分析について」伺います。

 

◎教育部長

 近年、応募者数が減少していることは、認識しています。生徒数が減少していることもありますが、物価高騰と円安の影響で旅行費用が値上がり、参加者負担額の増加も一つの要因と考えております。また、各家庭が、語学勉強・スポーツなど、自分に合った留学先を選択していることも要因と考えます。

 

●再質問③

 派遣生徒の選考や報告会の開催などの内容が含まれることから、市校長会へ委託しているとのことですが、航空券及び現地活動の調整は旅行会社等へ委託するものと認識しております。知多半島においても指名競争入札での旅行代理店を選定している自治体があるとのことが答弁から確認されましたし、私がリサーチした自治体の多くでは入札方式や公募型プロポーザルによって旅行代理店を選定しておりました。そこで、

・再質問の③件目、「旅行業者の選定方法について」伺います。

 

◎教育部長

 市校長会が、複数の旅行業者から見積徴収し、発注しています。

 

●再質問④

 次に、2点目の2つ目の答弁により事業費が改めて確認できましたが、さらに詳細を確認いたしたく、

・再質問の④件目、「事業費の主な内訳について」伺います。

決算が確定している令和6年度の内容について、金額を含めてお答え願います。

 

◎教育部長

 主に旅行費用が約534万円、事前研修会費用、現地訪問記念品、記録・製本等で約31万円です。

 

●再質問⑤

 令和6年度の事業費合計約565万円の内、旅行費用が約534万円と、本事業の大部分が旅行費用に係るものであることが確認できました。この旅行費用には航空券代、宿泊代、コーディネート代等が含まれていると認識しておりますが、詳細を確認いたしたく、

・再質問の⑤件目、「旅行費用の具体的な内訳について」伺います。

 

◎教育部長

 主にホームステイ代を含む現地活動費や保険料約270万円、往復航空費約235万円、空港ラウンジ使用料約18万円、渡航手続き代行料金約11万円です。

 

●再質問⑥

 先の答弁により、令和6年度の市負担額は約230万円であることが確認できました。この参加者補助の考え方などを確認いたしたく、

・再質問の⑥件目、「参加者補助の内容及び市負担割合の推移について」伺います。

 

◎教育部長

 補助の内容は、生徒の旅行費用にかかる補助で、負担割合は、過去には市の負担が2分の1程度の時もありましたが、確認がとれる令和4年度以降は3分の1程度となっています。

 

●再質問⑦

 答弁により、昨年度の令和6年度の参加者負担額が27万9500円であることが確認できましたが、生徒の旅行費用にかかる補助が、どれくらいの支援されているのかを確認いたしたく、

・再質問の⑦件目、令和6年度の参加者補助金額について」伺います。

 

◎教育部長

 昨年度の市の補助が、12名合計132万円、1人当たり11万円です。

 

●再質問⑧

 過去の本事業への参加者負担額を確認したところ、平成27年度は:19万6,000円、平成28年度は:18万6,000円でした。一方で令和6年度の参加者負担額は27万9,500円であり10年足らずで参加費用が10万円近い負担増となっていることが確認できます。この背景には円安や世界的な物価上昇があることと、公費負担が2分の1程度から3分の1程度に減額されたことが影響していると考えられますが、現地での諸活動を考えれば30万円を超えると想定され、30万円という金額は、経済状況が厳しい世帯だけではなく、標準的な世帯にとっても重い負担金額であると考えます。この点について、参加者負担額が近年大幅に高騰している現状の市の認識と、毎年の参加者12名及び30名程度の応募者がどのように捉えているのかを把握するために、ヒアリング等を実施しているのかを確認いたしたく、

・再質問の8件目、「参加者負担金額増に対する市の認識及び参加対象者からの意見について」伺います。

 

◎教育部長

 年々、参加者負担額が増額していることは、認識しています。物価高騰に加え、円安の影響も受け、事業費が値上がりしていると考えています。なお、参加対象者からのヒアリングは実施していません。

 

●再質問⑨

 本市の中学生海外派遣事業について、参加者負担額の推移を改めて整理いたします。平成27年度(2015年度)の参加費は、生徒1人当たり19万6,000円であり、事業費の5割程度を参加者負担とする考え方が採られておりました。一方で、コロナ禍以降は、市負担割合を約3分の1程度に縮小し、令和6年度(2024年度)の参加費は生徒1人当たり約28万円となっています。

 

 事業費が平成27年度(2015年度)の約465万円から2024年度の約565万と膨らむ中、市負担額は平成27年度(2015年度)の220万円から令和6年度(2024年度)は230万円とほぼ横ばいで推移しており、参加者負担のみが1.5倍に近い費用増になっています。

 

 これは円安や物価高の影響だけでなく、参加者の市負担割合を約3分の1程度に縮小したため、1人当たり約11万円の補助がなされても、約28万円の参加費が必要となる状況です。先に述べた通り30万円近い参加費用は標準的世帯でも重い負担であり、教育機会の公平性の観点からも参加者である生徒や保護者の負担軽減への取り組みが必要であると考えます。

 

 先進自治体の事例を踏まえての具体的な改善提案は、のちの要望において述べますが、市も「事業費が値上がりしている」ことや「参加者負担額が増額している」ことを認識されているようですので、この課題についての今後の取り組みを確認いたしたく、

・再質問の⑨件目、「参加人数の拡大や参加者負担額の低減等、事業の充実を検討する考えについて」伺います。

 

◎教育部長

 参加者補助の市負担割合は、3分の1程度を継続していきたいと考えています。ただし、年々事業費が増額していますので今後は、他の自治体の事例を参考に、派遣先や事業内容を検討していきます。

 

●再質問⑩

 次に、先の2点目の4つ目の答弁から、参加対象となる中学3年生は、始業式で配布される募集要項を受け取ってから、半月程度の短期間で応募判断を迫られる状況であることが確認できました。市民の方からも、私の過去の一般質問で本事業を知り、市ホームページを確認したものの、参加に必要な費用や、選考・旅程等の基本情報が掲載されていないため「どこで確認できるのか」といった問い合わせが寄せられております。私は以前の一般質問においても、周知の在り方と情報公開の不足を問題提起し、その際、

「今後は教育委員会においても、募集要項を含め派遣事業報告会の様子などを市のホームページに掲載する」

「募集内容を含め、生徒が体験した内容、学んだこと等、ホームページに掲載する」といった改善の内容が答弁され、会議録にも明記されております。コロナ禍による一時中断や、人事異動による引継ぎの課題は理解しますが、議会で明確に示された改善策が十分に履行されていない現状は問題であると考えます。

 

 本事業への参加費用は30万円近くまで上昇しており、多くのご家庭にとって生活設計に直結する重大な判断となります。その情報を得られる機会が、中学3年生4月の始業式と、応募期限の直前に限定されている現状は、周知や情報公開の在り方として妥当ではないと問題提起しております。海外派遣に興味を持つ中学1・2年生や保護者が、事前準備に向けて事業の情報にアクセスできる環境を提供することが必要であり、その手段として、市ホームページでの募集要項や費用、スケジュール等を掲載することが、最も普遍的かつ公平性の高い情報提供方法であると考えます。そこで、

・再質問の⑩件目、市HPにおいて、募集要項等を掲載するなど、「情報公開の充実を図る考えについて」伺います。

 

◎教育部長

 海外派遣事業は、市内5中学校の3年生に限っているため、市ホームページなどで広く募集等はしていません。しかし、参加資格のある3年生には一人ひとりに募集要項が配付し、必要な情報を届けています。また、各学校においては、学校祭等で派遣生徒の報告会が実施され、下級生が海外派遣への興味をもつきっかけとなり、その様子は学校のホームページや学校通信等にも掲載しています。今後は、募集要項や報告会の内容なども市ホームページで紹介し、さらなる充実を図ります。

 

答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ要望を申し上げます。

 

 

【要望】

 

●要望①

 中学生海外派遣事業における情報公開について、今後は、募集要項や報告会の内容なども市ホームページで紹介し、さらなる充実を図っていくとのこと、よろしくお願いいたします。本質問に先立ち、十数件の自治体の情報公開や周知の事例を調査いたしましたが、多くの自治体において情報を網羅的に掲載しており、その中でも、県内では岩倉市の「中学生海外派遣事業」、他県では、山口県宇部市の「ジュニアグローバル研修事業」の市HPへの情報掲載は非常に参考になる取り組みであると思われます。いずれの自治体も募集要項を掲載しており、要綱の中に日程や選考方法、参加費など募集対象者が確認するべき情報が記載され、併せて電子媒体報告書を掲載しています。

本市も報告書は内容の濃い冊子が製本されていると認識しておりますので、募集要項を電子媒体で掲載するなど、参加費用や事業概要、スケジュールがわかるような形で情報公開いただくようお願いいたします。

 

●要望②

 次に、中学生海外派遣事業における参加者負担額の低減、及び参加人数の拡大など、事業の一層の充実に向けた取り組みに尽力していただきたく、改善提案を申し上げます。

 

 本事業は派遣生徒の選考や出発準備、報告会などが含まれていることから、業務を市校長会に随意契約で委託しているとのことであり、その趣旨は理解しております。したがって、費用の妥当性や検証についての質問は控えましたが、参加者負担の増大を抑えるうえでも、経費節減の取り組みは欠かせないと考えます。

 

 先に参加者負担額の推移を整理いたしましたが、平成27年度(2015年度)の参加費は生徒1人当たり19万6,000円で、事業費の5割程度を市が負担しておりました。それが、市負担割合が約3分の1程度に縮小されたことに加え、円安や物価高の影響もあり、令和6年度(2024年度)の参加費は生徒1人当たり約28万円にまで上昇しています。

 

 市が補助する歳出額は230万円であり、その内訳を見ると、参加者12名への補助金は合計132万円、1人当たり11万円です。差額の約100万円は引率教員2名の経費であり、教員の業務費を市が負担することは当然で異論はありません。しかし参加者負担のみがこの間に1.5倍に近い額への増加となっている深刻な現状に対しては、対策が必要と考えます。

 

 多くの自治体では経済合理性と透明性の観点から、旅行業務について入札または公募型プロポーザル方式を導入し、費用精査を行っています。例えば、かかみがはら市では中学生20人を米国セリトス市へ派遣する事業において、令和6年7月に指名競争入札を実施し、予定価格12,358,060円に対し5社が応札、落札額は税込9,419,140円と、予定価格より20%を超える減額となりました。(※1)

 

 この例は特に予定価格と落札額の乖離が大きい事例ですが、全国的にも入札やプロポーザル方式の導入により費用精査を行う自治体が主流となっています。本市の7泊8日のニュージーランド派遣が、生徒1名当たり約40万円という旅行費用は、他自治体との比較においても、本当にコストとして妥当な金額なのでしょうか。費用と経済合理性が真に見合ったものであるのか、精査が必要であると考えます。

公募型プロポーザル方式を採用し、本市と同様にオセアニア圏へ中学生を派遣している自治体には次の事例があります。

 

京都府綾部市は、令和6年度、オーストラリアのブリスベンに15名を派遣、参加費は8万円です。(※2)

京都府京丹後市は、令和6年度オーストラリアのパースに20名を派遣、参加費は募集要項で15万円程度(全体経費約60万円のうち約45万円は補助金で支援)しています。(※3)

茨城県鉾田市(ほこたし)では、オーストラリアのクイーンズランド州に16名を派遣、参加者負担金15万円です。(※4)

 

 綾部市は人口が約3万人、京丹後市と鉾田市は人口5万人に満たない自治体です。それでも本市より多くの中学生をオーストラリアに派遣して、参加者負担金も低く抑えていることがわかります。

 

 一方、本市では、今後、他の自治体の事例を参考に、派遣先や事業内容を検討するとのことですが、事業費の節減に尽力して費用の透明性を確保するとともに、参加補助の市負担割合を従前の5割相当へ見直していただきたいと要望いたします。補助対象は生徒の旅行費用ですので、令和6年度実績ベースで考えれば、12名へ2分の1補助とした場合の補助額は198万円となり、市の歳出増は66万円にとどまります。

 

 小さな金額とは申しませんが、この見直しにより1人当たり5万円以上の負担減が可能であり、経済的な理由で参加を断念せざるを得ない生徒の申込み障壁の緩和につながります。財源確保策として、CSR活動に積極的な企業への協賛依頼、企業版ふるさと納税の活用、さらに一般のふるさと納税の寄付金の使い道に本事業の項目を独立させるなど、多角的な取り組みを提案いたします。

 

 併せて参加人数の拡大策として、複数都市への派遣を提案します。参加費を10万円台以内に抑えられる新たな選択肢の提供です。これはモデルが岡山市にあります。岡山市では「子ども海外派遣」事業を隔年で市内の全中学生を対象に実施しており、令和7年度は、アメリカ合衆国や中米、東南ヨーロッパ、アジア圏の計7都市に計56名を派遣しております。一番費用が高く設定されているカリフォルニア州及びオレゴン州へは535,000円の参加費となっているものの、グアムへは160,000円、台湾へは87,000円の参加費となっております。人口70万人を超える岡山市と本市では、行政規模の違いはありますが、複数都市への派遣は参考となる先行事例です。(※5)

 

 その他の費用を抑えた派遣先の例としては、県内では、大口町(おおぐちちょう)が、令和7年度海外派遣事業として、シンガポールとマレーシアにとして、16名を派遣しており、参加者負担額は約16万円です。(※6)

 島根県安来市(やすぎし)では、令和7年度青少年海外研修事業として、韓国に6名、台湾に6名を派遣しており、参加者負担額は4万円です。(※7)

 八王子市は3泊4日と期間は短いですが、令和7年度「青少年海外派遣台湾高雄市」として、台湾に16名を派遣しており、参加者負担額は20,000円です。(※8)

 

 本市がニュージーランドのクライストチャーチを派遣先として継続選定していることについては、成果があり評判も良いとのことですが、参加費用等に関して参加者や応募者へのヒアリングが実施されていない現状は改善すべきです。応募者へアンケート等の意見聴取を実施することで生徒と保護者のニーズを把握し、アジア圏や環太平洋地域など費用抑制が可能な都市の候補を検討し、市内5中学校各4名の計20名を派遣可能とすることを提案します。また、他自治体の海外派遣対象者は、中学3年生に限ったものではないケースも散見されることから、生徒や保護者の意見によっては、中学3年生だけではなく、中学2年生も含めて派遣対象とすることを検討しても良いのではないでしょうか。

 

 中学生海外派遣事業に平成27年度までは40名を超える応募があり、令和6年度も33名の応募がある現状は、参加希望者の需要を市が満たせていないことを表しています。本年度実績で、本市と同等規模の大府市はオーストラリアへ20名、人口約21,000人の美浜町もシンガポールへ20名を派遣しています。近隣自治体や本日事例を挙げた自治体の実績からも、20名という人数は決して過分なものではありません。例えばニュージーランドへ10名、アジア圏もしくは環太平洋地域へ10名の20名派遣とすれば、選考に漏れてしまう生徒の参加機会を充足し、より多くの生徒に門戸を開く公平性確保の観点からも、派遣人数拡大は意義のある取り組みとなると考えます。

 

 以上、中学生海外派遣事業の充実に向けて参加者負担額の低減及び参加人数の拡大の取り組みを要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。

 

 

◆参考資料

 

(※1)各務原市

https://www.city.kakamigahara.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/950/20240806.pdf

 

(※2)令和8年度飛び立て!中学生海外派遣業務に関する公募型プロポーザルの実施

https://www.city.ayabe.lg.jp/0000006009.html

 

(※3)京丹後市中学生海外派遣事業 中学2年生の参加者を募集!

https://www.city.kyotango.lg.jp/material/files/group/3/20250908_n118.pdf

https://www.city.kyotango.lg.jp/top/soshiki/kyoikuiinkai/gakkokyoiku/1/kokusai/21246.html

 

(※4)令和7年度鉾田市中学生海外派遣事業参加者募集

https://www.city.hokota.lg.jp/page/page007002.html

https://www.city.hokota.lg.jp/data/doc/1740741593_doc_88_0.pdf

 

(※5)令和7年度岡山市子ども海外派遣について

https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000048296.html

https://www.city.okayama.jp/kurashi/cmsfiles/contents/0000048/48296/Final.pdf

 

(※6)愛知県大口町海外派遣事業

https://www.town.oguchi.lg.jp/2196.htm

 

 (※7)令和7年度安来市青少年海外研修事業

https://www.city.yasugi.shimane.jp/shisei/koikirenkei/sister_friendship-cities/2025kaigaikennsyuu.html

 

(※8)八王子市-令和7年度(2025年度)青少年海外交流事業「青少年海外派遣台湾高雄市」派遣団員募集

https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/kyoiku/004/001/event/p035190.html

 

●令和7年度岩倉市中学生海外派遣事業

https://www.city.iwakura.aichi.jp/0000006360.html

 

●宇部市ジュニアグローバル研修事業

https://www.city.ube.yamaguchi.jp/shisei/keikaku/kokusai/1007238/1007239/index.html